4. 使者
空中庭園第九層会議室での所属決め会議から一週間。
各々アンフェアより役職を受け取り、二週間音信不通であった。
一週間前ギールに地球へと転移させられた後からは『後継者』の五人には会っていない。
皆、自分たちの都合やプライベートがあるのだろうと暗黙の了解で相手について深入りはしなかった。
だが、かつての人類の護り手を知る千花たちからしてみれば、お互いに踏み込みが足りないのではないか、とも思うが。
そしてこの二週間、千花たちは己の【刻印魔法】に磨きをかけていた。
閑話休題。
場所は変わり千花たちの登校時の集合場所である住宅街の路地。
秋風吹く日曜日の住宅街。
そこには私服に着替えた千花、時雨、ミリソラシア、千百合、キャンベラの五人がいた。
「みんなおはよう!」
優しげな笑みを浮かべている千花はボトムは動きのある素材のスカートにハイネックニットを合わせている。
「ええ。おはよう、千花」
千花の挨拶に丁寧に答えた時雨はショート丈のトップスとクロップドフレアパンツを合わせたクールはスタイル。
「あぁ。おはよう、千花」
短く切り揃えられた金髪が風に揺れるキャンベラはハイウエストデニムに女性らしい透け感のあるロングカーデでさらにスタイル。
「みんな、今日も元気ね〜〜」
未だに眠気が残っているのかゆったりとした千百合はゆるシルエットのニットカーディガンをほっこりさせないよう、タイトなレオパード柄スカートで大人っぽさをプラスしたコーデだ。
「おはようございます、主様!」
女王らしく優雅さを合わせ持ったミリソラシアはカジュアルなスエットのセットアップだ。
五人は日曜日の朝から集まり、空中庭園にて戦闘訓練の予定であった。
この際、空中庭園へは五人とも手につけてある指輪を利用するだけでいい。
「あの、主様。その服、暑くないんですか?」
ミリソラシアが言うのは、千花の服装。
確かに、秋の気候は寒くなる時があるが、ハイネックニットなどの服は冬服であるためまだ暑くなる時があるのだ。
「千花は寒がりなのよ」
なんと、ミリソラシアの質問に答えたのは千花ではなく時雨であった。
「え……? なんで時雨様が知ってるのですか?」
もちろん、ひょんなところから返答が返ってきたミリソラは困惑顔。
「私は千花のことは全て知っているわよ」
時雨は決め顔でミリソラに向かって断言する。
「えへへぇ」
そして、それを聞いた千花の顔はへにょとなって、何故か幸せそうだ。
「普通は暑がり寒がりなこと知られてら怖いと思うのよ〜〜」
千百合の言葉は世界の常識人を代表した言葉であった。
和気藹々と談笑していると、キャンベラがバッと、後ろを振り返る。
「わっ! キャンベラ、どうしたの?」
「みんな、警戒態勢に入ってちょうだい」
先までの緩みから急激に真剣な目付きになったキャンベラを見て、時雨は一瞬の内に切り替えて警戒を促す。
「今誰かに見られていたような…………?」
「【護る時に護る力】!」
キャンベラの言葉を聞き、反射的に【守護の刻印魔法】を発動させる時雨。
だが、この反射的な行動が五人の命を護った。
なぜなら、全方向から一斉に魔力弾が飛んできたからだ。
「……!? うそっ!?」
「誰かな〜〜?」
「何処から!?」
千花は驚きに目を見開き、千百合は談笑の時間を崩され、ミリソラシアは疑問に塗れた。
「…………見つけた」
時雨が一言呟き、『管制者』としての役割を果たそうと動き出す。
「千百合、三時の方向に七人。キャンベラ、九時の方向に同じく七人。ミリソラシア、十二時の方向に三人。殺しても構わないけれど、数人は残しておいて。それと、住宅街への配慮は必要ないわ。この時間帯にしては人が少な過ぎる。きっと人払いが施されているわ」
──殺しても構わない
あの時雨が敵だとはいえ、殺しても構わないと言う。
この変化はアンフェアに信頼されている期待から来る変化。
そして、問答無用で攻撃してくる相手へと温情など持ち合わせていない、時雨本人の感情もあった。
「………………千花、悪いのだけれど」
「私は何時でも大丈夫だよ!」
支援が専門の千花を前線に出すことが許されず歯切れが悪くなる時雨。
しかし、千花は時雨に対して笑顔で応える。
「本当にいいのね? 千花がぶつかるのはきっとこの集団の中で一番強いのよ」
時雨は敵の強さ、数、その全てが見えている。
『管制者』として自分に何ができのかを考えた際に、己にできるのは護ることだけと気付いた。
そして、結界すべてに己の目を内包させる技術を思いつく。
空間に小さな立方体型の結界を等間隔で配置し、その四隅に監視カメラの役割を果たす結界を造る。
結界の中に結界。
この力は【守護の刻印魔法】第三段階を拡張した一端、【視る故に守護あり】。
一つの結界に配備されている監視カメラ結界は、四つ。
その監視カメラ結界の大本となる結界が、この路地に十四。
合計五十六の映像が時雨の頭に流れ込む。
