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道化な僕とギャルな君  作者: 月うさぎ
第二章 初めての試験
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第四十七話 女子会2

「んっ、きもちぃ〜」


「ちょっとお願いだからえっちな声出さないでっ!」


 俺の部屋で女子会が始まって一時間。俺は何故か、佳奈のマッサージをさせられていた。

 ことの発端は、琴葉の「蒼、マッサージしてよ」である。

 それによって、琴葉だけじゃなくて全員にマッサージをしなくてはいけなくなったのだが、何故か全員わざと少し官能的な声を出すのだ。


「でも、蒼くんのマッサージ上手だよ。んっ、本当に声出ちゃう」


「……辞めてもいい?」


「だめ〜まだ10分経ってないよ」


 これで最後だから別にいいけど、流石に俺も恥ずかしくなってきた。


「はい、終了。俺ちょっと風呂入ってくるわ」


「はーい。私たちはもう少しゆっくりしとくよ」


「了解。冷蔵庫にも食べ物入ってるから、適当に食べていいよ」


 俺はそう言って先にシャワーを浴びに行く。

 流石に我慢の限界だ。

 女子が部屋にいる中で処理するのはいかがなものかとさっきまで思ってたけど、ここで我慢すると絶対にどこかで手を出してしまいそうになる。


 幸い、シャワールームとリビングの距離は遠いので、バレないはずだ。


「はぁ……こんなに気持ち悪いの初めてだよ」


 俺だってこんなに事務的に処理したくなかった。


 でも仕方なかったんだよ。こうしないと、俺は死ぬっ!








ーー朱音視点ーー


「あれはヤリに行ったな」


 蒼がシャワールームに向かってから、私は徐にそう呟いた。

 さっきから苦しそうな顔してたから仕方ないと思うけど、ちょっとだけ気まずい……


 私にだって性欲はあるし、それは蒼も同じことだと思うけど、ちょっと生々しすぎるというか、無理させ過ぎちゃった。


「ちょっとからかいすぎたね。あとで謝らないと」


「辞めといた方がいいと思うわよ。ここは知らないふりをしといてあげるのが一番ね」


 私もそう思う。

 私だったら絶対にバレたくないし、仮に私が蒼の立場だったらその場で泣く自信がある。


「酔いすぎたね。蒼が戻ってきたら、私たちもシャワー借りちゃおう」


「そうだね。でも、このあと蒼と一緒に寝るんだよね? ちょっと緊張しない?」


「「「……」」」


 私がそういうと、三人は顔を少しだけ赤くして俯いた。


 なんだ、みんな同じだったのか。私だけ恥ずかしいのかなと思ってたけど、そうじゃなかったことに安堵した。

 ただ、ここで一つ四人で決めないといけないことがある。


「誰が蒼の隣で寝る?」


「み、みんなはどうしたい?」


「私は……隣がいいかな」


「私も隣がいい!」


「蒼くんの隣……これはじゃんけんになりそうだね」


 なんだかんだ言って、みんな蒼のことが気になってるのがよくわかった。

 私だって蒼のとなりは嫌じゃないし、むしろちょっと期待してるんだけど、口にするのは恥ずかしい……


 本当だったら、こんなことお父様たちが許すはずないんだけど、中等部にいた時から蒼だけは例外とお墨付きをもらっているので、絶好の機会だ。


「じゃあ文句なしでじゃんけんね」


「そうしよ。誰が勝っても恨みっこなしだよ」


「もちろん。じゃあいくよ!」


「「「「じゃんけんぽん!」」」」







ーー蒼視点ーー


 俺が色んな意味でスッキリして、リビングに戻ったら朱音たちが盛り上がっていた。

 何で盛り上がっているのかは知らないけど、四人が仲良いのは非常にいいことだ。


 特に、朱音たち三人は最初のころでは考えられないほど仲良くなってると思う。

 最初の方は険悪とかいうレベル超えてて、目を離すとすぐ喧嘩してたのを覚えてる。


「シャワー空いたよ。四人で入ってきな」


「ありが……あ、蒼服きて!」


「あ、わり。いつものノリで……」


 まだ髪の毛乾かしてないし、少し暑かったのでシャツだけ着ずにみんなのところに戻ったのでやってしまった。

 いつもティアたちは何も言わないので、これでも大丈夫だと思ってたけど、これからは少し気をつけた方が良さそうだ。


「それにしても、蒼意外と筋肉あるんだね」


「まぁ一応鍛えてるからね」


「……触ってみていい?」


「別にいいけど、もしかして透筋肉フェチ?」


「……少しだけ」


「そ、そっか」


 透が恥ずかしそうに肯定したので、俺も返事に困った。

 朱音たちなら「そんなわけないでしょバカなの?」と逆にカウンターが返ってくるので、油断していた。


 ただ一度俺も許可を出してしまったので、シャツを着ずにそのまま透にされるがままになってしまった。

 さっき一度処理しといてよかったと思う。

 俺の腹筋を触りながら表情を崩している透の破壊力がヤバすぎる。


 普段クールな子がこうやって表情崩すと、そこはかとなくそそるものがあるよね。


 だけどこれ以上はまた俺の聖剣が動き出しそうだったので、終わりにしてもらった。


「さ、入ってきな」


「はーい。のぞいちゃだめだよ?」


「ふっ、自慢の魔法陣で防ぐんだな。俺は意地でものぞいてやるさ」


「へー。じゃあここで脱いであげよっか?」


「覗かないので早く入ってきなさい!」


 全く、お酒が入ってるせいでいつもよりもタチの悪いからかい方をしてくるんだけどほんと勘弁してほしい。

 確かに、裸で抱き合ってる朱音たちを想像すると勝手に足が動きそうになるが、ここで本当に覗きに行くと後が悲惨なのは火を見るよりも明らかなのでどうにかして止まらねば……


「はぁ……先に寝る支度するか」


 今はとにかく手を動かさないと次々に雑念が湧いてくる。

 変な気を起こさないように、みんなのベッドの準備をして……彼女たちが出てくるまで少し仮眠するとしよう。


 ふわぁ……おやすみなさい。

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