一章.クラス替えの日
国語不得意、日本語下手くそな私が、私の人生経験談を元に小説を書いてみました。本当に楽しく切ない恋愛をして来た私だからこそ書くことができる小説だと思っているので、ぜひこのシリーズを読んで頂けたら嬉しいです。
「早く起きなさい!今日から学校でしょ!」
そんな母の言葉に起こされて、普段通りの朝を迎えた。
僕の名前は、高代辰也。近所の高校に通っている、16歳だ。
今日はクラス替えの日である。僕が通っている高校は、学年が変わる度に、クラス替えがある。今日がその日である。
「今年は誰とクラスが一緒になるかなー。」
母とそんな会話をしながら朝食を摂り、学校へ行く支度をした。寝癖を治して、制服を着て、通学カバンを持ち、玄関へと向かった。
「行ってくるね!」
母に声をかけて、家を出た。通学途中にある公園の木は、桜が散ってしまい、公園が一面桜色に染まっていた。ふとその公園の奥を見ると、同じ方向へと歩いている同じ高校のやつを見つけた。幼馴染である山田こうたであった。
「こうた!おーい!こうたー!」
僕は公園の向こうを歩いているこうたを大きい声で呼んだ。公園はそれほど大きくなく、ある程度大きい声であれば、声が届くはずだ。しかし、一向に気づく気配がない。こうたは、カバンから伸びている有線のイヤホンをしていた。そりゃあ、気づくはずもない。こうたと僕が歩いている道は、公園を過ぎると合流をする。合流したときにこうたは僕に気づくだろうと思い、そのまま歩き続けた。
「おお、お前か。」
公園を過ぎた先で、僕とこうたが歩いている道は合流した。こうたは僕を見つけた途端に、右耳のイヤホンを外して、僕のところへと駆け寄って来た。
「辰也、元気してたか?」
「おう。お前こそ、春休みの間、全く見かけなかったけど、何してたんだよ。」
そう。こうたを春休みの間に見かけたことは一度もなかった。こうたの家は、僕の家からすぐのところであり、家の外に出れば、こうたの家は目と鼻の先である。しかし、全くこうたに会うことはなかった。
「いや、俺実は春休みの二週間で韓国行ってたんだよ。
「二週間も韓国って。お前、二週間も韓国で何してたんだよ。」
「俺の親戚で、韓国人がいるんだけど、その人の家に行ってた。」
「あ、そう。お土産は?」
「ねーよ。」
相変わらずのこうたのままだな。高校二年生になっても、こうたはこうたのままだった。
そうしてこうたとくだらない会話をしながら歩いて、学校へと向かった。
「ねぇ、美優と同じクラスがよかった、、、」
「よっしゃあ!立木と連続で同じクラスじゃん!」
学校の東門のすぐそばにある昇降口には、全学年のクラス名簿が貼られていた。その名簿を見て、ショックを受けている仲の良い女子達もいれば、お互いに同じクラスで大歓喜の男子達もいた。その場の感情は色とりどりであった。
そんな中、僕は、僕がどのクラスなのかを必死に探していた。二学年は、一組から六組まである。その中から必死に僕の名前を探していた。
「おい辰也!お前と俺同じクラスじゃん!」
横で一緒にクラス名簿を見ていたこうたが、一番乗りで僕の名簿を見つけた。
2-2
一番 石田裕太
二番 生田ゆい
…
十九番 高代辰也
…
四十二 山田こうた
二年二組、十九番として、僕の名簿があった。
「まじやん。お前と同じクラスかよぉ、、」
「何?そんなに俺と同じクラスが嫌か?」
「別にそんなことはないけど、新鮮味がないじゃん?」
こうたとは去年からクラスが一緒であり、今年も一緒のクラスとなると、少し飽きた気もした。
「まぁいいや、今年もよろしくな、こうた。」
「おう、よろしく。」
僕たちは、二年二組のクラスへと向かった。
クラスに入り、早速、
「お!辰也じゃん!同じクラスなの!?」
声をかけてくれたのは、中学生時代から仲が良い高瀬優愛であった。
「優愛!同じクラスなんだ!よろしくね。」
「うん、よろしく!」
