1:出会い
「九条燈雅・・あなたを倒しに行きます・・・。」
「瑠桧の奴、まだアイツを狙ってるのかしら?」
「まぁ、瑠桧のことだし・・そうじゃないのー?」
「あの子、昔から狙った獲物は倒すまで追い続けるからねぇ。」
「相手は・・・人間だし、まぁ・・大丈夫でしょうね。」
この日から僕は狙われることになった。
「燈雅ー、早くしないと学校遅刻するわよー?」
「ちょっ、なんで起こしてくんなかったんだよ、姉ちゃん!!」
ピーン ポーン
「燈雅、出てきてー。」
「ったく・・誰だよ、こんな時間に・・・はーい。」
「九条燈雅。」
「あれ?」
「動きが遅すぎます、九条燈雅。」
シュッ・・・!
「うっ・・うわぁっ?!」
シュタ・・。
僕の前には、金色の髪をした、中学生ぐらいの女の子が上から・・降りてきた。
「イタタタタタ・・・誰だよっ!?」
「はじめての人にその態度は失礼ですね。」
「ああ・・・すみません。 って、おま・・君だって僕を・・・。」
「もっと、注意して下さい。 それに、私は君など呼ばれる筋合いはありません。」
「つーか・・誰なんだよ?!」
「私は、瑠桧・ターニア。 あっちの世界・・ムーンライト王国から来た者だ。」
「なんだそれ・・・?」
「燈雅ー?? 誰だったのー?」
「・・知らないとはいい度胸です。 では・・・。」
シュンッ・・・
その女の子・・瑠桧・ターニアと名乗る子はどこかへ消えていった。
「んー? 姉ちゃん、誰もいねぇよ?」
「変だなー・・。 あっ、朝ご飯出来てるよー♪」
「おうっ。 ありがと・・・姉ちゃん。」
「いっただっきまーす!!」
姉ちゃんが勢いよく叫んだ。
「いただき…ます。」
「どうしたの、燈雅‥?元気ないの?」
「んー、ちょっとな。」
「さっき、やっぱり誰か来てたの?」
「いっ、いや…そのことじゃねーから。」
「あ、そう??」
「って…時間見てなかったーっ!」
時計を見ると、すでに8時をまわっていた。
「んじゃ、いってきまーすっ!」
俺は、テーブルの横に置いてた鞄を持ち、急いで自転車をこいだ。
「はーい!いってらっしゃーい!」
時間がなかったため、俺は近道を通ることにした。
その、近道には、草が生い茂っている草道や、
自転車がギリギリ通れるかぐらいの細道をこいで行かなければならなかった。
人は誰も通らない。
その道の途中には分かれ道があった。
「あれ…こんなところに分かれ道なんかあったか?」
俺は、いつも通っている道らしき方を進んだ。
数分後…
無事学校に到着した燈雅は、教室へ急いだ。
「あれ、今日は遅いねっ。」
そう言ってきたのは、小学校の時からの友達、維原美桜だった。
「うん、今日はちょっとな。」
「大丈夫か?」
「よ、魁。」
天王寺魁、コイツも小学校からの友達だ。
そして…天王寺グループの息子である。
で…超モテるんだよなぁ。
ガラガラッ…
「おーい!燈雅ー!」
俺よりも遅くきたのは、江藤楓嵐。
昔からの幼馴染で、今の大親友。
「おー!てか、お前遅刻じゃね?」
時間はもう30分をすぎていた。
「まぁな。ま、朽木先生まだ来てねぇんだからセーフだろっ。」
バコンッ!
楓嵐は後ろから来た、先生に出席簿で叩かれた。
「おい、もう時間は過ぎてるだろうが。早く座りなっ。」
ちょっと口調が強いこの女の先生は、朽木花蓮。
姉ちゃんと同級生で、友達だった。
「じゃ、ホームルーム始めるぞー。」
………あー…ダルいな。
「おっと…待たせて悪かったな、転校生を紹介する。」
「おー!!」
「待ってましたっ!」
「女の子だってーっ!」
「静かに!入れ。」
「はい。」
「コイツは花柳紫祁だ。」
はたして…燈雅のクラスに入ってきた転校生とはっ?!