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映画  作者: 三鬼
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はじまり

 私は映画を見て一度も泣いたことはありませんでした。

 となりで母が泣いているのを、なぜか恥ずかしいと思ったこともあります。

 母は流行りの映画やイケメン俳優が登場する映画をよく見に行くだけの()()映画好きで、私は映画の感想を話したい母の相手役として、毎回付き添っているのでした。


 いつかの日も私は母と一緒に映画館へ足を運びました。

 母はインターネットの使い方がへたくそで、家で映画の予約ができないし、わざわざどこかへ行ってチケットを買うのもめんどくさがるので、いつも当日券を購入します。

 しかし、その日は母の見たい映画のチケットが完売していて、見たい映画が見れませんでした。

 いつもよりも映画館に若い女の子が多かったのはそのせいかもしれません。

 当日券で映画を見る人の宿命のようにも感じましたが、母は映画を見ずに映画館を去ることなどできるものかと、他の上映中の映画を見ようとしました。

 見つけたのは、題名を読むだけで内容が想像できるホラー映画でした。


 私は怖い話が好きではないため違う作品にしようと言いましたが、母の最近お気に入りの俳優が登場するという理由で頑なに意見を曲げません。

 結局、私は母に千円だけを握らされ別の映画を見ることになりました。


 作品を選んでるときに、今まで自分に映画の選択権が全くなかったことに改めて気づきました。

 私は私自身に本当に無頓着なのだと思います。


 そうしてだんだん普段見れないような映画ばかりに興味がわいて、洋画見てみようと思いました。

 ただ自分でチケットを買ったこともなかったので、チケット発券機にぺらりと落ちてきたのは邦画でした。

 チケットに書かれた番号は12番。

 私はとりあえずその番号の部屋に向かいました。

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