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異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
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39/113

39、白金貨にビビる2人


セルトくんと一緒に冒険者ギルドにやって来た。

後ろには用心棒のルドガーさん。


やっぱルドガーさんがいるといいねぇ。

強面の冒険者さん達がサササーっと道を開けてくれる。

俺だけならまだしも、今日はセルトくんも一緒だからトラブルがないように万全を期したんだ。


ゆくゆくは、俺がいなくても来られるようにバックにルドガーさんがいますよ!って事を知らしめておこうというのもある。



今日は魔石を買い取ってもらいに来たわけだが、あらかじめ冒険者ギルドマスターのトールソンさんには話を通してある。

この間、うちの風呂で会った時にお願いしといたんだ。


「魔石はいつも品薄だからな、大歓迎だぜ」


前にじいちゃんがたまに買取に出してたのもあるのか、出処とかは詳しくは聞かれてない。

トールソンさんにだったら旅館の庭の謎を話しても問題ないとは思うけど。


「トールソンさん、こんにちは」


ギルドマスターの部屋の奥の机で大量の書類と共に、トールソンさんが手を挙げた。


「おお!悪いなちょっと待っててくれ」


商談という事なので、ルドガーさんは気を利かせて受付フロアで待っててくれている。


なんか、気の利く男って感じ。

モテる男は違うね。


セルトくんと一緒にソファに座ってたら、可愛い受付の女の子がお茶を持って来てくれたのでいただく。


しばらくして、トールソンさんが書類仕事を辞めてソファにドカッと座った。


「いやぁ、俺は書類仕事は苦手でよ。時間かかっちまうんだ、すまんな」


「いえいえ。あ、トールソンさん!こちらはうちの魔石担当のセルトくんです」


「セルトです!よろしくお願いします!」


「そうか、お前が担当なんだな!よろしくなセルト」


「は、はい!」


セルトくん、トールソンさんの見事に鍛えられた身体をマジマジと見て目を輝かせている。

今まであまり外に出なかった分、うちに来てからいろんな人に会っていろんな物を見て好奇心が爆発してるって感じだな。


「で、魔石の方はどのくらいあるんだ?」


トールソンさんの言葉で、我に返ったセルトくんはじいちゃんの魔石ノートを出し、テーブルの上の大きな麻袋の口を開けた。


「土の魔石が125、光の魔石が53です」


「ほー、こりゃまた大量だな!いや、ありがたいな!助かるぜ」


「以前、うちのじいちゃんがたまに買い取ってもらっていたみたいなんですが…」


「ん?ああ、そうだな。何でもお前の所の庭でたまに魔石が出て来るとかって話だろ?」


じいちゃん、やっぱりトールソンさんには話してたんだな。

なら、話が早い。


「そうなんです。今、専門家の方に色々庭を調べてもらっているんですけど…土を掘り返したりしてるので結構出て来るんですよ」


「ある程度溜まったら持って来い、買い取りするから。あ、でもよあんまり大っぴらにはするなよ、治安上良くないからな」


「はい、そこは気をつけてます」


「一応、魔石の件は俺と商業ギルドのマスターは知ってるがそれ以外は知らないからな」


「分かりました、ありがとうございます」


「まあ、あとは…ルドガーくらいには話しても大丈夫じゃねえか?何かあった時に頼れる奴はいた方がいいしな。旅館の方にはクラスティアもユストフもいるし、シルヴェストもいるしな。そこは心配ないだろ」


事情をわかってもらっててありがたい。

どう話せばいいものか悩んでたんだよ。


トールソンさんは、魔石の入った麻袋を担当者に見せて買取の清算をしてくれた。


「土の魔石が1つ銀貨1枚で大金貨1枚と金貨2枚と銀貨5枚、光の魔石は1つ金貨2枚で大金貨10枚と金貨6枚だ。合わせて大金貨11枚と金貨8枚と銀貨5枚だな」


「大金貨11枚…」


って事は、あれで百万超えなのかー????

ビビった…非常にビビった。


これがゴロゴロ採れたら、うちの旅館の金庫やばいんじゃ…

いや、これは絶対ボーナス出そう!

絶対だ!これは決定!


「おい、おい!」


ブツブツ言ってる俺をトールソンさんが呼び戻す。


「あ、はい!すみません」


「大丈夫か?んで、白金貨にも出来るけどどうする?」


白金貨…確か1000000円の金貨だったよな。

庶民はほとんど使わないって言うし、買い物にも使えないだろう。


「いえ、大金貨で!お願いします」


「わかった、ちょっと待っててくれ」


トールソンさんがお金の用意で席を外したので、セルトくんとこの驚きを共有したいなと思って見てみる。


「白…白金貨…」


セルトくん、俺と同じ反応してた。

そーだよな、それが普通なんだよ。


その後、トールソンさんからお金を受け取り

これからの為にセルトくんにそのお金を預けた。


ルドガーさんには魔石の事情をきちんと説明し、これから魔石の買取には護衛という形で依頼をださせてもらいたい事も伝えて承諾を得た。


セルトくん、大金の入った袋をブルブル震える手で受け取ったもんだからトールソンさん大笑い。


「セルト!この先担当者のお前がしっかりやらないとな!1人で来れるように頑張れ!もっと食って、身体を動かして筋肉つけて俺やルドガーみたいになれよ!ハハハハハ!」


トールソンさんみたいには無理でしょうよ。

でも、まあそれでセルトくんがまた健康になるならいいかもな。

何てったって、うちには冒険者やら元冒険者がわんさかいるし。

セルトくんの姉ちゃんだって、元冒険者だもん。


帰りに買取金を入れておける、腰にベルトで固定するバッグをセルトくんにプレゼント。

スリにも遭いにくいって事なので、これから沢山使ってもらいたいね。

金貨の計算間違えてたらすみません。

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