表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
78/104

78、フライドポッツェ教室


旅館の厨房に集まった謎の料理人集団…じゃなくて商人ギルドから派遣された料理人の皆さん。

この方々は、カルニートの商人ギルドの食堂で働いている方々。


手には俺が作ったフライドポッツェのレシピを持っている。

そう!今日は商人ギルドにフライドポッツェを伝授する日なのだ。


ビアガーデンの時、トールソンさんとマルディニールさんにお願いされて

フライドポッツェのレシピをギルドに売る事になったんだけど

やっぱり料理の作り方は紙だけじゃ伝わらないって事で、こうして料理教室が開催された。


「まずは、ポッツェの切り方ですがこれは好みですね!決まりはありません。今回は色々な切り方で試してみましょう」


まずは、一番簡単な切り方"細長の角切り"だ。

これは、みんな大好き◯クドナルドのポテトに近いかな。


「食べやすいのはこのくらいの大きさですね」


俺は切ったポッツェをみんなに見てもらう。

この世界に長さの単位はないから、こうやって目で覚えるしかないんだよな。


「これを温めた油の中にいれますが、この時油の温度が重要です」


異世界にはもちろんサラダ油はない。

こっちでは一般的な料理には、魔物の肉の脂を溶かして使ったりしてるんだけど…それでポッツェを揚げたら肉の匂いが強くて不味かったんだよ。


そんで悩んでる時に、商人のゴーシュさんが色んな香辛料を持って隣町からやって来たんだ。

もしかしたらゴーシュさんならいい物知ってるかも!と思って聞いたらビンゴ!


オリーブに似たオリンバって果物があって、それから油が取れるそうなんだ。

ゴーシュさんのお店で扱ってるらしくて、今回大量にそのオイルを持って来てもらった。


オリーブオイルならぬオリンバオイルだな。


「油の適温の見極め方は、このように木製の箸を入れて確認します」


カルニートは木の工芸品があって、この箸もじいちゃんが工芸品の切れ端を使えるように考案した物だ。


今回のフライドポッツェの為に菜箸として、長いものを注文しといたんだ。


「このように箸の先から細かい泡が出て来たら低温、泡の勢いが強くなるにつれて高温となります。今回は生のままのポッツェを揚げますから、まず、最初は低温で中までじっくり揚げて全部揚げ終わったら提供前に高温でカラッと揚げます」


「なるほど…それだと沢山のお客様に対応できますな…」


料理人の1人が関心したように頷いてる。

この頷いてる人は、カルニート商人ギルドの食堂で料理長をしているアウルさんだ。


「そうなんです、これで作り置きが出来ますからね。お客様をお待たせしないで提供できます。では、早速揚げて行きますね」


ポッツェの水気を布でしっかり取った後

まずは低温のオリンバオイルへ。

ゆっくり混ぜながら中に火を通して行く。

そして、一度油からあげて高温になった所で再投入。

今度はカラッと素早く揚げる。


目安はちょいきつね色。


周りはサクッとした方が断然美味いからな。

揚げすぎの一歩手前が最高のタイミングだ。


「油から取り出したら、軽く油を切って熱いうちに味付けします。そうすると周りの油が程よく吸い取ってくれるのでいいんですよ」


今回はオーソドックスに塩味。

それからゴーシュさんが持って来てくれたハーブミックスを使ってみる。


そして、ザルの中で軽く混ぜ合わせれば

フライドポッツェの完成だ!


「さあ、出来上がりましたよ!試食してみてください」


「美味い!外はサクサクで中はふんわりしてるな!こりゃエールに最高だ!」


料理人の皆さん、目を丸くしてフライドポッツェを食べている。


「どうですか?とても簡単でしょ?では、次に違う形の物も作ってみますね」


次は三日月のフライドポッツェ。

今回は皮付きだ。


これも美味しいんだよな…


異世界のポッツェは、俺たちが知っているじゃがいもと同じで皮も薄い。

わざわざ皮を剥かなくてもカリカリに揚げてしまえば逆に美味しい。


「この形の場合は、火が通りにくいので先にじゃがいも…じゃなかったポッツェを先に蒸しておきます」


すると、後ろの方の料理人が手を挙げた。


「よろしいでしょうか?」


「どうぞ!質問は大歓迎です」


「あの、蒸してという事ですが必ず蒸さなくてはなりませんか?」


おっ!なかなかいい質問だな。


「蒸す以外でもいいですよ、例えば茹でるでも。ただ、茹でると水っぽくなりますからね…粉吹きという調理法があります。茹で上がったお湯を捨ててポッツェを入れた鍋をしばらく火にかけておきます。鍋の中の水分が飛ばされてホクホクになります。ちょっとやってみましょうか」


俺はアシスタントしてくれているコリーナさんにお願いしてポッツェを茹でてもらう。

その後、粉吹きのやり方をみんなに伝授した。


その後も色んなフライドポッツェの作り方を実演して、料理人のみなさんに覚えてもらった。



「いやいや、本当に勉強になりましたわい!まだまだ知らない事が多いですな!」


商人ギルド食堂の料理長のアウルさんがメモを取りながらワクワクした顔を見せている。

ちなみにアウルさんには今度マヨネーズの作り方も教える事になっている。

利用登録はまだ完了していないが、近々完了する予定なので商人ギルドで大体的に宣伝するそうだ。


ちなみに、アウルさんにレシピ伝授する利用登録料は商人ギルド持ち。

何でもマルディニールさんが熱望したかららしい。


「あのフライドポッツェとまよねーずのハーモニーをいつでも味わいたいのです!」

という事らしい。

でも、毎日食べると体に悪いですよってのは忠告しておいた。

なんでも食べ過ぎは良くないからな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