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対異形専門家の記録より  作者: 歌多琴
尾切れトカゲと雨が降る
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「野菜ってこんなに高いんだ・・・」

 そう言って私はどこで作られたのかも怪しいトマトを棚に返した。他にも何かで着色されたのでは、と疑ってしまうほど、出来が良く見える野菜が様々ある。それを見て、やはり私は堪らなくなり小さな溜息を漏らしてしまうのだ。

 それでも人の一般的な生活にそれらは不可欠なのだから、私は仕方なく色とりどりのそれらをカゴに入れる。他にも必要な日用品も詰め込み、レジに向かう。

 私はとある田舎で生活をしている。どうして私の先祖達はそこに住もうと思ったのか、山の斜面に点在するように家が並ぶ、そんな田舎だ。歳は先月で二十になった。これで合法的にお酒も飲める訳で、ゴーヤーの炒め物と一緒にビールでも飲めたら最高なのに。

 その後渡されたレシートを見てみると、どうしようもなく落ち込んでしまう。今まで両親や年老いた祖父母が趣味やボケ防止なのかと思えるような様子で行っていた多種多様な野菜の自家栽培。ここにきて初めてそのありがたさを私は実感してしまう。

 と、そんなことで気を落としていてもどうにもならない。私はビニール袋に購入した品々を詰め込むと、それを持って自分の自動車に向かった。

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