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2-9話 一時帰還

 それは誰の声だろうか。

 聞き覚えのない声に全員が固まる。

 何処の言語かわからない、だがその言葉の意味はわかる、不思議な感覚だ。

「汝、己が名を此に示せ。」

 その声の主は小さい氷龍だとわかる。

「何で言う必要があるのかを問いたいんだが?」

「契なる者を探す故に。」

 それを聞いて契はハッとする。


 この龍が俺を探している...?


「そいつを探してどうするんだ?」

「伝えねばならぬことがある。」

 契は少し安心する。食べたり殺したりするわけではないらしいからだ。


「ちなみに俺がその契なんだが。」

 そうか。と一言、氷龍の姿が変わっていく。

「この姿では不都合が多い。故に姿を変えた。そして汝にこれを伝える。」


 人の姿になった氷龍は次のように言った。

「陽谷契、世界を変えし者よ。悪いことは言わん。引き返せ。」

 引き返せという言葉に、契はなぜだと吠えるが氷龍は無視して続ける。

「我々の親玉である氷龍を倒す為にクリスタルを集めているようだが、無意味だ。」

「どういう意味だ?」


「抑、我々は作られた存在である。倒したとて、また復活するであろう。」

「なぜそんなことを知っている?なぜそれを俺達に伝える?そう言い切れる根拠は?」

 理解し難い氷龍の言葉に、契は三段の言葉で斬った。


 だが、

「その者、ディオニルは全てを知っている。」

 と答えるだけだった。


「ディオニル、何か知っているのか?」

「...ああ、知っている。」

 ディオニルは、俯きながら語っていった。

「作ったのは魔族じゃ。各祠も、氷龍も。」


「元々は対人間用だったんじゃが、たった一度使っただけで講和が成立したのじゃ。しかし、人間側に講和反対の者がおるように、こちら側にも居たんじゃよ。侵略、支配派が。」

 一呼吸してさらに

「氷龍が現れたの、講和成立直後だったじゃろ。つまりはそういうことじゃ。氷龍...否、あの兵器は、魔族の侵略支配派の者が操っておる。それと、昨日城で襲撃があったじゃろ。あれを裏で指示したのも其奴らじゃ。」


「結論を言うと、戦争はまだ終わっていないということじゃ。」

「ならどうすれば...」

「一回帰ろう。王都に。そこから考えよう。」

「我も連れていってくれぬか? そこへ。」

 六人は『テレポート』して王都へ飛んだ。




 光の祠でのことと氷龍のことを王に話した。

「そうか...」

 王は、やはりと言った表情だった。

「感じていた。今その事を考えていたのだ。だが良い案がなかなか浮かばなくてな。何かないか?」


 そっとメリスが呟いた。

「お互いの良いところをうまく組み合わせられればいいんスけどね...」

「なるほどそうか。よし、調べてきてくれぬか? お互いの良いところを。」

 名案だと思い、契達にそれを調べてくることを頼むが、

「いや、ここは王様もご同行なさるべきかと。」

 契は、お前も来いと言った。

「感じ方、考え方は人それぞれ異なります故、ご自身で感じられた方がより正確ですよ。」


 その後いろいろあって結局、契、テラ、王は魔族の都を、ディオニル、レネー、メリスは王都をそれぞれ調べることになった。



 結構きれいな街だ。

 王都の無機的な美しさもいいが、やはり有機的な美しさの方がよりいい。

《良いところ①、景観》

 こんな感じでどんどん良いところをメモしていこう。

次回 散歩


これからいろいろぶちまけた伏線をどんどん回収して行きますよ!...きっとね。

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