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13.名前呼ぶフリして
キーンコーンカーンコーン
「では、今日はここまで。ちゃんと復習しておくように」
授業を終えて教師が黒板を消した。
「あ、まだ書いてなかったのに……」
希世子が困った。
「俺は書いたから写すといい」
倫行がノートを渡す。
「ありがとう、倫行君……あっ、ごめんなさい佐藤君。私ぼーっとしてて」
希世子は、つい下の名前で呼んでしまい頬を赤らめた。
しかし、これは呼んでしまったフリだった。
「(突然『倫行君』なんてドキッとしたでしょう? もう一度呼んじゃおうかしら、フフフ)」
「謝ることないさ、希世子。なんてな、ハハハ」
「まぁ、ウフフ(ドキッ!? も、もう一度呼んでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!)」




