[長編]理葬境
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【あらすじ】
戦の時代、小国同士が争い陣地を広げていたような頃の物語――
大国を築いた国王は飢饉により多くの民を犠牲にした。納税を厳しくした結果、民たちは苦しんだ。その一方で、王城、城下町で暮らす人々にはきちんとした食料が分け与えられていた。
飢饉は収まらず、国王は大臣達に案を出すように命じる。そして、一人の大臣の案が採用され、数ヶ月、数年後には何とか持ち直すことが出来た。
ある日、国王は息子に自分の寿命が短いことを告げる。
国王が亡くなってから、町や村では「悪夢」の話が噂されるようになった。
大臣の一人、剛昌は急死する前の国王の異変に気が付き調査を進めていくが……。
これは理弔と呼ばれる村が出来るまでの物語.....
登場人物たち全員が主人公となる「死者の為に紡ぐ物語」である。
人の心に残るような、刺さるような作品となっています。
最初は騙されたと思って読んでください!
【Nコード】N1807GB
【作者】炎川 裕三
まず、作者の[忍原 富臣]さんは8作品を現時点で書いています!
長編が7作品、短編が1作品!
【人面(;゜∇゜)レビュー】
では、この作品の内容をざっと説明します。
まずは、人面(;゜∇゜)が思ったことから。
一つ、主要人物は居ても、主人公はいない。
一つ、主要人物とはすなわち主人公である。
混乱してきましたか?
では、始めます。
この作品は、踏み込んでお話しするとネタバレせざるを得ません。
ですので、人面(;゜∇゜)なりの配慮を含んだレビューです。
小国が乱立していた群雄割拠のその時代。
8人の戦友と共に広大な国土を得た王が治める国があった。
これは、そんな国のお話。
作品としての質は高いです。
作品展開は、個人に焦点を当ててその人物の内面を掘り下げていく形式で行われ、一つのお話ではあるもののそれぞれを主人公として行われるお話を一つの本にしたものという感じがします。
要するに、独立していないオムニバス。
言っていて意味がわかりません、がこれは、結構言葉に出来ない類いあるいは言葉にされていない形式の作品です。
まずは、日本の小説で使われるオムニバスについて説明させていただきます。
オムニバスは、簡単に言ってしまえば短編集です。
では、この作品は?全てが同じ時期に同じ場所で、前の主人公も出てくるし後の主人公も出てくる。
それぞれのお話を纏めたお話です。
家族を例にあげましょう。
これから一年間のお話が本にまとめられます。
その時に、一月から四月は母に、五月から八月は父に、九月から十二月を息子が担当します。
その時に、それぞれが主役になるわけですね。
そして、一年の本がこの作品に当たるわけです。
我ながら説明が下手くそで気にくわない部分がありますが、要するとこうなります。
さて、肝心な内容です。
心に響きますね。なんというか、いえ、ネタバレになってしまいますので安易なことを言うのは控えさせていただきます。
ただ、個人的に言うのであれば人の生涯を見たかのようなそんな錯覚を受けました。
個人的には、海宝が好きでした。
【人面(;゜∇゜)が見る!主軸となる言葉】
[命を賭してこそ]
人に歴史あり。何かを為すために命を賭けて臨むというのは、すごいことですよね。
人面(;゜∇゜)は、憧れます。
【人面(;゜∇゜)が見る!作者のこだわり】
こだわっている点は多くありますが、作者直々のポイントがあるのでそちらを。
まずは、人物の描写です。
一生を見ているような錯覚に陥る程しっかりと描写されており、心境が直に伝わってくるような感じがします。
一つ一つの動作、『拳を床に叩きつける』等は、悔しさを表す動作としてありふれたものですが、見事です!
