睡眠時間
「母さん〜行って来ます!」
「はい。行ってらっしゃい」
姉さんが買い物に行ったらしい。
そして相変わらず声がでかい。
こっちは朝からずっと頭痛が酷いのに。
「さて!そっちは大丈夫かい?」
「…大丈夫なわけ、ないじゃん」
「まあ!あの子も普段から声が大きいのに慣れてるからねぇ。仕方ないよ!」
「お母さんもだいぶ声大きいよ」
本当この親子はハイテンションだ。
私は子なのに何故か物静かな性格だし、
ついていけない時があるんだよなぁ。
そして私の苦情を華麗にスルーしたお母さんは部屋に戻っていき、また一人になる。
これはこれで寂しいかもしれない。
姉さんが帰って来たらまたうるさいし…
私と同じような性格の人がいたら
良いのに…
「昼ごはんは食べられるかい⁉︎」
「要らない!」
台所から聞こえた怒鳴り声に無理やり声を出して答える。
「姉さん…早く帰ってきて…」
ゆっくりと目を開ける。
あれ、いつのまにか寝てたらしい。
起きると日が沈むところだった。
少しだるいが、だいぶ良くなっていて、
頭痛は無いし、声も出るみたい。
取りあえずお母さんに言っておこうと
思い横を見ると姉さんがベットに、
もたれかかって寝ていた。
私を、観ていたんだろうけど…なんで
寝るかなぁ?
「姉さん起きて〜」
「…むぅ」
揺すっても起きない…こうなったら。
「姉さん起きて…起きないなら…
アレやるよ〜」
「すぅ…くぅ」
起きないか…こうなったのは私のせい
だから心苦しいけど。
『ほれ‼︎』
『ニャアァァァァ!!』
服の中に魔法で作った氷を入れてみた。
叫びながら転がる姉さんをみて私は大笑いする。
「なにすんのさぁ‼︎」
「フフ…だって起きないんだもん」
「起きなくて良い時間じゃん」
「ふぇ?」
夕方なのに?…
そう言うと一瞬不思議そうな顔をしたけど、すぐに納得したらしい…何に?
「間違えても仕方ないよ今朝だよ〜」
アサ?…最後の記憶が昼前で、今が朝、
てことは…
「今何時?」
「5時くらい?」
…どうやら20時間近く寝てたらしい…