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44.男子のフリして

「任せろ!」


 勇美がゴール下でリバウンドからボールを奪った。

 そのまま一気にカウンター。

 立ちはだかる敵を華麗なドリブルで抜き、リングに届きそうなほどの高いレイアップシュート。

 ポスッと軽い音をたて、ボールがリングを通り抜けた。


「キャーーーーーーーーーー!」


 その瞬間、試合を見ていた何十人という女子から黄色い歓声が上がった。


 ピピー!


 審判役の教師が笛を鳴らして試合終了。

 45対28。

 勇美のいる二年一組Aチームが勝利を収めた。


 夏休み前。

 本日は、すべての授業が休みで球技大会が行われていた。


 女子は、体育館でバスケ。

 男子は、グラウンドでサッカーだ。


「フ〜」


 体操着の袖で汗を拭い、勇美がコートを出た。

 すると、


「河井さんっ、このタオル使って!」

「勇美っ、スポーツドリンクよ!」

「勇美お姉さまっ、はちみつレモン作ってきました!」


 先輩から後輩までたくさんの女子が勇美を取り囲んだ。


「サンキュ」


 勇美がタオルを受け取り、髪をかきあげて汗を拭った。


「キャーーーーーーーーーーッ! カッコイイーーーーーーーーーーッ!」


 それだけで大盛り上がりだった。

 勇美は、女子にモテまくりだった


「はい、どいたどいた」


 勇美が、群集をかき分け希世子のところへたどり着いた。


「モテモテね、女子に」


 希世子がスポーツドリンクを渡す。


「うっせぇ」


 勇美がゴクゴク喉を鳴らして飲んだ。

 それを見ていた勇美ファンは、


「やっぱり本命は三上さんか」

「美人だものね」

「学校一の美男美女カップルだわ」


「あたしは女だ!」


 勇美が抗議した。


「キャーーーーーーーーーーッ! 凛々しいーーーーーーーーーーッ!」


 盛り上がった。


「どうしろってんだ……」


 どうしようもなかった。


「希世子も抗議しろよ」


「私は美女よ」


「そこじゃねぇ」


「私と佐藤君が恋人になれば、みんなすぐにわかるわよ」


「いつになるんだよ……」


 ボソッと言った。


「それよりも勇美、この後お願いね」


「おう。希世子のぶんも応援してくる」


 この後、希世子のBチームは試合で、倫行たち男子のサッカーも試合がありかぶっていた。

 希世子は、応援に行けないため、代わりを勇美に頼んでいたのだった。


「んじゃ、行ってくる」


「よろしくね」



 ◆◆◆



 女子バスケBチームの試合が終わると、希世子は、急いで男子の応援に向かった。

 その途中で、女子の大きな声援がグラウンドから聞こえてきた。


「誰か人気のある男子が出てるのかしら?」


 そんなことを考えているうちに希世子がグラウンドに到着した。

 まだ試合中で、ちょうど希世子のクラスが攻めているところだった。


 サイドを男子がドリブルで駆け上がる。

 ゴール前へセンターリング。


「うおぉぉぉっ!」


 倫行が飛び込んできたがギリギリ届かない。


「いっけぇ!」


 しかし後ろから勇美がダイビングヘッド。

 ボールは、ゴールネットに突き刺さった。


「しゃーーーーーっ!」


 勇美は、コートを駆け回って喜んだ。


「キャーーーーーーーーーーッ! すごーーーーーーーーーーい!」


 女子からの悲鳴のような声援が勇美へ飛ぶ。

 さっき聞こえてきた声は、これだった。


「勇美、何してるの……」


 ただただビックリな希世子。


「あ、三上さん、お疲れ〜」


 そばにクラスの女子がいた。

 話を聞くと、男子が負けそうだったので勇美が飛び入り参加したとのことだった。

 勇美が、盛り上がる観客へ手を振っている。


「あの人超カッコイイ!」

「王子様だわ!」

「ファンクラブ作りましょうよ!」


 女子人気がさらに上がっている。


「ますます男前になっちゃって……」


 勇美の人気はとどまるところを知らなかった。



 ……



 試合は、二年一組が勝った。

 でも女子の勇美が出たので失格になった。

 あけましておめでとうございます。

 タイトル変えました。

 長かったんで。

 今年もよろしくお願い致します。

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