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異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
77/104

77、リコルの寝床


「おーい!リコルー!ちょっと手伝ってくれ」


「はいはーい」


俺とプル、そしてリコルが住むようになって

自宅の使い勝手があまり宜しくない。

まず、寝室だ。


プルは俺と初めて会った時から一緒のベッドで寝てるから、あまり不便じゃなかったんだけど…


「僕、1人で寝たい」


そう、リコルはプルより大人なんだよ。

いくら従魔だからって、四六時中べったりって訳じゃないんだ。


「プルはあるじといっしょがいいー」


「ありがとなープル。んで、リコルは寝る時はユニコーンに戻る訳?」


これって素朴な疑問だよな?

ずっとスライムに変身してるんだから疲れちゃうんじゃないかと心配になる訳だよ。


「うーん、その時々で違うかな。だいたいはスライムのままだけど…たまに寝てる時に戻っちゃうみたい」


「って事はやっぱ別々の方がいいな」


「うん、一緒に寝てて僕が寝ぼけてユニコーンになったらご主人様危ないもんねー」


おいおい、何か物騒だな。


「それじゃあ、奥の空き部屋を改造するか」


と言い訳で、今日はみんなで部屋の片付けからやってるんだ。


「おてつだいー♪おてつだいー♪」


プルは手伝いが好きなようで、鼻歌歌いながら不用品を裏口の所まで運んでる。


この部屋は、俺が子供の頃は納戸みたいに使ってた記憶がある。

その証拠に、年代物のカレンダーとか使ってないタオルとか食器とか色々置いてある。


「お?この食器なかなかいいな。旅館で使えそうだ…あれ?これ俺の小学校の卒アルじゃん!懐かしいなー」


とまあ、こんな感じで全然進まない。


そんな寄り道ばかりの俺を横にいるリコルが度々注意しながら片付けて行き、なんとか夜にはある程度片付いた。


「とりあえず、このくらい片付いてたら寝床は作れるよな」


広さ6畳ほどの部屋の3分の1はまだ荷物があるが、これはまた次の休みにやるとしよう。


「うん、これなら十分だよ」


「そーいや、リコルの寝床ってどんな風にすりゃいいんだ?」


「うーん、そーだなー…山では枯れ草とか敷いてフカフカにしてもらってたけど…」


「家の中だからな、枯れ草以外で!」


「それならフカフカなものを沢山持って来てくれたら、僕が寝床作るよ」


フカフカな物か…うーん、そんなんあったかな。


「じゃあ、寝るまでに考えるから。とりあえず、晩飯食おう」


「わーいごはんだー!プルおなかすいたー」


「だよなー?リコルも腹減っただろ?」


「うん、実は僕もペコペコ」


「よーし!冷蔵庫に何入ってるか見てみよーぜ!」


スライムを2匹引き連れてキッチンに入る。

冷蔵庫を開けるとプルとリコルがニョキっと俺の横から身体を出して来た。


「あるじー、ごはんなにー?」


「んーそうだな…」


引き出しを開けると、忙しい時用に買ってあったピザが出て来た。


そうだ、これ安売りだったんだよな。

ちょうど3枚あるから…


「2人ともピザでいいか?」


「ぴざー!プルぴざだいすきー!みょーんってのびるのすきー!」


「あはははは、そっか!」


プルには前にピザを食べさせたんだけど、その時もスーパーのピザだったから後乗せでチーズとピーマンを追加したんだよ。


のびるチーズが珍しかったのか、あの時からチーズ好きになったんだよな。


「リコルもピザでいい?」


「ぴざって食べた事ないから分からないけど、プルがそんなに喜ぶなら美味しいんだろうし僕は賛成!」


「よーし!じゃあ、決まりな」


ちなみに、その時さ宅配ピザを頼もうと思ったんだけど…見事に配達範囲外。

どんだけ田舎なんだよ…


俺、宅配ピザ好きなんだよねー。

いろんな味楽しめるしさ。

まあ、仕方ないよな…。


さて、気を取り直して…と。

ピザだけじゃ淋しいよなー。

なんかないかな…。


冷凍庫の方を開けてみると、中にお得用の冷凍ピラフがあった。


「おっ!いいのあんじゃん!このピラフも食べよう」


「「ぴらふ?」」


プルもリコルもピラフはまだ食べたことがなかったか。


「ピラフはチャーハンに似てるかな」


「ちゃーはん!ちゃーはーん!やったー!ちゃーはーん!」


プル大興奮。


プルはチャーハンが大好物。

おそらく食べ物の中で1番じゃなかろうか。


興奮してキッチンで飛び跳ねるプルを何とかなだめて落ち着かせる。


スーパーのピザにケチャップを生地の端ギリギリまで塗って、ウィンナーの薄切りとピーマンの輪切りを乗せてから溶けるチーズをたっぷりかける。


中まで熱を通したいから、最初は弱火でトースターへ。

最後に上だけ焦がしたいから、強火にして焼いておく。


冷凍ピラフは、電子レンジでもいいんだけど

俺はちょっとひと手間でフライパンで炒める派。


最後に隠し味で醤油をちょっとだけひと回し。


「よーし!できたぞー!」


「わあーい!」


「「「いただきます!」」」


みんなで美味しく夕飯を食べた後、俺は家中の押し入れからリコルに布団を集めた。

じいちゃんの一人暮らしには布団は沢山必要じゃないからさ、あんまり自宅になかったんだよ。


仕方ないから、旅館の方で余ってる布団を何枚かいただいてようやくリコルの寝床完成!


休みの日も休みじゃないってのが辛いけど…

まあ、新しく来たリコルの為だ。

何より、フカフカの寝床で寝ているリコルを見ると頑張ってよかったと思える。


何故か一緒にプルも寝てるけどな。

スライム2匹がくっついて寝てるとか、どんだけなんだよ!

可愛すぎるぜ…。

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