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7、探検

俺はプルの案内で、旅館の中を見てまわった。


「それでこっちがねー、といれだよー」


プルは案内を任されて嬉しいのか、一つ一つの扉を開けてくれる。


「これはねー、かいだんだよー」


プル…さすがに階段は分かるよ笑


でも、まあいいか。

プルもやる気だしな。


そして、俺たちは二階へ。


二階は西部劇風ではなく、俺の知ってる純和風だった。


じいちゃん、改装したのは一階だけだったのか…と思ったが

畳や襖なんかは見るからに新しい感じなので

定期的にメンテナンスや張り替えなんかはしてたんだな。



二階にあるのは、大広間のような食事をする場所だ。


襖を全て開ければ大部屋に。

反対に閉めると個室風になる。


「ほぇー、デカいな」


ここをじいちゃん一人で切り盛りしてたなんて、すげーな。


「あるじー、つぎはこっちー」


「あー、はいはい」


大広間の反対には、見慣れたマークだ。


そう!温泉のマーク。

下に大浴場と書いてある。


俺、ここに住んでたけど

大浴場に入った事ないんだよね。


今は誰もいない訳だけど、何となく気が引けるので男湯に入ってみる。


中は結構広めな脱衣所。

その奥のすりガラスの引き戸を開けると

石造りの大浴場があった。


「広いなぁ」


「こっちがろてんぶろー」


へ?露天風呂なんてあったんだ。

結構本格的じゃん。


露天風呂につながる引き戸を開けてみると

今度は木造りの大きな露天風呂だ。


露天風呂からは山の景色が見える。


「すげーいい眺めじゃん」


これ、結構お金かかってんな。


「まさか、じいちゃんが作った訳じゃないよな…」

と独り言のように呟くと

それを聞いたプルが答えた。


「うんとねー、このおそとのおおきなおふろはおひげのちいさいおじさんがつくったー」


「おひげ?」


「そーだよー、おひげーがあったの」


そうなんだ…じいちゃんの知り合いの業者か何かかな?



その後、俺たちは三階まで行き

全部の客室を見てまわった。



この旅館には、一階に西部劇風のエントランスとカフェとかにもなりそうなスペース。

それから調理場とカウンターの裏の事務所。

あと、共同のトイレね。


二階は、階段の右手には大広間。

左手には大浴場。


三階には、純和風の客室が4つとベッドの客室が2つの計6室があった。


俺が思ったよりかなり広くて驚いた。



住居に戻る前に、事務所に寄って

あの重たい金庫をプルにお願いして運んでもらう。


まだ金庫の中を全部見てないからね…

なんせ通帳が衝撃的だったからさ。


その日、プルがソファで寝た後に

俺はあの金庫を開けてみた。


「どれどれ、他には何が入ってんのかな?」


俺は確認してなかった1番下の段の引き出しの中身を取り出してみた。


見たことのない地図とか

金貨かな?どこの国だろう?


それから、よくわからない模様のカードみたいのが入ってる。


「なんだろうなコレ…」


もしかしたら、じいちゃんのコレクションなのかもしれないので

とりあえず、金庫に入れておこうか。


あと、これだな問題は…


俺はまたあの通帳を手に取った。





「おはよー、あるじー」


「プルおはよう」


昨日、夜遅くまであの通帳と睨めっこしたからちょっと寝不足だ。


俺名義になってるから

じいちゃんが死んだ後も名義変更とかしなくていい訳だが…


うーん、相続税とかそういうのはいいのかな?


とりあえず、今度調べてみるか。

こういうのちゃんとやらないと、後々怖いからな。


「あるじー、おなかすいたよー」


「ああ、ごめんごめん。朝ごはんにしような」





今日は寝室を確保すべく、部屋の模様替えだ。


居間はとりあえずはこのままでいいとして

ずっとソファで寝る訳にもいかないし。

居間の隣にあるじいちゃんが使ってた部屋を俺の部屋にするか。


じいちゃんの部屋にある、捨てられないようなものは俺の部屋に移すとして


とりあえず、選別からして行こう!



その日一日かけて、俺とプルでいらない家具を運んだり、じいちゃんの部屋からオレの使ってた部屋に移動したり

とにかくやる事いっぱいで気付いたら結構な時間になってた。


その時に知ったんだけど

プルは裏口から外には出られない事が判明。


出ようとしても跳ね返されるみたいなんだ。


プルも何故かわからないって言ってたけど

じいちゃんには出るなよと言われていたらしい。


でも、旅館のあのどデカい入り口からは外に出られるらしいから

今度外に用がある時はそこから出よう。


というか、まだあの入り口一回も開けてないんだけどね。


俺とプルで頑張ったおかげで

俺の寝室は出来上がった。


この間、ショッピングモールで

新しい布団を買っておいたんだ。

それをじいちゃんが使ってたデカいベッドに敷いて完了!


「よーし、こんなもんだな」


その日は疲れたから

夜ご飯は簡単に親子丼にした。


プルは初めて食べるって言ってたけど

美味しい美味しいって言いながら食べてた。

気に入ってくれたみたいだな。



思ったけどさ、本当にプルがいてくれて良かったよ。

俺一人だったら、何ヶ月も終わらないと思う…



久しぶりに重労働したから

明日の筋肉痛が心配だったから

住居の方のお風呂にお湯張ってゆっくり浸かった。


「プルもはいりたいー」


って言うから、プルと一緒に風呂に入った。


プルのぷるぷるボディは、あんまり汚れてないみたいだけどボディソープで一応くまなく洗ってやったら

「うふふ、くすぐったいー」

って喜んでた。


お湯にぷかぷか浮いて、気持ちよさそうにしてたからちょっと長風呂しちゃったな。





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