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1.つけられてるフリして

 日が長くなってきた五月中旬の夕刻。

 佐藤倫行さとうともゆきは、一日の授業を終えて家へ帰る途中だった。すると、


「助けて!」


 後ろから、切羽詰まった声で誰かが腕にすがりついてきた。


「む?」


 倫行が相手を見る。

 長い黒髪にきつい顔立ちの美女。

 倫行と同じ高校に通う、同じ二年一組のクラスメイト、三上希世子みかみきよこだった。


「三上じゃないか」


「佐藤君」


 希世子は、相手が倫行だとわかると目を丸くして驚いた。


「どうしたんだ、あわてて」


「怪しい雰囲気の男にあとをつけられていたから」


「怪しい男?」


 倫行は、腕に抱きついている希世子を離し、来た道を確認した。


「誰もいないぞ」


「私が助けを求めたから逃げたのかもしれないわ」


「きっとそうだ」


 倫行が頷いた。


「しかし……」


 倫行が意外そうな顔で希世子を見た。


「どうかした?」


「いつも冷静な三上でもあんなに焦ることがあるんだな」


 希世子は、プライドが高いクールなお嬢様というのがみんなのイメージだった。


「私を鉄の女とでも思っているのかしら?」


「ハハハ、悪い悪い」


 自分を表現する希世子の言いように倫行はつい笑ってしまった。


「助けてくれてありがとう。私、帰るわ」


「待て。家まで送る」


「え」


「まだ男が近くから見てるかもしれないからな」


「そうね……」


 希世子は、少し考え、


「じゃあ、お願いできるかしら?」


「ああ」


 倫行は、当然のごとく請け負った。


「安心しろ、三上」


「安心?」


「何があっても絶対にお前を守るから」


「まあ、頼もしい」


 希世子は、倫行の言葉に大人びた笑顔を見せた。

 が、内心はこんな感じだった。


「(カッコイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!)」



 ……




 つまり、どういうことかというと、希世子は倫行に惚れていた。

 怪しい男というのは、倫行にくっつくための『フリ』だった。

 怪しい男にストーカーされているフリをして倫行の腕に抱きつき、ドキッとさせてあわよくば惚れさせようという作戦だったのだ。


 結果は、普通に心配されただけだった。

 それどころか、倫行の男らしさに希世子がさらに惚れ直してしまったのだった。


 これは、好きな男をフリ向かせようと日々奮闘する乙女の物語である。

 一話ずつ場面を区切って進めていく予定です。

 こういうのなんていうんだっけ?

 一話完結?

 言葉が出てこない。

 よろしくお願いします。

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