そんな会話を色んな人たちとした。そして、初日は始業式や配布物などもあり、自己紹介などもする余裕がなかった。そして、新しくクラスが一緒になった人たちのことは何も知らずに、一日目が終わった。
初日の学校は、三限目で終了。朝食を食べてからそれほど時間は経っていなかったが、腹が減っていた僕は、同じクラスになった友人、何人かと一緒に帰り、家へと向かった。
「辰也、聞いてくれよ!二組に川住綾音ってやついるだろ?俺さ、去年から好きだったんだけど、同じクラスになれたんだよ!最高だと思わないか?」
「お前の恋愛話なんか興味ねぇよ。」
青田有彩、こいつとは中学生のときから仲が良い。有彩は色んな女子と遊んだりしており、なんだかだらしないタイプのやつだ。正直、僕はあまり恋愛などには興味がなく、好きな人もいない。もちろん、好きな女性のタイプを聞かれても、答えられわけがない。
「有彩はいいな。色んな女子と遊べて。」
「どうしたんだよいきなり?色んな女子と遊びまくってる俺様に嫉妬でもしたのか?」
「いいや、そういうわけじゃない。」
「じゃあ、何だよ。」
「別に何もないけど、僕もそろそろ恋愛とかしたほうが良いのかな。」
「何言ってんだよお前。お前なんか一生モテないんだから、そんなこと気にしたって意味ないっつーの。」
うざい。めっちゃうざい。けど、ちょっと羨ましい。まぁ、そんなやつのことは気にせずにその日は家へと帰った。
「母ちゃん、今日の昼飯は何?」
「炒飯だよ。」
家に帰り、母と昼飯を食べた。母の炒飯は最高に美味い。
自分の部屋に行き、スマホを見ると、リネの通知が入っていた。
リネとは、メールができるアプリで、使っていない人が珍しいほど多くの人たちが利用しているアプリである。
通知を見ると、グループへの参加通知が来ていた。
千広がグループに参加しました。
TAISEIがグループに参加しました。
僕ちん、こうただよーんがグループに参加しました。
カルボナーラがグループに参加しました。
色んなリネのユーザーネームが参加通知と共に表示されて、こうたでギリギリのラインだが、カルボナーラに関してはお話にならないほどである。
優愛が二組のクラスのグループを作ったらしい。
クラスのグループでは、色んなスタンプや挨拶のメッセージが送られていたが、カルボナーラというやつはカルボナーラの写真を送っていた。論外だ。
そこから全員がクラスのグループに参加し終えて、グループチャットも静まり返った。
次の日、一限目から一人一人が自己紹介をする時間が設けられた。名前と、好きなものやことを一つ言って、紹介していくらしい。
「石田裕太です。よろしくお願いします。好きな食べ物はカルボナーラです。」
カルボナーラの正体はこいつだった。意外と想像通りであったため、違和感がなかった。確かにカルボナーラが好きそうな顔をしている。
「百田裕香です。料理が得意です。よろしくお願いします。」
この人は、地味な女子って感じだ。なんだか不思議な人だなと思った。なんだか、リスみたいなクマみたいな感じ。
こうやって、色んな人の紹介を聞いて、心の中でボソボソと呟いていた。あんまり人のことを言えるような立場ではないんだけどね。
そして、今日の二限目にグループを作ってクラスの仲を深めるために色々なゲームをした。本当にクラスの仲が深まった気がした。みんなと気が合うような気もした。
とても充実した二日目を過ごすことができた。
実は、今日クラスで一番可愛い女子と話すことができた。こんな僕でも可愛い女子と話せてちょっぴり嬉しい気持ちがあった。
そんな感じで新年度は良いスタートを切ることができた。
高校二年生、なんだか楽しくなりそうだ。
新年度の昇降口で名簿を見ている時間って楽しいですよね。
そんな話はさておき、第一章はいかがでしたか?
「何も進展がない!」
そんな風に思われたのではないでしょうか。でも私の話は第二章からが本番です。ぜひ次回以降も読んで頂けたら嬉しいです!どうぞ、温かく私のストーリーを見守ってください。
著者 やまたろう