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ラストワン~刻印がもたらす神話~  作者: Pー
第三章 第一部【総合アカデミー】
93/262

23. 決戦開幕

 異変が起こったのは、千花たちが正式にバロムアの件を任された時のことであった。


 総合アカデミーに大音量の爆発音が響き渡ったのだ。


 しかも、爆発は相当大きかったようで爆発の衝撃波による地響きが数秒続いたのだ。


 ようやく、地響きが収まっても後に来るのはパニックの嵐。


 そして、一人の人間が千花たちの集まる会議室へと飛び込んできた。


「報告します! 総合アカデミー内にあるO(オー)文書保管室が何者かに襲われました!」


 その報告をした者は、キャンベラやワールドのような騎士の格好、善竜(ぜんりゅう)騎士団の団員であった。


 だが、よく見るとその騎士は入学試験の実技試験にてキャンベラと戦ったハドルドである。


 この事実に校長であるヴァルアドルも目を丸くし、本日何度目か分からない驚愕をなした。


「ハドルド、敵は?」


 この場で驚かずに対応できたのは、善竜騎士団所属のワールドのみ。


 つまり、ワールドの対応でハドルドが善竜騎士団から故意に派遣されたことが分かった。


 真意を問い質したいところだが、今は急を要する事態。


 ハドルドの件は後回しとなる。


「敵本陣には魔法科学科のバロムア=ドルシウス殿、そして、異端指名手配のカロード=ゴール並びにサヴァル=ダーズリニウスの二名。三人に率いられた集団約百名の襲撃です!」


 ──異端指名手配


 それは反真龍救済連合としての活動を活発に行い、〈聖ドラグシャフ世界線〉から正式に異端判断され、その上で全国に指名手配されると言う〈聖ドラグシャフ世界線〉において最大の罪である。


「迎撃はどうなっている? 既に善竜騎士団は到着しているだろう?」


「はっ! 総合アカデミーにて警戒していた第一陣十五名、惨敗しました!」


 報告するハドルドの声は震えていて、表情は悔しさから少し涙ぐんでいる。


「そのまま叛逆者三人はO(オー)文書を奪い逃走! 足取りは未だに掴めておりません!」


 仲間が敗北しただけでなく、敵の逃亡すら許してしまう。


 その事実がハドルドが騎士として持っているプライドをズタズタに引き裂いていく。


「そして、現在『執行者』を名乗る者の手を借り、百名の襲撃者を撃退中です!」


 ──『執行者』


 それは人類の護り手(ラスト・ワン)全責任者『皇王(こうおう)』アンフェアによって、元主とシャーシスに宛てがわれた役職。


「ですが、一人では完全な迎撃は不可能! 皆様方の助力をお願いします!」


 確かに、敵の狙いがO文書なるものだとしても、O文書たった一つを奪うために百人も連れてくる必要などない。


 他に目的があると見る方が適切だ。


「よく知らせてくれた。皆の者、分かるな?」


 会議室に集まった者は誰一人として異論を挟まずに、敵の暴れている保管室付近へと急行しようとする。


 しかし、思惑通りにはいかなかった。


 なんと、会議室の壁を破り何者かが侵入してきたからだ。


 人数は十人程度。


 だが、全員が完全武装の上に明確な殺意を漲らせて突撃してきたのだ。


 そのあまりにも予想外の出来事に対応出来たのは二人のみ。


「【向かう先は愛である(リー・テオラドラ)】!」


「【生成(コール)(フィン)基礎(ベース)(ベイ)】!」


 相手の基礎保有(きそほゆう)魔力量(まりょくりょう)を利用した強制自爆によって相手の内部から破壊する千花。


 そして、【(つるぎ)刻印魔法(こくいんまほう)】により虚空に数本の刀を【生成(コール)】し、相手に飛ばす剣聖。


 十数人いた侵入者は己の身体の見えざる力が暴発することにより、内部から破裂。


 そして、飛来してきた刀に致命傷を負わされ絶命。


「……!? すご〜〜い! 千花ちゃんだ〜〜い好き〜〜!」


「流石はご主人様。お見事です」


 千花には千百合から、剣聖にはネメシアからそれぞれ褒め称えられる。


「…………おい、どうしてコイツらが来るって分かったんだ?」


 ようやく、現実に戻ってきたサウロリアが敵に反応できたかを問う。


「だって危ない“未来”が視えたから。あのまま放置してたら、あなた死んでたよ?」


「【鬼神眼(おにノしらせ)】に反応があった。だから斬った」


 二人は互いに危険を察知することの出来る能力を持っている。


 千花は【愛の刻印魔法(こくいんまほう)】にて強化し尽くした数秒先の“未来”を視る眼、剣聖は【剣の刻印魔法(こくいんまほう)】による攻撃を読み切る【鬼神眼(おにノしらせ)】。