ありふれたものでありながら、きれいに収まっているからこそ周りが底上げされています。
また、名前を意識されているのもポイントが高いです。
名前を全てカタカナで表記すると読みやすいんです。そうとしか読めないように固定されていますし、カタカナであれば名前と察せられるからです。
ですが、物語を構築するのに重要なものは大まかに分けると三つあります。
一つは、登場人物
一つは、出来事
一つは、雰囲気
登場人物は、極めて重要です。それは言うまでもないでしょう。
出来事は、山場を作るのに大切であり、読みやすくします。
雰囲気は、馴染ませるのに重要で、人を惹き付けます。
雰囲気は、重要ですが作るのが難しいです。
幸い、日本語というのは物事を表すのにこれ以上無い程の力を持っていますが、それにしても難しい。
西洋風→レンガ造りの建物が立ち並び
中華風→深山幽谷、木々が生い茂り霞が立ち込める中に寺があった
等のようになりますが、この作品では名前でもって雰囲気を作り、ある程度の見知った感覚を覚えさせます。
【人面(;゜∇゜)オススメ対象】
対象は、中級者以上。理由は後々説明します。
上級者になって分かる作品かもしれません。
【読みやすさ!】
行間がしっかり空いています。
読みやすさについては、後々。
1話辺りは、2500程度でしょうか?
フォーエバー作品です。
いつでも安心して読めますね。
【人面(;゜∇゜)愛の鞭的な】
ここから先は、人面(;゜∇゜)の予想および、他者ならば考えるだろうかという予測に基づくものです。
確実性はありません。
さて、この作品の形態における問題点を指摘させていただきます。
初心者には、向きません。
小説家になろうにおける、作品の形態をお話しさせていただくと、
主人公
副主人公
仲間(友人)
敵(敵)
というのが基本です。
メインおよびヒロインの性別は問いません。日本のサブカルチャー的な意味での置き方ですから。
さて、大体の読者はメインに移入します。
これは、小説家になろうにおいて絶対のルールです。
では、メインが複数いる場合はどうなるか?
ここが、初心者には向かない理由です。
初心者は複数いるうちの、一人あるいは二人のみがメインになります。
そう!
最初に言った、主人公がいるからこそいないという意味です。
主人公が一人あるいは二人でないことで、結局主人公が居なくなってしまっているのです。
これが慣れてくれば凄い作品だと分かるのですが、小説家になろうに来たばかりの人には理解がほとんど不可能なのです。
では、小説家になろうにおいてあまり評判の良くない作品で起こっている展開を説明いたします。
主人公以外の視点が多い。主人公が出てこない。
自分が出てこない。自分のやっていないRPGを見せられているようですらある。
その為、視点が主人公以外であることが続くと異常に感想欄が荒れます。
慣れてくると、他者視点は引き立てられたり世界を多方面から見られるので好きなのですが……
ここまで言えば分かると思いますが、初心者が見るとメインが出てこない回が異常に出てくる作品になってしまいかねないのです。
あんなに全員いいキャラクターなのに理解してもらえないのです。
これは、いい作品である。しかし、根幹を変えねばならない。
そんな事があって良い訳無いですよね。
ですので、この作品は初心者向けではないのです。
逆に、玄人であればこの作品に首ったけです。
上手すぎるんです、描写が。
メインが出てこない回が異常に多い?それはつまり、それだけ掘り下げられた良い作品だからなのです。
恐らく、この作品は初心者が3話辺りで一気に離れています。
逆に、それ以外は最後まで見ざるを得ない。
凄まじい作品です。
良い点が悪い点にもなってしまっているということです。
ですが、その良い点悪い点は好みの問題であり、芸術であるからです。
万人受けするようなものは芸術じゃないんです。
反発され、議論を呼び、感情を書き立てるものこそが芸術です。
人面(;゜∇゜)如きの言葉に大した力はありませんが、面白かったです。
とても、好きな作品です。
【人面(;゜∇゜)勝手に総合評価】
これは、分かる人には分かる作品です。
良い文章です。私は好きです。
この作品は、フォーエバー作品なので、気軽に読めます。
ブックマーク……
評価、感想が一番です。
感想……
読了後のみではなく、思ったときに、思ったことを。
評価……
面白さで評価する、というのが評価方法になりそうです。
『面白かった』、『面白い』、『わからない』、『つまらない』、『もう見ない』
が、評価基準として妥当だと思われます。
【結論】
好かれる人にはこの上なく、読めない人は読めない作品です。
人面(;゜∇゜)個人で言えば、好きです。
面白かったです。
面白いです。星5つです。
素直な気持ちを感想、ptに表しましょう。
人面(;゜∇゜)です、なんとも言えない微妙なレビューなってしまいました。申し訳ないです。
面白かったです。
作品の持ち込み、感想、評価、レビュー、お待ちしております!