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109.余裕のフリして

 三学期開始。

 登校した希世子が鞄を机に置いた。

 すると、


「セーフ!」


 勇美が走って教室に入ってきた。


「あぶね〜。遅刻するとこだった〜」


 朝から疲れた顔でどっかと椅子に座った。

 遅刻ギリギリの時間だった。


「初日からあわただしいわね」


 希世子がヤレヤレと息を吐く。


「昨日まで休みだったのに、急に早起きとかできねぇよ」


「生活リズムを崩さなければ、こんなギリギリの登校にならないのよ」


「わかってるっての」


 不貞腐れたように勇美が唇を尖らせた。


「あれ? 希世子、マフラーと手袋してるけど教室寒いのか?」


 勇美がふと気づいた。


「ええ、そうね」


「ふ〜ん」


 と話しているところへ、


「間に合った!」


 倫行が登校してきた。

 ゼーハーゼーハーと息を切らして机にたどり着くと同時にチャイムが鳴った。


「おはよう、佐藤君」


「お、おはよう、三上。ハァ、ハァ」


「ギリギリね」


「あ、ああ。さ、寒いし長い休みのあとだしで、起きるのが大変で遅刻しかけた」


「わかるわ。私も今来たところだから」


 希世子がマフラーと手袋を外した。


「お前もギリギリだったんじゃねぇか!」


 勇美がキレた。

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