最初の街 モノテルナ
女神が階段からコケた後、リヴェルが女神をじっと見る。
『またですか…』
『ひいぃ...あとちょっとだったのにぃ…』
『何をしているのですか、アホですね…コケるの何回目だと思っているのですか?』
女神は恐る恐る
『260ぐらいかな…?』と言った。
リヴェルはため息をつきながら答える。
『341回目です。』
『…』
『ほら、立ってください。旅人様がお待ちです。』
『あわわ...そうでしたぁ...』
女神がリヴェルの差し出した手を引き起き上がった。
『紹介が遅れました、こちら空間、真実を司る神「アレティア・アゴラ」様です。』
「う、うむ…よろしく頼む。灰刱だ。」
『よろしくお願いしますっ!アレティアと気軽に呼んでくださいね!』
『早速ですが、灰刱様を地上に転送します。アレティア様、どうぞ。』
「む、転送か…!」
『え〜、早くないですかぁ?』
『アレティア様…まだ会っていない旅人様が169人います。』
『そんなにいらっしゃるのですね!』
『えぇ、なので早くしてください。』
『はぁい…では、ごほんっ!』
女神アレティアは息を整え、
“今から灰刱様を最初の街、モノテルナへ転送します”
“貴方様の旅が良いものになることを願っております”
“行ってらっしゃいませ”
灰刱の足元に魔法陣が出現し青く光り出す。
とっさに目をつぶり、瞼を開けると――
「世界」が見えた。
止まりつつある北の大地も、これから行くであろうはじまりの街、遠くの東の島も目に映った。
目を開けると教会に到着していた。
「…今のは。」
(とても不思議で綺麗だった…)
少し灰刱がうわの空になっていると声をかけられた。
「あ、狭間の旅人さんですね、こちらへどうぞ!」
神官らしき人若い男のようだ。ノートを抱えて少し緊張している。
「今からこの世界の常識等お教えしましょうか?」
「ほう…よろしく頼む。」
「はい!まず、ステータスの開き方ですね。声に出してステータスオープンと言うか、心の中で念じると開けます。やってみてください!」
「ステータスオープン。ふむ…出来たようじゃな。」
そこには先程設定したステータスが現れた。
「完璧です!設定で他の人からは見られないようにもできますよ。」
「次はストレージですね。ストレージは、空間神アレティア様の加護によって使える、旅人限定の亜空間倉庫です。」
神官はノートを確認しながら話続ける。
「ステータスと同じように、唱えるか念じれば開き、物を出し入れできます!魂で空間を紐づけているので、他者は干渉できません。」
「神の加護…ありがたいのぅ。」
「それ以外にも旅人さん達限定で使える物があるらしいです。」
「詳しく教えてくれんか?」
「それが…アレティア様にお会いした時にお聞きするのを忘れてしまって…」
「そ、そうか。」
(アレティア様の信徒までドジが移るのかな…?)
「ごほんっ!次はスキルの復元です。着いてきてください!」
焦るように神官が進んでいく。
「なるほど、復元…興味深いのぅ。」
「えっと、スキルはその人が持っている、体術、技術等が具現化したものです。旅人さん達が自身が持っている技術などをスキルとして使う為に復元をする必要があります!」
「なるほど、丁寧に説明してくれて感謝する。」
「いえいえ、私はまだ新人なんですよ…着きましたね。こちらの水晶に触れてください。」
その水晶は薄桃色で、アレティアの加護が宿っているのがわかる。
灰刱は水晶にそっとふれる。
ひんやりと感じる共に記憶が流れる。
刀の柄に食い込んだ指の跡、祖母の無言の圧。
それは風より速く、灰刱の中を駆け抜けた。
何かが自分の中に戻ってくるような感覚がする。
「復元完了しましたかね?ステータスを見てみてください。」
(どんなスキルなんだろ…わくわくする!
ステータスオープン!)
【Status】
[ 灰刱 ]
Lv:1
HP:10
MP:10
STR:30
INT:10
VIT:10
DEX:10
AGI:50
LUK:40
???:10
〈装備〉
武器:初心の刀
服:旅立ちの浴衣
靴:草履
〈スキル〉
【刃道】
▪️[基礎型]
「刃道…?」
「なんでしょう?タップすると詳細が見えるはずです!」
【刃道】
▪️[基礎型]
刀を“正しく扱う”ための動作が身体に最適化される。
発動時間 5分 クールタイム 10分
「試してみないと分からんな…」
「それなら冒険者ギルドの訓練所が良いと思います!この街の説明をしますね。」
神官は地図を取り出し、近くの机に広げた。
「この街、モノテルナの地図です。街は円形で東西南北、そして中央の女神像に旅人さん達は転移ができます!今いる教会が中央の近くのここ、冒険者ギルドは少し北のここにあります!」
ノートを確認し、神官は
「これで説明は以上です!」
「ふむ、ここまでありがとう。」
「いえ、こちら最後まで聞いてくださりありがとうございます!全く聞かない旅人さんもいるんですよ…」
(そんな人いるんだ)
「それは大変じゃな…」
「ははは…女神様から頼まれたことですから。頑張りますよ!それでは出口はこちらです。」
外には神官から聞いていた女神像が見える。
「そういえば名乗っておらんかったな。儂の名は灰刱、またの。」
「そうでしたね。私の名前はミセルと申します!困ったことがある時、女神様にお会いになる時にまた、いらしてください!」
(さぁ、冒険者ギルドへ行こう!)
外の風が、復元直後の灰刱の袖をふわりと揺らした。
灰刱はまたひとつ踏み出して行く――
また説明が長くなってしましました…
読んでくださりありがとうございます。
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