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短編集

時代

作者: Re:over


 結婚か......。


 また両親に催促され、親戚におだてられ。久々に会ったと思えばこのザマだ。俺は結婚する気なんてないのになぁ。


 別に好きな人がいないというわけではないし、結婚にトラウマがあるわけでもない。ただ、自分に自信がないのだ。彼女を幸せにする自信が。


 もしも、俺が今好きな彼女とお付き合いすることになり、結婚の話が出てくるとする。式をするための貯金ができるほど、俺は金銭的な余裕は持ち合わせていない。


 それから、彼女と一緒にいることが当たり前になってきたら、嘘で包み隠していた本来の姿である怠惰な俺が出てくるだろう。式の準備を彼女に任せきりにするかもしれない。それをきっかけに喧嘩をして、彼女を不快ににさせるかもしれない。子供だって同じだ。


 親父と同じ風にはなりたくない。


 彼女のことを思いやれる優しい男性と結ばれることを願っている。彼女が幸せなら、自分はどうでもいいなんてカッコいいセリフで自分を抑えている。


 そういえば、孫の顔が見たいなんてことも言われたな。たしかに、一人っ子だから強く期待されるのは仕方ないが、子供を産むために結婚するわけではない。


 なんでだろうな......。俺は今のままで十分幸せだ。それに、誰かと支え合うほど苦労もしていない。むしろ、誰かを支える余裕はないから、彼女に腐った木製の杖を使わせることになるかもしれない。


 そんなことがあれば、今の俺が絶対に許さない。かといって、そうはさせない! という絶対的な確信はない。


 これらのことは時代の変化が導いた未婚率の増加の原因なのではないだろうか。


 収入が減少し、謙虚が自信の欠落へと進化した。強引な察し文化と集団意識(周りは結婚してるなどの)が張り詰めているこの国では、上の2つは痛手だった。


 時代と共に、みんなも変わるべきだ。そう思った今日この頃。


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