テストの悲劇
初投稿です。
「つ、疲れた」
期末テスト、それはこの世の地獄を表した物。私こと織田 彩芽は成績は良いのだが体力が壊滅的であり、夜遅くまで起きて居られない。
その為一夜漬けも出来ず地道に勉強するしかないのだが…
「彩芽~テストどうだった?」
「…お姉ちゃんよりは上だと思うよ」
この勉強の一切出来ない姉のせいで今回のテストは本当にダメかもしれない。
「今度は私が勝つかもしれないじゃん!」
「有り得ないって…大体一夜漬けでもほとんど覚えられないのに勉強してない人がそんなに点取れるわけないよ」
「奇跡が起きるかもしれないじゃん!」
「起きても勝てないって…」
昨日の夜頑張って長く起きていようとしたのに「勉強教えてー」と呑気に言って来たのだ。勉強する気になったのかと喜んだのもつかの間、直ぐに「もっと分かりやすく教えてー」と言って来たので締め出したのだ。
その為ほとんど勉強していない姉に
私を超えることは出来ないのだ。
何せ私は、学年四位と言うトップ五に入る、それなりに優秀な方である。
姉は運動神経は、私の何倍だ?と言う
程に運動出来るため、姉妹揃って
長所と短所がハッキリしている。
なので私も姉のことを認めているし、
姉もそれが分かっている。
その為、喧嘩もほとんど無く関係は良好で、役割がハッキリしている。
姉が買い物に行き私が買う物を指示したりするのだ。
一人で行かせてパンパンになった袋に
ぎっしりと詰まった、お菓子の袋は、
忘れる事は無いだろう。
「真希さんももしかしたら高得点取れるかも知れませんよ?」
「例え高得点でも美優にも届かないって」
このポンコツは置いておいてその後ろにいる後輩は勉強できるのだが。
美優は面倒見もよく優しく勉強も
出来なくはないのだが、何故か姉に懐いている。まあ勉強を教えるわけではないが。
「美優よりは上だと思うよ~」
「…この自信はどこから来るの?と言う気持ちも無くはないのですが」
「それなら美優にはお姉ちゃんに勉強を教える権利をあげよう」
「義務ではないのでもらっても教えるかはわかりませんよ?」
…ほんと、美優に姉を預けたい。
「って踏切閉まっちゃう!」
そう言いながら走る。これは間に合うか?。そう考えているうちに踏切は
完全に閉まってしまった。
「…彩芽が走るなんて意外だね」
「お姉ちゃんは私をなんだと思っている
のさ…この踏切はなかなか開かないの」
この踏切は本当に開かない。だからできるだけ待ちたくないのに…
ガタンゴトン ガタンゴトン
「ああ開かない踏切ってここだったんだ」
「前も通ったことおるでしょ…」
ガタンゴトン ガタンゴトンピシ
「ん?なんかならなかった?」
「そうですね、何か変な音が…」
ガタンゴトンガタン…メキ
本当になんの音だろう。
「なにか金属の音が…」
ガタンゴトン…バキィ!!
「なっ!!脱線」
「早く横へ!!」
「 あっ」
そんな中聴こえた小さい悲鳴
私が…転んだ音
時間が止まった様に感じた。
そんな中、私は、他人事の様に冷静に 状況を理解していた。
逃げる人々、飛び交う悲鳴、
…必死にこちらに向かうお姉ちゃん
「お姉ちゃん!!」
「彩芽!!」
私はお姉ちゃんの手を握り、
強い衝撃を横から感じたのだった。