61.占うフリして
お昼休み。
希世子が教室に戻ってくると、みんなが一箇所に集まっていた。
「おおー!」だの「きゃー!」だのずいぶんと盛り上がっている。
中には倫行もいた。
「どうかしたの?」
希世子も輪に加わった。
「今占いやってるんだ」
男子が教えた。
人だかりの中心では、女子が席に着いていて、机にタロットカードを並べていた。
「あら、三上さん。いらっしゃい」
占い女子が希世子に気づいた。
「私最近タロットカード占いを勉強したの。三上さんも何か占いましょうか?」
「そうねぇ……」
と希世子が興味を示していると、
「三上さんの将来の結婚相手は?」
男子が口を挟んだ。
「(え? そんなの佐藤君に決まってるじゃない)」
希世子が心の中で答えた。
「三上さんの結婚相手か」
「いいね、それ」
「知りたい知りたい」
みんなが盛り上がる。
「じゃあ、どんな人か占うわね」
希世子の返事を待たず占いを始めた。
「(まぁいいわ。結婚相手の容姿の特徴を言って、『俺に似てるな……』って佐藤君が私を意識するようになるかも、ウフフ)」
プラス思考の希世子。
「これが、こうで、こっちは、これで」
まだ慣れていない手つきで女子がタロットカードを机に置いていく。
「それで、こう……ええっ、ホントに!?」
女子がくわっと目を見開いた。
「(結婚相手が佐藤君というところまでわかったのかしら)」
希世子はそう考えた。
「三上さん、将来超有名ハリウッド俳優と結婚するって!」
というのが占いの結果だった。
みんなから「マジで!?」「すごい!」と驚きの声が上がる。
希世子は、
「そ、そんな……」
声を震わせ倫行を見た。
「(さ、佐藤君、あ、あなた将来ハリウッド俳優になるのね!)」
あくまで倫行と結婚する未来がブレない希世子だった。
ちなみに、彼女の占いは全然当たらなかった。