「“未来”を視た?」


「だから斬った?」


 だが、二人の言葉に納得出来たのは強くなった千花と、剣聖の恐ろしさを知っている者だけであった。


 二人の強さを知らない『八大使徒』たちは開いた口が塞がらない。


「それより、外にまだまだ敵がいるんでしょ?」


「ならば早々に片付けねばな」


 二人は勝手に目的を作り、勝手に行動を開始する。


『魔王』と『ハヴィリア』派閥は千花に従うため、ついて行き、ネメシアは剣聖について行く。


 そうなると、同調圧力に屈した『八大使徒』も続いて会議室を出て広場に降りる。





 ❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐







 結論から言うと、千花たちが駆けつけた時には暴動は鎮圧されていた。


 そればかりか、元主だけの親衛隊である【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】が付近の防衛をしていた。


 被害状況をよく見ると、所々に分布しており破壊されている場所も点と点が別れるような破壊行動である。


 そのおかげといっては不謹慎だが、【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】は点で破壊された場所を中心に随所に配属されていた。


「これは……酷いな」


 ワールドは被害の大きさに目を逸らすことしか出来ない。


 他の全員も同じ気持ちであったのか、一言も発することが出来ていない。


 破壊された総合アカデミーには、怪我を負った生徒たちの血がこびり付いており、点として破壊された場所では痛みに呻く生徒の声が聞こえてくる。


「ご主人様、怒りを鎮めてください。それ以上さ【鬼神(きじん)】になり得ます」


 ネメシアは怒りが爆発しないように、剣聖に声をかける。


 剣聖もこの場で怒りを露わにしても意味が無いことを悟り、鎮めていく。


「ねえ、多王先輩に会いたいんだけど、何処にいるの?」


 千花が皆を代表して近くにいた【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】に声をかける。


 しかし、反応があったのはまた別の個体であった。


「アナタハ、千花サマデアリマスカ?」


 その個体は他の【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】と違い、黒々としたボディの肩部分には攻撃的なトゲの趣向が凝らされ、大きさも他個体と比べても巨体である。


「え? うん。そうだよ」


「創造主ガオ待チデス。コチラヘ」


 千花たちが驚いたのは、対応したのが喋る【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】だったからだ。


 驚きながらも数分歩いた所に、数々の【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】に指示を出している元主を発見した。


 元主は【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】の他に“天界の決闘”前に医務室に運ばれたディオクとミヴァルの二人も手足として使っていた。


「創造主。千花サマのオミエデス」


「……! そうですか! 助かりますねぇ。報告ありがとうございます。【枢機卿小隊(リーダー・チーム)個体識別番号01(Mark.アレフ)】持ち場に戻ってください」


 元主の【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】は日々進化する。


 この事は千花たちも知っていたが、まさか会話ができる【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】が開発されているとは思ってもみなかった。


「多王先輩、何があったの?」


 千花は【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】の話題よりも被害状況の確認を優先する。


 その横顔は敵の姿を確実に捉え、総統する意思が垣間見える。


 その面構え、その覇気に心を持たない殺戮兵器(さつりくへいき)である【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】すら恐れ戦く。


「簡潔に言えば、大規模自爆テロなのですねぇ」


「やはりか…………!」


 元主の言葉に、最も最悪な予想が当たったのだろう剣聖が呻く。


「大方、洗脳された反真龍救済連合の雑兵に爆弾でも持たせて自爆させたのであろう?」


「えぇ、その通りなのですねぇ。流石は剣聖さん。その洞察力は衰えていませんねぇ」


 元主は剣聖の一番の親友を自負している。


 それは傲慢なプライドなのではなく、真実として元主は剣聖が敵の攻撃方法を当てたことに疑問を抱いていない。


 “聖山”にてロード・ヴォルダグレイに逃げられた元主は突如現れた剣聖に反応できていなかった。


 しかし、元主は直ぐに正気を取り戻し、一言告げた。


「また、会えましたねぇ」と。


 涙を流さず、何時もの不気味すぎる薄ら笑いを浮かべて告げた。


 それが、元主の剣聖に対する最高の再開の言葉。


 そんな二人が揃った今、『魔王』派閥は格段に強さの格が上がった。


「早速ですが、千花さんたちは私たちを手伝ってください。私が操れる【枢機卿小隊(リーダー・チーム)】の数も限られているのですねぇ」


 元主の【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】は新たな【枢機卿小隊(リーダー・チーム)】により幾ばくかの統制がとれている。


