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異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
85/105

85、パンツで大喜び


「ネーローちゃーん、ネーローちゃーん」


「ネロちゃん、可愛いなー」


今、目の前に広がっている光景に俺は悶絶している。

ユウトの飼い猫のネロとプルとリコルが仲良くゴロゴロしてるのだ。


猫とスライムのほのぼの光景はヤバい。


あの日、ユウトに連れられてやって来た黒猫のネロはあっという間に旅館松やの看板猫になった。

こちらの世界にも猫はいるけど、黒猫は珍しいらしくご近所のちびっ子たちにも大人気。


「こちらでは黒猫は神聖な生き物として認識されているんです」


エルドリニールさんもプルとリコルとネロを見ながらニヤニヤ。

いつもは庭で魔石の発掘をして、そのまま研究室兼自宅からほとんど出て来ないのに

ネロが来た日からちょくちょく顔を出している。

聞くと、エルドリニールさん物凄い猫好きらしい。


「イシリオン教の聖典の一説に、創造神イシリオンが世界を創る場面があるのですが女神と男神を創造した後にそれぞれに動物の家来を与えるのです。女神の家来の中に黒猫がいるのですよ」


「へぇー、だから黒猫はこの世界では人気があるんですか」


そんな話をしていると、仲良くゴロゴロしてたネロがこちらへ向かって来た。

そして、俺とエルドリニールさんの前にちょこんと座った。


みゃー


エルドリニールさん、物凄いそわそわしてる。

きっと触りたいんだろうな…


そんなエルドリニールさんの様子が分かったのか、ネロが自分からエルドリニールさんの手に頭を擦り付けて来た。


「はあ、わ、わたし、猫を触っております!」


「え?あ、はい、そうですね」


「今まで動物に好かれた事などなかったのです。どうしたら良いのでしょうか…ああ!感激です」


エルドリニールさん、涙目になってるよ。


その日からネロは昼間の開店準備の間は、旅館の庭でエルドリニールさんの魔石の発掘に付きそうようになったんだ。

エルドリニールさん、今までにも増して仕事が捗ると言って喜んでたよ。


ネロ効果すげーな。


そんで、旅館の営業が始まると

1階のフロントのカウンターの上でお客さんをお出迎え。

殆どの人がイシリオン教の信者だから、黒猫が出迎えてくれた!って言ってさ。

そりゃもう大感激の嵐だよ。

中にはネロを拝んで行く人もいるんだよな。


そんな時でもネロは余裕の表情で

その意味が分かってるようにどっしり構えちゃってるから笑っちゃう。


一方ユウトとタクマは、シルヴェストさんの元で研修中なんだけど日帰り風呂の担当をしてもらってる。

受付で代金をもらってタオルを手渡して

帰る時にそのタオルを回収する。

タオルは絶対回収だからな。

じいちゃんの頃からの決まりだからシルヴェストさんもユストフさんもそこは厳しいぞ。


それに慣れたら、今度は俺と買い出しだ。

本来、ユウトとタクマにやってもらいたかったのは買い出しだからな。


しかし、それをしてもらうには

解決しなければならない事がいくつかあった。


まずは、運転免許証。

幸い、2人の運転免許証の期限はまだ先だったので使える事は使えるが…

ユウトが前に言っていた自分たちの存在が忘れられていたって話がひっかかる。


もしかしたら、戸籍とかもないのかも?って。

それって結構面倒くさい事になるんじゃないだろうかと思って役所に行って確認したら

ちゃんと戸籍はあったんだ。

人は忘れても、届け出とかはなくなってないって事がわかったので

とりあえず、2人は転移届をうちの住所で出してもらった。


これでひと安心だな…。


その後は、2人に買い出しの仕方を教えたり

いつも使ってる酒屋と肉屋に連れて行って店員さんにも紹介した。


2人とも久しぶりの買い物に大興奮でさ

何か欲しいものあるか?って聞いたら

揃って答えたのが「下着」だった。


「いやあ、あっちの下着ってゴワゴワしてるって言うか…肌触りが悪くて。特にパンツが…」


あー、そうなのかー。


俺は服以外はショッピングモールで買ってるから気づかなかったけど、案外些細な事が重要だったりするんだよな。

ショッピングモールで2人に多めに下着を買い足してやったら、めっちゃ喜んでくれたよ。

パンツやら靴下やらでこんなに大喜びするなんて、よっぽど異世界の下着は辛かったんだろうと思った。


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