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58.おっちょこちょいなフリして

 背筋をピンと伸ばした希世子が粛々と歩き校門をくぐった。


「三上さん、おはよう」

「希世子先輩、おはようございます」


 みんなから挨拶がくる。


「ええ、おはよう」


 希世子が微笑み挨拶を返すと、それだけでみんなポ〜っとなった。


「やっぱ三上さん、完璧美女だよなぁ」


 そんな声が聞こえてくる。


「(フフフ)」


 満足な希世子。


「でも、完璧すぎて近寄りがたいよ」


「ああ。たまにおっちょこちょいなところでも見せてくれれば身近に感じれるのに」


 希世子の耳がピクリと動いた。


「(完璧美女よりも、隙があるほうが魅力的ということ……?)」


 希世子がふうむとうなる。

 いまいち理解できなかった。



 ◆◆◆



「おはよう、勇美」


 希世子が教室に入る。


「おス」


 勇美が手を上げ、


「あれ? 希世子、髪に寝癖ついてんぞ」


「ええ、今朝急いでたから」


 希世子が長い黒髪を撫でた。

 しかし、これは寝癖をつけたフリだった。

 さっきの男子の会話を参考にして、試しに洗面所でおっちょこちょいな部分を作ったのだ。


「この寝癖、どうかしら?」


 希世子が聞いた。


「寝癖がどうってどんな質問?」


 勇美が聞き返した。


「いいわ、問題は佐藤君だから」


「なんのこっちゃ」


 と話しているところへ倫行が登校してきた。

 倫行が、希世子の後ろの席に鞄を置いた。


「おはよう、佐藤君」


 希世子がさっそく寝癖っぷりを見せようとしたが、


「きゃっ!?」


 その前に悲鳴を上げた。


「どうした?」


「希世子?」


 倫行と勇美が訝しむ。


「さ、佐藤君、チ、チャックが」


 社会の窓が全開だった。


「のわ!?」


 倫行は、あわててチャックを上げた。


「は、恥ずかしすぎる……」


 顔が真っ赤だ。


「(おっちょこちょいな佐藤君、可愛いーーーーーーーーーーっ!)」


 おっちょこちょいの魅力を知った。

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