枢機卿小隊(リーダー・チーム)】をハブ個体とし、そこから通常の【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】に指令を送ることにより、元主が操れる【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】の量は間接的に増えたのだ。


 だが、それでも無限では無い。


 だからこそ、千花たちの増援はありがたいものとなった。


「はーい。みんな! 迅速に、ね!」


 元主の答えに気軽に、それでもしっかりとした信念をもって返答する千花。


 その号令に千百合たち『魔王』派閥の面々だけでなく、『八大使徒』の教師陣すら従ってしまう。


 この場では、もはや『八大使徒』ではなく千花こそが支配者と決定付けることとなった。


 そして、数時間後ようやく全ての作業が片付いた。


 怪我人の手当、倒壊した瓦礫の撤去、瓦礫の下敷きとなり動けない生徒の救出、そして、行方不明者の捜索。


 破壊されてしまった総合アカデミーまでは戻せないが、散らばっている瓦礫を組み合わせ急ごしらえの医務室などは多々作ることが出来た。


 そして、瓦礫で作られた簡易的な部屋に、会議室のメンバープラス元主、ハヴィリアの二人。


 そして、“天界の決闘”前日にバロムアの罠にはまり怪我をしたが、比較的軽傷であったディオクとミヴァル、キャンベラ、ナーラの四人も加わった。


「……? 多王先輩、時雨たちは?」


「は、はい。御二方はまだ治療中です、ねぇ」


 千花の質問に目を逸らしながら答える元主。


 その不審な行動の真意を問いたかったが、会議が始まりそうなので、千花は問い詰められなかった。


 そして、第二次会議の最初の発言者はリニヴァであった。


「あれ、これ、あれなんだよ。O文書って盗られちゃったらダメなやつだよね?」


 リニヴァからヴァルアドルに質問、と言うよりも、釘を刺すという表現の方が正しい。


「リニヴァ先生、O文書ってなに?」


 だが、ヴァルアドルが質問に答える前に千花から質問が飛ぶ。


「O文書は総合アカデミーでの生徒たちの研究の成果の全てを書き込んだ知識の結晶よ」


 千花の問いに答えたのは魔法文化科のソフィア=モービットだ。


 彼女の言う通りだとすると、O文書は千花たちの先輩たちの総合アカデミーでの学生生活そのものが奪われたこととなる。


 それは盗られることも、盗ることも許されざることである。


「それとよ、さっきまで生徒の数見てたが、少なくねぇか?」


 その言葉はサウロリアからの一言であり、その一言に心を乱したのはたった一人。


 そして、この場で気持ちの変化に気付く者は限られている。


「ねえ、多王先輩。どういうこと?」


「おい、元主。何を隠している?」


 人の心を読むことの出来る千花は、この時にはわざと元主の思考を読まなかった。


 何故か、と問われれば明確な理由など答えられない。


 だが直感で答えることの出来ない、俗に言う「嫌な予感」が千花を襲っていたのだ。


 本心では聞きたくない、と思っていても『魔王』派閥の派閥主(トップ)として現状把握に務めなければならない。


()()は私の失態なのですねぇ」


 元主の言葉はこの前置きから始まった。


 とてつもない後悔に苛まれた元主の顔が、彼の言う失態に繋がっているのだとしたら、相当な事件であったのであろう。


「私たちは失念していました。目に見える敵はバロムア率いる反真龍救済連合のメンバーだけだと……!」


 この時からであろうか、千花が己の心臓の鼓動で聴覚が狭くなって、何も聞こえなくなっているのは。


「ロード・ヴォルダグレイがいるのであれば、()()も同様に来ているはずなのに……!」


 ロード・ヴォルダグレイ。


 生命の樹(セフィロト)の魔術を使用する西欧風な男。


 ロード・ヴォルダグレイは“天界の決闘”で元主と交戦する前に、千花を乗っ取ろうとしていた。


 そして、それ以前に〈リングトラヌス世界線〉での戦闘にて人類の護り手(ラスト・ワン)の二人をその手で殺した張本人。


()()は…………いいえ、この際です。はっきりと言いましょう。『()()()()』は!」


『影の存在』の名が出てきた時点で、千花は強い頭痛に襲われていた。


 もはや自分が並行に立っているかも分からない、そんな状態になってしまう。


