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おまけの話、ドワーフ子爵と愉快な仲間たち


「おい、カニャクおるか!」


アローゼ子爵がドアの外に向かって声を出してからすぐ扉が開いた。

ドアから入って来たのは、アローゼ子爵と同じドワーフではあるが見た目は少し違う人物。

最側近のカニャクだった。


「はいはい、ここにおります」


「おるならすぐ来んか!」


「私も忙しいんですよ…どこかの誰かさんがミスリルの事を話しまくるせいで…」


子爵家に使える従者とは思えない口調で話すカニャク。

しかし、アローゼ子爵は別に気にしていない様子だ。


このカニャクは、アローゼが子爵の爵位を賜った頃から仕えているアローゼ子爵の右腕だが、いかんせん口が悪いのだった。

しかし、嘘のつけない性格で

アローゼはそこを気に入り長く側に置いている最も信頼する人物だった。


「わしだって誰でもかれでも話しとる訳じゃないわい!ちゃーんと見極めておる!」


「どうだか…今回はシルヴェストさんの知り合いだったから良かったものの…本当に気をつけてくださいよ」


「ゔっ分かっとるわ!しかし、あれじゃぞ?そのお陰でリコルとエルドリニールという優秀な人材が加わってくれたではないか!それはわしの手柄じゃぞ?」


カニャクは「はあ…」とため息をついた。


「本当にこのドワーフは…」


「お!お前!主人に向かって!というか、お前だってドワーフじゃろーがー」


「私はドワーフですが、半分は人族の血が混ざっておりますので。その証拠に背が高いです」


カニャクはアローゼの前に立ち見下げる様な仕草をした。


側から見れば、貴族である主人に取る態度ではないがアローゼ子爵家では許されている。

現に他の従者たちも似たようなものだった。


アローゼがカニャクにムカっとしていると

ノックもせずにドアがバーンと開いた。


「親方様ー!」


「こりゃー!イヴァン!ドアはノックせいと言ったじゃろーがー」


えへへと頭をかきながら笑うイヴァンを見てると気が抜けるのか、アローゼもカニャクと同じような顔になった。


「すんません!あ!親方様!リコル先生が見つけたミスリルですがめちゃくちゃ純度が高いっす!」


「なにー!それ本当か!ひょー!やりおったなー!よし、明日もその辺りを採掘するぞ!おいカニャク!滞在を少し伸ばすぞ!調整せい!」


「アローゼ様、滞在は1週間です!それ以上はダメです」


「何言っとんのじゃ!これだけの最高のミスリルがあるっちゅうのに!勿体無い!」


「親方様ー」


「なんじゃ!」


「王様と1週間以内に帰るって約束したんじゃないんですかい?」


「あ…そうじゃった」


その後のアローゼの必死の懇願により、滞在を1週間から2週間に伸ばしてもらえたアローゼ子爵はご満悦だ。


カニャクはカズにその事をお願いする時に

「うちのバカドワーフ子爵が…」

と暴言を吐いていたのは聞かなかった事にする。


アローゼ子爵がここに来てから見ていたが

子爵はかなり自由人のようで

カニャクさんはその後始末に追われているようだったな。


カニャクさん、ドワーフと人族のハーフで

顔はドワーフっぽいんだけど、背が高いんだ。

俺と同じかちょい小さいくらいかな?

んで、ドワーフといえば髭もじゃだけど

カニャクさんには髭はない。


プルがカニャクさんを見て

「おひげないドワーフもいるのー?」って聞かれてた。


「そんな質問するんじゃありません!」って言ったら、カニャクさんは笑ってたっけ。


プルはマジで強者だよ…


そんで滞在中、毎晩行われている宴会にもカニャクさんはほとんど顔出さないんだけど

後で聞いたら、ユストフさんと事務所で経営や書類に関しての情報交換会をしているんだってさ!

あの2人、なんか通じるものがあったのか

静かーに仲良くなってたんだ。



あ!あとさ!アローゼ子爵の一行には

女性も1人いるんだよ。

だから、初日に部屋は別がいいのでは?って聞いたらさ


「私はアローゼ様の弟子ですので、弟子のみんなと同じ部屋で構いません!」


って言われちゃったんだよな。


職人の世界は厳しいんだねえ。


でもさ、俺としてはやっぱり気になるから

毎日その子のことを気にしてたんだけど

宴会ですげー光景見ちゃって。


酒、すげー強えーの!

周りの弟子たちもすげー飲むんだけど

その子は段違いだったな。


しかもその後、みんなで酔って腕相撲してたんだけど…

めちゃくちゃ強くて優勝してたわ。


ドワーフって、女子もめちゃ強いのな!




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