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15.間接キスのフリして
「あ〜、喉が渇いた〜」
体育を終え、教室に戻ってきた倫行がペットボトルを取り出した。
「空っぽだったか」
水は残ってなかった。
「よかったら、これ飲む?」
隣から、希世子が飲みかけのペットボトルを差し出した。
「(どう? 気になるでしょう? 『か、か、間接キッスでは!?』と)」
さりげなく出したが、もちろん意識している。
「(さぁ、お飲みなさい! 何か意味があるのかと悩みなさい!)」
「いいのか? 助かる」
倫行は、受け取ると、自分のペットボトルへ中身を移してから飲んだ。
「ふぅ、うまかった。ありがとう」
ペットボトルを返した。
「ええ……(私、汚いとか思われてないわよね? 違うわよね?)」
希世子は、悩んだ。
たんなるマナーだった。




