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領地に、反応があった。
――二つ。
たまたまか。
偶然か。
だが、侵入は侵入だ。
熟練度が低いため、
姿も、能力も、正体も分からない。
分かるのは、数だけ。
「……ピリオスさま」
ヤトが低く声を発し、
自然と俺の一歩前に立つ。
警戒しておいて、損はない。
たまたま迷い込んだ可能性もある。
だが――進路がおかしい。
周囲を散策している様子はない。
探索の動きでもない。
二つの反応は、
洞窟の内部へ、真っ直ぐ進んできている。
こちらの居場所を、
把握している。
相手のスキルか。
それとも、この紙に
そのような効果があるのか。
あるいは――
こちらの戦闘力まで、
すでに読まれているのか。
それとも単純に、
戦闘に自信があるだけか。
どちらにせよ、
これは偶然ではない。
「……来るな」
俺は、玉座に腰掛けたまま、
領地の感覚に意識を集中させる。
まだ、距離はある。
だが、確実に縮まっている。
戦闘は、始まっていない。
だが――
選別は、もう始まっている。




