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2-10話 散歩

「案外いいところだな。」

 契達は今、とあるコンサート会場に来ている。

「このような娯楽があるのは大変羨ましい。」


 そこでアイドルのライブに観客として参加している。

「誰であろうと殿方は殿方なんですね...」

 予想外に盛り上がる契達に若干呆れ気味なテラがそう零すが、

「可愛いものにガチになって何がわるい。可愛いこそが万国共通の正義である!」

 と契が反論する。


 その反論を聞いた国王はなにか閃いたらしい。

「そうか...」と言って、深く考え込む。

「(万国共通の正義がこんなにも簡単だったとはッ...! 確かに魔族側の者も此方側の者も"可愛い"には目がないように思える。実際にこの会場は超満員になる程の者が集まっている。魔族側ではアイドルは人気が高いのだろう。また此方側でもアイドルという新しい娯楽の類いは支持されると考える。ならば、このアイドルなる文化を輸入し、魔族側の可愛い娘数名と此方側の可愛い娘数名を集めてグループを作り、講和の象徴としてはどうだろうか。我ながら完璧な考えだ。)よし。」

「あ、あの...?」

「戻ろう。我が都に。」



 城に着くなりため息をついたテラに契は「大丈夫か」と問う。

 返ってきた答えは予想通りのもの。

「全ッ然大丈夫じゃないです! せっかくルート決めてましたのに... 半分も行かずに終わってしまいましたよ。」

 契は苦笑いを零すがテラはなおも続ける。

「そもそも、これは王様が提案した話ですよ? なのに何を思い付いたのかは知りませんが急に戻るとか言い出して...もぉぉおなんッなんですか?! それに─────・・・・・・」

 なんか愚痴り出したので放っとくことにした。



 時は飛んでその日の夕方。

 ディオニルも帰ってきたので昼間王様が思い付いたことについて話し合っている。

「本当にこんなことで仲がよくなるのかね?」

 根本的なことに対する疑問をディオニルがため息混じりに零した。

「ああ。間違いなく。」

 そう断言した契に「ほぅ?」と返し、その根拠を求める。


「街に行ってみて確証が取れたんだ。やっぱ反対派は少数だ。多数なら俺達が街に入った時点で戦闘、或いは嫌がらせの類いの一つや二つあってもおかしくないし、先ずもって入れてくれるかすら怪しい。」

 そして、と契はさらに続ける。

「反対派は何処かの偉い人が自分の利益のために起こしているものだ。だから潰すのは簡単。(ファンのちから)で押せばいい。また、もし反対派が民間の組織的なものだったなら、それらしい人がいなかったことが不思議だ。以上のことから、これでなんとかなると考えた。」

 ですよね、王様。と付け加えすべてを王に擦り付けた。

「なるほど。やってみるだけやってみるかの。」


 こうしてまた動き出した。



「ところで、氷龍ってどうなったんですか?」

 唐突に現れた疑問。氷龍のその後。

 まあ別に唐突というわけでもなく、今まで脱線しすぎていただけであるが。


 契達と一緒に王都に来た、光の祠にいた氷龍がなんとかしているとは聞いたのだが、どうなったかまでは知らない。

「そういえばどうなったんッスかね。」

「ちょっと気になるなぁ。」

「見に行ってみるか?」

 急な思いつきで、氷龍の様子を見に行くことになった。



「相変わらず寒いッスね。」

 テレポートして氷龍がいるグレイスに来たわけだが、

「なんか変だな。」

 なんとなく街の様子がおかしい。

 一体何があったのだろうか。

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