表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
94/104

94、ミスリルの匂い


2階の大広間には、アローゼ子爵とその一行が目を丸くして固まっていた。

シルヴェストさんから聞いていた「すき焼き」というものを食べたいとのリクエストだったので

今夜はすき焼きを出したんだ。


「う、う、うまーいー!!!なんじゃこれは!この甘辛い汁と柔らかい肉!卵につけるとまろやかになって最高じゃ!」


最初、卵を生で食べるなんてとんでもない!と言っていたアローゼ子爵。


「まあ、騙されたと思って食べてみろ」


「だまされたーってたべてー」


シルヴェストさんとプルに言われて恐る恐る食べてたんだけど、お気に召したらしい。


「いやあ!これゃ最高じゃのー!お前が手紙で自慢するのも頷けるわい!プルやー!こっちにエール頼むぞー」


「はーい!」


アローゼ子爵はこのエール(実際は生ビールだが)もお気に召したんだけど、その飲み方は半端ないんだよ。

こりゃ、今日はタンクすっからかんだな…はははは。


アローゼ子爵ご一行様は、これから1週間ほど滞在する予定なんだけど、ここを拠点にしてカルニートから馬車で3時間くらいの高い山にあるミスリルの採掘場に通うらしい。


ミスリルってかなり高価らしくて、採掘場の場所は世間には明かされてないんだって。

だから、俺たちはかなり口止めされたんだよ。


それでもって、採掘場にもそこら中にミスリルが埋まってる訳ではなくて

かなり慎重に掘っていかないと見つけられないらしい。


うちに魔石の専門家がいるって話をしたら

是非同行してほしい!との事だったので、エルドリニールさんも明日から採掘場に通う事になった。


今日もうちの旅館は大盛況で、バタバタしてる間に閉店の時間になったんだけど

アローゼ子爵ご一行はまだ酒盛り中。

いつの間にか、仕事を終えたシルヴェストさんも参加してるし…。


あれ?なんかプルとリコルまでいるじゃん。


「プルや!こっちに来てこれを食べなさい」


アローゼ子爵、今日プルに部屋に案内された時からプルがお気に入りみたいで

お菓子をあげたり、自分のおつまみをあげたりして可愛がってくれてるんだ。


「ほー!スライムがもう一匹いたのか!ほれ、お前も食べなさい」


アローゼ子爵、スライム好きなのか?

リコルはスライムだけど、スライムじゃないんだよね。


俺は明日もあるから、酒盛りには参加せずに横でソフトドリンクを飲みながら話に参加してたんだけど、リコルがこんな事を言い出したんだ。


「僕、鉱石の匂いが分かるよ?」


「な、な、なんじゃと?」


「ミスリルでしょ?あの白くて高い山の真ん中辺りに沢山あるよね」


「「「……………」」」


アローゼ子爵、口から大切なエールが出てますが??


「お前!本当に分かるのか?」


「うん!」


「リコル、本当に匂いがするのか?」


リコルはポヨんとひと跳して頷いた。


まあ、リコルは元はユニコーンだからな

そんな能力もあるのかもしれないが…

アローゼ子爵達にはリコルの正体をバラしちゃマズいだろ。


俺はシルヴェストさんに助けを求めてみた。

するとシルヴェストさんも同じ事を思っていたのか、ちょっと頷いた。


「このリコルはな、ちょっと変わったスライムなんじゃよ。なんて言うか…そうじゃのう、突然変異とでも言えばいいのかのう」


「突然変異?そうなのか?見た目は普通のスライムと変わらないようじゃが…」


「えーとね、僕は白馬に育てられたの!だから、ちょっとみんなと違うの」


うん、嘘は言ってないな。

白馬に育てられたスライムじゃなくてユニコーンだけども…


アローゼ子爵はしばらく考え込んで、従者と何やら話し合っている。

なんか、面倒な事にならなきゃいいけど…


って思ってると大体面倒な事に巻き込まれるのが俺なんだけどな!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