表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
対異形専門家の記録より  作者: 歌多琴
尾切れトカゲと雨が降る
12/14

-11

 「さてと」と言う魔術師の言葉で、辺りに漂っていた気まずい雰囲気は取り払われた。

「ミネリ、一匹捕まえてきてくれないか」

 そのように礼御が猫妖怪に指示すると、彼女は「あいあい」と気だるそうに二つ返事をする。

「ちっちゃくて、すばしっこそうだな」

「お前なら平気だろ?」

「まぁ、そうだけどさ」

 そう言いながらミネリはぴょんと跳びはね、林に消えていった。

「あの、一体何を捕まえてくるのですか?」

 口を開きづらくはあったが、それでも私は自分の興味に素直だった。もはや魔術師はさきほどの私の態度を気にしている様子もなく――少なくとも私からはそう見えた――、優しい表情で答えてくれる。

「雨を降らす要因ですよ。雨を降らさない・・・原因とも言えるかもしれませんが」

「雨を降らす要因って・・・。雨って気象現象でしょ? もしかして雨は妖怪のおかげで降っていたものなのですか?」

 そう私が尋ねると、魔術師は「いえいえ」と否定しながら続ける。

「少し言葉足らずでしたかね。雨ってつまりは、上空で水蒸気が冷えて落ちてくるものでしょ。その妖怪は空に水蒸気を放つ存在、のようなモノですかね」

 そんなものがいるのか、と私が思っていると、礼御は「もちろんその妖怪のみによって、上空に水蒸気がもたらされるわけではありませんが」と追加で説明をした。

 と、そのとき。ミネリが走って行った方向の草木がざわめいた。

 まだ数分も経っていないのに一体何があったのか、と私は身構える。隣の魔術師は不安そうな表情一つ見せていない。

 どんどんその音は近づいてくる。そして、バッと姿を現したのは―――。

 ミネリであった。

 ・・・まぁ、そうだよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