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スプレンダー  作者: 黒田澪
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保育士と通り魔

黒田澪です。

初投稿ですが、続けられるように頑張ります。

「せんせー!さよーなら!」


「はい、さようなら!」




夏の暑苦しさが抜け、蝉の声も聞こえなくなり、蜻蛉が空を飛ぶようになった秋頃

気温や風の流れがより一層、秋を感じさせる。

外も今は夕暮れ時になり、これから、夜が始まろうとしている




この時期になるとこんなことを聞く


『食欲の秋』 『運動の秋』 『読書の秋』 『睡眠の秋』




など、『―――の秋』と人それぞれに言う。



なら、私は何の秋だろうか。



私は保育士だ。

なら、『保育の秋』だろうか?




それとも―――――――










『先ほど、宇都宮市で起きた。通り魔事件の新情報が入ってきました。』


『なんと、昨日の23時頃、また新たな被害者が増えました。』


『被害者は宇都宮市在住の―――――』










「畜生!また、やられた…」



警察署は、緊迫とした空気に包まれていた。


「近藤先輩、もうこれで70件目ですよ!?」


「どうして奴の手がかりもつかめないんですか!?」


「奴は、完璧過ぎるんだ…」


「完璧すぎる…?」





事件は二年前に遡る。

栃木県宇都宮市で一人の無職の男が襲われたという情報を聞いた。

その男は、刃物で腹を一突きにされて出血多量で死亡したと鑑識の結果だった。


警察は、これを通り魔の仕業と断定した


通り魔の犯人なんてすぐに逮捕されると当時の俺は思っていた。

しかし、それは思い違いだった。


手がかりが、あまりにもないのだ。

居所、年齢層、凶器など…


唯一、分かることがあった

犯人が、女だということだ



犯人は、現場にメモを被害者の口の中に入れていた

メモの内容は簡単なものだった


『私は、女です。華麗に人を殺す。これが私の感じる快感だから』


こんなメモだけでは女と断定しなかったが、犯人を女と決定付ける事件が起きた。


今の宇都宮市には女性専用の施設ががあるのだが、そこで、通り魔事件が発生した。

その施設では警備も充実しており、完全に男性は施設を利用できないようになっている。


警察は、この事件から犯人を女性と断定した。


しかし、警察はここまでしか手がかりを得ることはできなかった


いつも監視カメラがない場所で犯行を起こし、証拠も完璧に隠滅する。

被害者のことを調べても、特に何かあるわけでもなかった。


70件にも及んでいる事件だが、警察は、諦めかけている。



「おい松永、現場に行くぞ。」


「あ、はい分かりました。」


70件以上も事件を起こした犯人は今何をしているのだろうか。

俺は、いつか奴を捕まえてみせる。







―――――――――――――――



「せんせー?」


「うん?どうしたの?」


「なんかいつもより疲れてない?」


「疲れてなんかいないよ?むしろ、元気だよ!」


「よかったー…せんせーは元気がいちばんだから!」


「ありがとう…」




私は嘘はついていない

だって、昨日は快感を感じていたから



「斉藤先生、休憩どうぞー?」


「あ、はい。」




ここは『せいてん保育園』だ。

栃木県でも有名な保育園で、多くの子連れに人気がある。

最近では保育士の問題が多いが、ここの保育園はそこまで保育士には困っていない。


私『斉藤 芽久』も、この保育園の保育士だ。


「ふぅ…」


「さてと…そろそろまとめようかな…」


スマートフォンを片手に斉藤は入力し始めた。


「昨日の女の子はよかったなぁ…」


スマートフォンの画面には『名前』『性別』『年齢』『評価』と、表示されていた。

その画面には、通り魔事件で襲われた人物の名前ばかりが表示されていた。


「よし!また、がんばろっと!」



スマートフォンをバッグにしまい、職員室を後にした。


そのバッグには、大きなナイフがしまってあった。







―――――――――――――――――




私には表と裏の顔がある。


もちろん表は『保育士』

そして裏は――――――――










今回、このような作品を書いてみました。

評価、ご感想などよろしくお願いします。

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