もちろん、そんな数の情報量は人間の脳では処理できない。
幾ら時雨が秀才であっても人間の壁は越えられない。
ならばどうしたか。
この問題はギールの魔導書により解決された。
ギールの魔導書の一冊、【処理能力の複製手引き】と言う、名前のままの魔導書を時雨は読み込んだ。
【処理能力の複製手引き】の文字が時雨の脳内にこびりつき、自分の手足のように多重処理を扱うことができるようになったのだ。
「ギールさんの魔導書に【守護の刻印魔法】第三段階、『重複結界』。今の私に死角はないわ」
時雨は『管制者』。
全てを計算し尽くし、全てを識る。
それが、人類の護り手『最強管制者』華彩時雨だ。
「【消えゆくあなたに】〜〜!」
黒い獣の顎が七人の敵対者を喰らい尽くす。
千百合にしてみれば、千花たちを攻撃した時点で生かす必要性などなく、確実に殺しにいく気であった。
千百合の現在の滞在値量は魔力十五万、武力七万、合計二十二万と言うとつてもない数値。
【消失の刻印魔法】第三段階に足を踏み入れた千百合の滞在値量は〈イントロウクル世界線〉にて『魔眼王』バラゼンと戦った時よりも格段に上がっている。
「降竜秘奥“光竜”!」
部分降竜すら使わずに七人の敵対者を吹き飛ばしていく。
キャンベラは騎士として、確実に敵対勢力を無力化していく。
無益な殺傷はしない。
キャンベラの滞在値量も当初よりも上昇し、魔力十二万、武力十八万、合計三十万。
人類の護り手の英雄たちに届こうとしている。
「【水の追随を】!」
人間大の気泡を作り出し、三人の敵対者を簡易的な溺水に陥らせる。
千百合とキャンベラに比べれば敵対者の人数は少ないが、それでも三人の敵対者を確実に無力化すると言う千百合とキャンベラにはできないことをして退ける。
ミリソラシアも二週間の鍛錬により魔力十七万、武力二万、合計十九万と、上昇している。
そして、時雨に一際強いと言われていた一人の人間は女性であった。
そこらにいる有象無象は高々六千程度の滞在値量にも関わらず、千花が挑む敵の滞在値量は合計で十万を超えていた。
その服は俗に修道着と言われる服を着ているシスターであった。
しかし、その女性の修道着は通常の修道着と違い、スカート丈が極端に短くもはやミニスカートと言っていいレベル。
髪色は黄色よりの金色。
その髪をストレートにおろし、肩までの長さで切りそろえている。
端正な顔付きで、全てを包み込むかのような包容感がそこにはあった。
千花と向かい合った時ですら、優しげな笑みを消さない。
「ヴァルディード善竜信仰全集。【天に還る者への祝福】」
その女性は手に持った大きな本を開き、本を媒体として詠唱する。
その詠唱の結果、天から白く輝いた支柱が立てられる。
数秒の間光り続け、光の消えた跡にはアスファルトにポッカリと大きな穴が空いていた。
「見なさい、異教徒よ。これが善竜ヴァルディード様のお力。貴方程度の信仰心では私の信仰心は越えられません」
その女性は千花に向かって優しく微笑みかけ、彼我の実力差を懇々と説く。
「諦めたりなんかしない! それに、私は無信仰だよ!」
そう叫んだ千花はミニスカシスターに向かって走り出す。
「愚かな。それが貴方の罪のなりましょう。ヴァルディード善竜信仰全集【それが貴方の大罪です】」
先の光の支柱が十本を超えるだろう数をもって、千花へと襲いかかる。
「【愛は溶けてゆく】!」
音はなかった。
静かに、千花は光の柱の中へと溶けて行った。
千花の滞在値量は魔力三十万、武力二千の合計三十万二千。
しかし、魔法は発動しなければ意味が無い。
「見ましたか? これが貴方たちの末路にございます。許しを乞うのならば今のうちです」
ミニスカシスターは千花を仕留めきったと思い込み、次なる哀れな子羊に目を向ける。
そして、これがミニスカシスターの敗因となった。
例え仕留めたとしても、常に外敵に目を向けなければならない。
「えいっ!」
ポコン! などという可愛い音ではなかった。
バコンッ! と人の頭からなってはならない音を鳴らして、ミニスカシスターはその場に倒れ込んだ。
「……!? 一体どこから!? どうやってヴァルディード様の天罰を免れたのですか!?」
背後から思いっきり後頭部を殴られたミニスカシスターは痛みに悶絶しながら、千花を睨む。
しかし、その先でミニスカシスターは信じられない光景を見る。
「まだまだ終わらないよ!」
「その通りなんだよ!」
「私たちの攻撃は続いているよ!」
複数人の千花が、後頭部を殴った千花の後ろから現れたのだ。
疑問を抱くことも出来ずに、ミニスカシスターは複数の千花に袋叩きにされた。
殴られ、蹴られ、時に石を投げられ。
その全ての威力は【愛の刻印魔法】によって底上げされている。
「や……! めな…………さ……い!」
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
