時の異変
(ギルドの方向は、こっちか。)
プレイヤーらしき人達が大勢いる教会前。灰刱は冒険者ギルドへ向かい始めた。
(ミセルさん、いい人だったな〜また会いに行こうっと!)
「あっ!見つけたわ!」
(まさかポンコツが移るなんて、女神様もなにか説明忘れてそうだなぁ。)
「ちょ、ちょっと。聞いてる?」
少女が話しかけているが、灰刱は気づいていないようだ。
(まぁ、楽しめればそれでいっか!)
「この…シジコンっ!」
その言葉に反応して横を見る。
そこには現実での親友そっくりの人がいた。
(ん…?あ、優真だ!えっとここでの名前は…)
「碧雷…か。」
「碧雷か…じゃないわよ!何度も話しかけたのに。」
その見た目は、目は青黒色、髪は群青。リアルではストレートロングの髪をハーフアップに結んでいるみたいだ。
「すまん考え事しておった。」
「まったくもう…まぁいいわ、貴方の名前は灰刱ね。なんて呼ぼうかしら?」
「そのままでいいのではないか?」
「女の子とお爺さんが一緒にいるのよ?お爺さんって呼ぶ?うーん…」
(しっくり来ないのかな?)
碧雷は悩んだ後、はっと顔を上げた。
「思いついた!貴方のこと、〈師匠〉って呼ぶわ!」
それは出会った頃と同じ呼び方。
「懐かしいな。」
「ふふっ…いいかしら?」
「む…好きに呼べ。」
「好きに呼ぶわ…師匠!」
(なんか照れるなぁ。そういえば…)
「武器は変わらず薙刀じゃな。」
碧雷の右手にある木製の薙刀に目をやる。
「えぇ、師匠も変わらず刀ね。」
「うむ!刀一本じゃ。」
「私は魔法も使ってみようと思っているところよ。せっかくのゲームなのだから。」
(それもいいね〜!)
「そういえば、フレンド追加しておきましょ?」
「フレンド機能、あるのじゃな。」
「ステータスを見てた時に見つけてね。画面横に設定とかあったの。」
「では追加しておこうかの。」
《碧雷さんがフレンドに追加されました》
(追加完了〜!)
「師匠はどこへ向かおうとしてたの?」
「冒険者ギルドじゃよ。スキルを試してみたくての。」
「なるほどね。師匠はどんなスキル?私はね、」
碧雷がステータスを開く。
――その時、世界に異変が起こった。
雲が、飛んでいる鳥がその場で停止する。
近くの噴水も写真で切り取られたように止まる。
モノテルナの住民が動くことをやめた。
世界が止まった直後、
風も音も消えた。
街の空気が一瞬だけ「沈んだ」ように重くなる。
耳が痛く感じるほどの静けさ。
灰刱は無意識に呼吸を浅くした。
旅人は動けるようだ。
「時が止まったのか…!?」
灰刱と碧雷は警戒し、己の武器へ手をかける。
「な、なんだありゃ…」
誰かが空を見ながら呟いた。
空に切れ目がはいった。
空気が一度、ひくりと震える。
次の瞬間、白く濁った『目』が空に滲み出た。
『目』はこちらを覗き、ゆっくりと辺りを見渡している。
ただ見られているだけだが、背筋が冷えるようだった。
不気味なことに瞳孔がほとんど見えない。
辺りを見渡し、閉じるように『目』は消えていった。
街に遅れて風が戻ってきた。
噴水の水しぶきが再び落ちる音が響き、まるで世界が息を吹き返したようだった。
淡い光が教会前に降りてくる。
「皆さん!大丈夫ですか!?」
女神アレティアが降臨した。
「被害は無さそうですか…よかったぁ。」
「アレティア様、あの目玉は何者なのか…?」
灰刱が問いかける。
「あの目の事は…また今度、お話ししますね。」
「アレティア様っ!突然いなくならないでください!どうかしたのですか?」
慌てた様子のリヴェルが空から飛んできた。
「ごめんなさい、心配させてしまって。」
「しんっ…ぱいしていませんよ!別に…」
「すいません…では皆さん、失礼します。」
リヴェルと共に女神アレティアは消えていった。
「なるほどね…」
碧雷がポツリと呟く。
「なにか、分かったのか?」
「確信ではないけど…少し整理したいから後で話すわ。」
「あぁ、わかった。」
2人は異変の前に話していた冒険者ギルドへまた、歩き出した。
「写真でも見たけどキャラクリ、ガッチリつくったわねぇ…」
「碧雷は結構そのまんまじゃな。」
「背を少し伸ばそうかと思ったのだけど、上手く動けるか分からないから、いじらないことにしたの。」
「そうゆうことか。」
雑談をしているうちに冒険者ギルドへ到着した。
(長かったけどようやく着いたぁ…!さて、スキルを試してみるか!)
ここまで読んでくださりありがとうございます。
投稿が遅れてしまい申し訳ないです…
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