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57.素っ気ないフリして
「え!? あんた彼氏できたの!?」
休み時間。
クラスの女子が、友人の話を聞いて驚いた。
「うん、へへへ」
友人が照れくさそうに笑う。
「いつの間に」
「なんかね、私忙しい時期があって、その時あんまり彼と話せなかったの。そしたら彼が、私のことばっか考えるようになって、私のこと好きだったんだって気づいたって」
「素っ気なくしてたら釣れたの? そんなのもあるんだねぇ」
「(あるのねぇ)」
希世子もそばで頷いた。
◆◆◆
授業開始間際。
倫行が席に戻ってきた。
「(さっきの話、試してみましょう)」
希世子は、素っ気ない態度を取ることにした。
「(佐藤君、私への気持ちに気づきなさい!)」
あると決めつけて作戦開始。
「三上」
倫行が後ろの席から呼ぶ。
「何かしら?」
すぐに振り返った。
「(好きな人に素っ気ない態度とか無理ね)」
無理だった。




