表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界旅館松や  作者: ぎゆり
第1章
104/106

103、シフォンケーキで勝ち取った


「皆さんも噂はご存知かと思いましたので正直にお話さけていただきます。私は先代である父の娘ですが、父のやり方には反対でした。私がこのエルミア商会を継いだのをきっかけに新しい商会のやり方をと思い様々な事を見直してまいりました」


そういえばエルミア商会って高利貸しとかしてたんだよな。

隣の土地の持ち主も借金のかたに土地を取られたって話だった。


「しかし、私のやり方を良く思わない者も多くて…父の頃から働いていた従業員がごっそり辞めてしまったのです」


「お嬢様!あれは、卑怯な引き抜きが原因で」


「黙ってて」


若い方の側近を軽く睨みつけたミリア商会長。

若い方はオッサンよりも物分かりは良さそうだ。


「とにかく、我が商会には今は余裕がありません。しかし、あれだけの土地を格安でお売りする訳にはいきません…ただ!」


ん?ただ?


「ただ!何か我が商会が得をするような事があれば!話は違います!」


「特別な話?ですか?んー、なんだろう?」


特別に得する話かあ…そうだな…??おっ!あー!


「なるほど!そうですね…」


そう言いながら俺はマルディニールさんを見た。

マルディニールさん、「分かってますよ」って顔してるけど。

そして、後ろに座っているユウトとタクマの方も見て頷き合った。


「では、これはいかがでしょうか」


俺は目の前にあるシフォンケーキの入った皿をミリア商会長の目の高さまで持ち上げた。

すると、ミリア商会長の目もランランと輝いているではないか。


正解だったな。


「カズ様、ここからは私が値段交渉させていただいても?」


「もちろんです」


こう言う事はプロに任せた方がいいに決まってる。マルディニールさんは商人ギルドのギルドマスターだからな!

そこにいる悪どいオッサン側近だって黙らせちゃうんだからな。


マルディニールさんにお任せしたのもあって

側近のオッサンからのチャチャも入らず

話し合いはスムーズに行った。


結果としては、当初の提示額の半分程の値段になった。


え!そんなんあり?そんな安くして大丈夫なのかよ!

と思ったけど、シフォンケーキの方で稼げそうだから良いそうだ。


土地の値段を半分するので、シフォンケーキのレシピをギルドに利用登録しないで欲しいとの事だ。

シフォンケーキのレシピは、松やとエルミア商会のみが所持。

王都でのシフォンケーキの販売の許可をつけて欲しいとの事だった。


全然いいよー。

王都でシフォンケーキばんばん売って稼いでよ。


という事で、ユウトは王都へ。

エルミア商会でレシピを伝授する為に数ヶ月出張だ。


そんで、松やの方のシフォンケーキはコリーナさんにと思ったが案外モリアさんが適任だった。

エルミア商会の皆さんに3日ほど出発を待ってもらってモリアさんに覚えてもらった。

モリアさん、シフォンケーキを可愛く飾るのが楽しいって張り切ってユウトの特訓を受けてたよ。

結果、モリアさんはユウトを超えるシフォンケーキマスターになったのはナイショの話。


ユウトと一緒に黒猫ネロも王都へ。

タクマがめちゃくちゃ淋しそうにしてたけど、我慢しろ!


あまりにも淋しそうにしてるから、プルが手を握って癒してくれてんじゃん。





「さー!これから忙しくなるぞー」


俺にはやる事が山積みだ。

まずは、旅館松やの1階部分をじいちゃんが作り上げた西部劇風に仕上げる!

そして、次は隣の土地に旅館松やの別館を建てる!

そこには、プルとリコルのフライドポッツェ屋とモリアさんのシフォンケーキ屋を作る!


いやー、こりゃなかなか骨が折れるわ。

でもな、みんなの楽しそうに働く顔を見ると俺もやったるぜ!ってなるわけよ!


ありがたい事に、庭から出る魔石の稼ぎも貯まって行ってるし…あとは食べ物系もかなり儲けてる。

風呂だって食堂だって毎日大繁盛だ。



あれだけ嫌々働いてたブラック企業の事なんかすっかり忘れて、俺も毎日毎日楽しく働いてる。

それもこれも、じいちゃんがこの世界と繋がってくれたお陰だよな。


「ありがとう、じいちゃん」


おっと、ばあちゃんの事も忘れないぞ。


「ばあちゃんもありがとうな」


そんな余所者のじいちゃんをあたたかく迎え入れてくれたカルニートの人たち。

俺も右も左も分からなくて困ってたけど

みんなに助けてもらってここまで来た。

沢山の人との縁があって、沢山の人との出会いがあって。


そして、うちの家族。

シルヴェストさん、クラスティアさん、ユストフさん。

モリアさん、コリーナさん、ソウガさん。

ナディアさんとセルトくん。


そして、俺の最初の友達プル。


みんなが楽しく笑顔でいられる旅館松やを

作っていくぞー!


「よーし!それじゃあ、やりますか!」


「あるじー!きょうのひがわりフライドポッツェはキャラメルあじにしていー?」


「え!キャラメル?だめ!だめだプル!キャラメルはだめー!」



「えー!なんでー?おいしーよー?キャラメルー」

「キャラメルはおいしーけどだめなの!」

「でもでも、タクマがゆめのくににはキャラメルあじのぽっぷこーんっておいしーのがあるってー」

「あれはポップコーンでしょ!おい!タクマ!お前余計な事教えるな!あ!待て!プル!」

「きゃははははー」




今日も旅館松やには

明るい笑い声が沢山響いておりました。



異世界旅館松や

第1章〜完〜


第2章へ続く

ここで一区切りとして第1章は終わりです。

が!すぐに第2章スタートします(笑)

その前に余談的なものもアップ出来たらと思います。

出来たらですけど…出来ないかも(笑)

よろしくお付き合いくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
お疲れ様でした。ありがとうございました 楽しく読ませていただきました! 第二章を楽しみにしていますよ♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