「私たちが広場の騒ぎに気を取られている間に……!」


 そう言えば、と千花はある事に気付いてしまう。


 居ないのだ。


 記憶を辿ってみても、居なかった。


 “天界の決闘”に挑む前も意識を戻していなかった()()()()の姿がどこにもなかった。


「時雨さんたちが誘拐されました!」


 主に千花へと頭を下げる元主。


 だが、ここで元主を責めるのはお門違いだ。


 元主は突如起こった謎の爆発の原因究明、状況把握、その他様々な事にリソースを割いていた。


 確かに、元主としてはバロムアは老獪ながらも油断ならない相手と踏んでいたため数体の【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】を配置していた。


 だが相手が悪かった。


 苛烈を極めた〈リングトラヌス世界線〉の戦いにて、【刻印魔法(こくいんまほう)】使い全員で攻めてもついぞ打ち倒すことの出来なかった『影の存在』。


雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)】数体程度では警備にすらならない。


「これは、私の慢心が招いた結果ですねぇ!」


 もはや弁明の余地がないと理解したのか、元主は全ての責任を真っ向から受ける。


 もちろん、元主が頭を下げている間には、千花から『魔王』として覚醒した際の凄まじい量の魔力と殺気、威圧が伝わっている。


 瓦礫で作られた簡易的な部屋では、千花の覇気に耐えられずヒビが入る。


「多王先輩が悪いんじゃないんだから。悪いのは全部アイツらだよ」


 千花は怒りや悔しさ、悲しみといったあらゆる感情を押し殺し、『魔王』千花ではなく『ただの高校生』千花として元主に対応する。


 その言葉の軽さはテストで悪い点をとった、程度の雑談にしかならない話題を話す時の軽薄さ。


 しかし、力強く握っている千花の手からは血が滴り落ち、覇気は一欠片も揺らいではいない。


 それでも、黒い感情をぶつける相手は元主ではなく、バロムアや『影の存在』だと理解している千花は、無闇矢鱈(むやみやたら)に暴れるのではなく、感情を全て押し殺しているのだ。


「誘拐されたのは時雨とミアミアとキャンベラだけ?」


 まだ重い圧は漏れ出ているが、時間が惜しいとばかりに話を進める。


「千花さん………………いえ、他にも数人ほど」


 溢れ出る感情を押し留めている千花の反応に、元主もいつまでも頭を下げているわけには行かない。


「結構連れ去られちゃったわね〜〜」


 総合アカデミーの全生徒数を考えると数人と言えど、多いものなのだ。


「それがですねぇ、私もやられっぱなしとはいきませんので、一人…………有能な方を潜り込ませました」


 先程までの悔しさに満ちた顔はどこに行ったのか、悪人に相応しい小狡い顔で元主が声を発する。


 元主が潜り込ませたのは第百二十一期生の同期、(あん)=トウと言う我心論者。


 彼女の暗殺者としての才能が目に入った元主は、【侵犯の刻印魔法(こくいんまほう)】によって喑=トウの頭に直接話しかけた。


 曰く、「貴女ぁ、隠れるの得意ですねぇ。バレずに後をつけて行ってください。本拠地が分かれば【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)潜水特化小隊(ダイバー・チーム)】にお伝えください」


 ただそれだけの一方的な言葉。


 そんな元主に対する喑=トウは、「了解。後で請求させてもらうわね」


 二つ返事で承諾。


 己の暗殺者としてのプライドを買われたことが良かったのか、少し笑顔で追跡を開始していた。


「その者からの伝言は【潜水特化小隊(ダイバー・チーム)】が伝えてくれますねぇ」


 そして、元主がその言葉を放った瞬間であった。


 元主の足元から何かが出てきたのだ。


「あらあらぁ。奇跡なのですねぇ。【潜水特化小隊(ダイバー・チーム)】、伝言は?」


 元主は【潜水特化小隊(ダイバー・チーム)】へと身を寄せて、伝言を聞き取ろうとする、


「敵の本拠地が分かりましたねぇ。敵は“聖山”内部! “聖山”の中心部へと向かったようですねぇ!」


 元主の声に集まった者たちは、緊張感に身を固くする。


 これから始まるのは遊びではない。


 本物の戦争なのだ。

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