表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/118

12.こぼしたフリして

 休み時間の教室。


「どうして佐藤君は、こっちをフリ向いてくれないのかしら」


 希世子は、憂えていた。


「私は、こんなにも美しいのに」


「性格悪いからじゃね?」


 勇美が缶のジュースを飲みつつ答えた。


「私は、性格も美しいわ」


「美しいやつは自分で言わないだろ」


「ああ、佐藤君」


 スルーした。


「もうコクれよ」


「付き合える可能性が百じゃないのに告白してどうするのよ。勇美は、力だけじゃなく脳みそもゴリラね」


「ああん!?」


 スチール缶が潰れた。

 ジュースがこぼれた。


「何やってるのよ」


 希世子がハンカチで机にこぼれたジュースを拭いた。


「お前のせいだろ」


「はっ! これだわ!」


 希世子は、倫行の気を引く良い方法を思いついた。



 ◆◆◆



「ふ〜、スッキリした」


 トイレに行っていた倫行が、ガラリと扉を開けて教室に入った。


「キャ」


「うおっ」


 そのタイミングで希世子とぶつかってしまった。

 希世子の持っていた缶ジュースから中身がこぼれて希世子の上履きを濡らした。


「すまん、三上」


「こちらこそごめんなさい」


「足を拭こう。上履きと靴下を脱いでくれ」


 倫行がハンカチを取り出した。


「これくらいいいわ」


「そう言わず。このままでは心苦しい」


「……じゃあ」


 希世子は、仕方なしというていで椅子に座って上履きと靴下を脱いだ。


 しかし、これらはフリだった。

 ぶつかったのもジュースをこぼしたのも計算ずくだった。

 自分の足を拭かせるための。


「(さあ、お拭きなさい! そして、私の美脚に見惚れてハァハァ興奮なさい!)」


 倫行が跪いて自分の膝に希世子の足を載せて拭いた。


「(……やだ、何これ、佐藤君が使用人のように私の足を拭いてるわ。なんだか……なんだか私……)ハァ、ハァ……ウフフフ……」


 希世子は、興奮した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