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異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
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おまけの話、王都でデート①

ここから数話、本編とは関係ないっちゃ関係ない

「おまけの話」をお届けします。

最近、出番少ないよねー?とか

あれはどうなってるのー?とか

そういうキャラで書けたらと思ってます。


王都が一望できる丘にある公園。

ナディアとソウガの目の前には夕陽に染まる王都が見える。


今朝、ソウガがナディアを王都見物に誘った。


王都に来てからナディアはカイウス男爵家の屋敷から出ずにいた。

試験に向けて最後の追い込みを頑張る弟のことを思い側にいた。

字も読めないナディアがセルトの勉強の手伝いをする事は出来ないが、身の回りの世話をしながらセルトを応援していた。


「あたいにはそれくらいしか出来ないから」


ナディアはみんなにそう言っていたのだ。


セルトが勉強をしている間は、カイウス男爵家の騎士団と一緒に稽古をするくらいしか出かけることのないナディアを見て

セルトは気になっていた。


だから、姉のために何かできないかと

勉強のかたわら思案していたのだった。









今、僕は満足している。

時は遡り、今朝のことだ。


「セルト、今日は一日勉強かい?」


僕の学校の試験の為に、王都までつい来てくれたナディアお姉ちゃん。

お世話になっているカイウス男爵家は

物凄いお金持ちの貴族で

敷地内には本館とは別に別館が2つもある。

それと馬が住んでる厩舎に使用人が住む建物もある。

とにかく物凄く広い。


僕とお姉ちゃんと護衛としてカルニートから来てくれたソウガお兄ちゃんは別館で生活している。

それとカルニートから護衛してくれた“疾風の刃”の5人も一緒にいる。


僕の学校の試験の結果が発表されるまで

みんなで王都に滞在しているんだけど

僕は試験まで毎日勉強。

カイウス男爵様はとてもいい人で

せっかくだからと試験まで家庭教師を呼んでくれたんだ。

勉強はカルニートと商人ギルドのマルディニールさんに教えてもらってたけど

この家庭教師の先生も凄く分かりやすくて勉強が毎日楽しい。


僕が勉強してる間、他の人たちは

体が鈍らないようにカイウス男爵家の騎士団と一緒に訓練してるみたい。


今日はその騎士団の訓練がお休みの日。

お姉ちゃんは暇を持て余してるみたいで、庭に行ったり厩舎に行ったりしてウロウロしてたから

僕がソウガお兄ちゃんにお願いして

王都見物に連れ出してもらったんだ。


いわゆる、デートだ。


お姉ちゃんもソウガお兄ちゃんも

好き同士のくせして、全然進展ないんだもん。

弟として心配になっちゃうよ。

僕が学校に入ったら寮生活になるんだから、ちゃんと2人にはくっついてもらわないと。


家庭教師の先生からは試験まであと5日だから、1日くらいリフレッシュしてもいいと言われたんだけど…

ここは大人な僕が人肌脱いで、お姉ちゃんとソウガお兄ちゃんにチャンスをあげようと思う。


少し前からちょっとずつ王都の有名なデートスポットとか女性に人気のお店とか調べてまとめておいた。

お屋敷のメイドさんとか色んな人に情報を聞いてメモしておいんだ。


それをソウガお兄ちゃんに今朝渡した。

それを見て案内できるといいんだけど。


「ナディアお姉ちゃん、ああ見えて意外と乙女チックな所あるからなー」


奥手のソウガお兄ちゃん、頑張れよ!



そう思いながら、セルトはまた試験の問題に目を落とした。







ソウガがセルトから受け取ったメモ。

最初のページにはこう書いてある。


「王都のロマンチックスポット」


ソウガがそれを初めて目にした時

思わず声に出して読んでしまった。


ロマンチックとはかけ離れた人生を送るソウガにとって、最も苦手な分野である。

しかし、セルトからこんな事を言われた。


「お姉ちゃんも女の子だからね!」


元冒険者のナディアだが、中身は普通の女の子だとセルトに言われ考え込む。


「俺に出来るだろうか…」


しかし、セルトがくれたチャンスだ。

ソウガも男になるしかないと勇気を出してナディアを王都見物に誘う。


ソウガがそんな事を言ってくるとは思っていなかったナディアはびっくりして固まっていたが

すぐに我に返った。


「行っていいかセルトに聞いて来てもいいかい?」


ナディアは少しドギマギしながらセルトの部屋へ行くと、すぐに戻って来た。


「大丈夫みたいだから行こうか」


ソウガはホッと胸を撫で下ろす。

セルトが行ってこいと言ってメモを渡したのだから、引き留める事はないだろうが

ここは誘った男の気持ちと言うか

多少はドキドキするものなのだと知った。


「それで、どこに行くんだい?」


今までナディアとソウガは2人きりで出かけた事は何度かあるが、カルニートではマツヤの従業員という事もあり顔が知られている。

街の中ではいつも声をかけられていた。

なので、2人きりでという雰囲気にはならない事がほとんどだった。

しかし、王都では違う。

2人の事を誰も知らない。

本当に2人きりでのお出かけ、つまりデートとなる訳だ。


ソウガはセルトのくれたメモをギュッと握りしめた。



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