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教室はクリーム色の壁と白色の大理石で統一された床、その上には一人一席、薄茶色の木で組まれた新品の机と椅子が30個。まるで何処かの貴族様方が通うためかのような質素だが全てが高級品でできた備品。実際に貴族が通うのだが。


僕の席は窓際の後ろから三番目の窓際族。始業の30分程前に学園についたのだが、明らかに様子がおかしい。 僕の周り5メートルほどの円を空白に、同級生達が囲むように僕を盗み見つつ囲ヒソヒソ話をしている。


「よお、おはようさん。」

アラトがにやにやとした顔をしながら僕に挨拶をし、その後ろで困った顔のリョウも同じように朝の挨拶をしてくれる。


「二人ともおはよう。それで、何でこんなことになってるのかね? 」

ぐるっと周囲を見渡すとあからさまに僕の視線を避けるように誰もが目を逸らす、学園ものアニメで主人公の身に起こるアレだ。


「なんでって、昨日自分がしたことを覚えてないんですか? あの後本当に大変だったんですからね? 」

「ムシャクシャしたからやりました。」


反省はしている、ので。正直に答える。


「ただの放火魔じゃないですか!! 」

「あの後お前は颯爽と帰って行ったけど。闘技場の消火と地面の埋めなおし、壁の修復とか大変だったんだからな? 学園中総動員したんだからなぁ? しかもあの後普通に集合あったんだぞ、お前始業式の話全く聞いてなかったろ……。」


……。


「……ふむ。つまり僕は努力の秀才を嗤ってあしらった後、散々にした後片付けを皆に押し付け、集団行動すらネグレクトして帰ったのか。」


「ねぐれくとの意味は分からないがそうゆうことだな。おかげでお前を見る大半の目は恐怖と嫉妬、残りは俺様系美少女に罵られて興奮する類とかそんなもんだ。」


完全に自業自得だがこれはまずい。幸いぼっちにはならなかったがこのままではただのヤベーやつである。


しかし、よくよく考えると精神年齢は26.7の自分が小学生の年齢の子供達と仲良しこよしというのも変な話である。冷静になるとここで必死に取り繕う必要もないではないか?


「うーん、まぁ仕方ない。後できちんと謝っておくよ。二人ともありがとう。」



「ねぇ……、エディルトスさん。」


アラトと話し終わり、前を向こうとしたとき。黒の瞳に黒の長髪をした女の子が口をへの文字にして目の前に腕を組んで仁王立ちしていた。


「ぁ……はい、なんでしょう。」


「私の名前はクロナ。クロナ・ワイズガードと申します。あなた、少し自分が特殊な人間だからって昨日のアレは横暴が過ぎるのではないですか? 」


特殊な人間と言われても両親は名ばかりの名誉貴族、領地も無ければ僕への爵位相続もない。名があるということは彼女も貴族、それにワイズガード家と言えばその辺りの政には全く興味のない僕でも知っている大貴族だ。


というか突然知らない女の子に話しかけられると少しというか、かなりというかキョドってしまう。


「……あっ、はい。ごめんなさい、反省してます。」


怒られたら謝る。これで大抵は上手くいく、と思う。


「え、えぇ…… 普通に謝ってくれるんですか!? 」


君は一体僕を何だと思っているんだ、頭の低さにはそこそこ自信がある。


「い、いえ。昨日のエディルトスさんは自分以外はゴミだ、才能のないクズだ。みたいな目をしていましたし、トーマス君にもあんな態度で彼もかなり傷ついていたようで……てっきりそうゆう方なのかと。」


つまりクラスを代表して噂の問題児を更生させようと意気込んでみたけれどそれがスカされたと。


まぁたまたま昨日は機嫌が悪かったのだ。


「昨日はちょっと機嫌が悪くてね、そこのアラトとか言う奴が目障りでね、ごめんね。」


全く関係はないがこいつに擦りつけておけば丸く収まりそうなのでそうゆうことにしておこう。すまぬ。


あとトーマスは意外と繊細な事を知った、謝ってやらんでもない。


◇放課後ーー高等部教室


初等部よりも少し飾った赤色に金の刺繍が入った一枚の扉。本来なら初等部の一年生が場所ではないが、ある人に呼ばれてきた。


コンコンと二度ノックし、あらかじめ伝えられたように翼を広げた大鳥の金の刺繍に手のひらを当て、少しのマナを送り込む。すると金の鳥は薄青色に輝き、ガチリとロックが開いた。


「へぇ、お上手なのね。」


高等部の教室、中身は初等部のそれとほとんど同じだが、教室の中心。机に腰掛け長いブロンズをなびかせた彼女は挑発的な少しだけ鋭い目をしていた。


「……どうも、昨日ぶりですね。」


見惚れてしまうほど美しい女性だが、本能があまり関わりたくない女だと言っている。


「どうしたの? 死にかけて生き返ったけれどまた死にかけた魚みたいな目をしているのね。」


「……。で、要件は何でしょうか? えぇと……」


「サーフィアよ、サーフィア・バウル・シュトラール。この国の第三王女なんてやってるわ、末永くよろしくね、エディルトス・ディアマンちゃん。」

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