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異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
81/104

81、プルとリコル、店主になる


転移者を探す為

俺たちは手始めにある事を始めた。


作戦名は「マヨネーズ大作戦」。

この名を決めたのはマヨネーズ好きのコリーナさんだ。


ようは、マヨネーズを大々的に売り出して

「マヨネーズを知ってる人間がここにいますよー!だから、来てくださーい!」的にお知らせしちゃうって事だ。


まあ、これが成功するかは分からないし

そもそも召喚の儀式で誤って召喚された人間がいるかも分からない。

でも、やらないよりはマシって事。


最初はさ、マヨネーズを大々的に売り出すってのが俺は嫌だったんだよ。

嫌だったっていうか、俺が考えて物でもないし俺の生きて来た世界では当たり前にある物だから気が引けたんだよ。

でもこの際、そんな事は言ってられないって。


ビアガーデンの時に商人ギルドのマルディニールさんに提案された時は断ったんだけど

やっぱりマヨネーズを大々的に売り出しますって言いに行った時はマルディニールさん喜んでたな。


元々、利用登録っていうのはするつもりだったけど大々的に売り出すって事になれば

カルニートの名物にもなるからな。


マヨネーズを利用登録した後、希望者はかなり集まってる。

ギルドの一室で講習会を開いて、マヨネーズを覚えてもらう。

その後、受講者は終了後にギルド特製の免状が贈られる。

マヨネーズの利用登録を始めて一ヶ月くらいで、その数は60くらい。

カルニートの主なレストランはほとんど希望したそうだ。

あとは、隣町の大きなレストランやカルニートに関係する貴族。

そんな所も既に免状を手に入れたそうだ。


フライドポッツェを出す店も、カルニートの街ではかなり増えて新しい名物になって来ている。


今ではカルニートの街を歩くと

「カルニート名物フライドポッツェ」

「マヨネーズ」という文字をよく目にする。


うちの旅館は看板にはないんだけど

元祖って事で新しい試みをしている。

それは、テイクアウトだ。


ビアガーデンの時に使った建物の1階が空きスペースだったので、倉庫にでもしようと思っていたんだけど…


フライドポッツェのテイクアウトをやってみようかな?とちょっと話したら

うちのみんなが「絶対やろう!」って大張り切りで…はははははは。


また仕事増やしちまった…。


でも、マヨネーズ大作戦だからって事で

頑張らないとな。


メニューはフライドポッツェのみ。

そこに特製マヨネーズとケチャップのソースを付けている。

マヨネーズは元祖って事で、色んな味のマヨネーズを用意。

これは、俺がネットの色んなレシピを参考に作り上げてみた。

ちなみにマヨネーズとケチャップは追加注文可能だ。

これはコリーナさんからの強い要望だった。


「コリーナさん、マジでマヨラーになっちゃったな」



このテイクアウト店なんだけど、どうしても手伝いたい!ってプルが言うので

じゃあ、プルとリコルにやってもらおうってなってさ。




「よーし、看板が出来上がったぞい!」


「おっ!シルヴェストさん、いい感じですね!」


「そうじゃろ!ワシもなかなかの出来だと思う」


テイクアウト店の窓口の上に掲げられた看板は木目がキレイな一枚板だ。


「プルー!リコルー!」


俺が2人を呼ぶと、旅館の入り口から2人がやって来た。


ポヨン、ポヨン、ポヨン、ポヨン


何度見ても癒される光景…。


うー、SNSに投稿したい…

絶対バズる事間違いなし…


「あるじー、なにー?」


「ほら、テイクアウトのお店の看板が完成したぞ」


その言葉に2人はまたポヨンポヨンと表に回った。


「わー!かっこいいー」


「本当だ!すごいかっこいい!」


珍しくリコルも興奮気味だった。

するとプルがうにょうにょとし始めた。


「とうした?」


「うーんと、なんてかいてあるのー?」


そっか、プルはまだ字が読めないんだよな。


俺はリコルの顔も見たけど、リコルは文字がわかってるみたいで俺の顔を見てにっこりしてる。


「あれはな、こう書いてあるんだよ?」


"プルとリコルのフライドポッツェ"


そう!この店の店主は

プルとリコルなんだ。





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