永遠と複製の千花に殴られているのにも関わらず、ミニスカシスターは未だに意識を保っていた。
「まだ生きてる……!」
千花はもう一段階強く殴ろうとする。
「千花様、お辞めになってください。それ以上は命に関わります」
だが、一人の制止によって我を取り戻した千花が、複製の千花を跡形もなく空気に溶かしていった。
千花が攻撃を終了させたことにより、此度の襲撃は方が着いた。
千花たちの圧勝という形で。
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敵対者を撃退し、生き残っていた者は全員ガムテープで縛り上げ拘束しておく。
未だに人払いの効果は残っているのか、住宅街に人がいる気配が全くない。
「ソフィア、来てくれたのね」
全ての戦闘が終了し、時雨と千百合、キャンベラ、ミリソラシアの四人が千花とソフィアの元に集まった。
「主様、無事ですか?」
「うん。私はただ隠れてただけだからね」
隠れてただけ。
そう、先の複数の千花は【愛の刻印魔法】第三段階【多重支援】の昇華した姿であった。
【愛は溶けてゆく】で己の幻覚を見せるのは今までと同じ通り、自分の幻影を見せると言う効力。
違うのは見せる幻影の数だ。
【愛は溶けてゆく】で見せられる幻影はたった一人。
しかし、先程見せた幻影は複数人であった。
その謎の正体は、一人一人が【愛の刻印魔法】を使えるという点だ。
今までの幻影は【愛の刻印魔法】の使用は不可能であった。
だが、千花は改良に改良を重ね何とか十に満たない千花のみ【愛の刻印魔法】を使用することが出来るようになったのだ。
──【無限千花】
それが、千花の努力の名前。
「流石は主様です!」
「お強くなられて、喜ばしい限りです」
ミリソラシアとソフィアの褒め言葉に、にヘラっと表情を緩ます千花。
「それで、千花様たちは一体なにをなされていなので?」
ソフィアの疑問は、今まで千花たちが何をしていたかに収束した。
「突然襲ってきたのよ〜〜」
襲われたと言っても、千百合の言葉は何の危機感も抱いていない者の声色であった。
それほどまでに、今回の襲撃は拍子抜けするほど弱かったのだ。
「一番楽な方法は拷問かしら?」
「……ッ!」
時雨の底冷えするような声に、ミニスカシスターはビクンッ! と体を震わせる。
「でも、私たちそういうの得意じゃないよ?」
千花がわざと言葉を濁したのは、ミニスカシスターへの配慮である。
「ん〜〜、私はできるわよ〜〜」
「私も出来ますねぇ」
「私は無理よ」
千百合に引き続き、元主とシャーシスの声が聞こえてくる。
「ようやく来たのね。だいぶ遅刻なのだけれど」
時雨の声からは、元主とシャーシスがこの場で偶然あったなどではなく、予め集合する予定であったことが伺える。
「申し訳ありませんねぇ。この付近にはどうにも疎くございましてねぇ」
あの元主が少し言葉を柔らかくするぐらいには、悪く思っているようだ。
「まあ、いいわ。今は多王先輩に使っている時間なんて一秒もないのだから」
「あれれぇ? 私の扱い雑くないですかねぇ?」
時雨は遅れてきた元主なんかよりも、襲撃者の方へと意識が向かっていた。
「それで、千百合はご…………尋問なんてできたのかしら?」
時雨も千花にならって、言葉を変えて千百合へと疑問をぶつける。
「ちょっと前にね〜〜。まだ炎くんが無事だった頃に少しだけ教えてもらったのよ〜〜」
人類の護り手『特攻隊隊長』獅子極炎。
〈リングトラヌス世界線〉での戦闘で『影の存在』の新たな仲間と見られる、ロード・ヴォルダグレイの魔術の前に敗北し、今も意識不明である。
千百合は人類の護り手の“大人”の中でも最も炎と仲が良かった。
撰王組と言う極道組の総長である炎ならば拷問技術の一つや二つ持っていてもおかしくは無い。
「別に道具がなくても大丈夫よ〜〜。アスファルトを使った“やつ”もあるからね〜〜」
とても綺麗な笑顔でミニスカシスターに語りかける千百合。
ミニスカシスターには今の千百合は地獄の鬼に見えただろう。
「千百合様、それ以上はかわい…………」
「そうですよ」とミリソラシアが言葉を紡ごうとしたその時
「それ〜〜」
ゴリゴリゴリゴリッ! とアスファルトを何かが擦る音しがた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
その音の正体は、ミニスカシスターの頭がアスファルトに削られた音であった。
なんと、千百合がミニスカシスターの頭を持ち、まるでやすりのようにミニスカシスターの頭(正確に言うと顔)を削ったのだ。
アスファルトに擦られたミニスカシスターの顔は皮膚が破れ、顔一面真っ赤に染まった。
その痛みから、ミニスカシスターは転げ回ろうとするが、千百合に頭を抑えられ、その上拘束されているので、身をよじることしかできない。
「そ〜〜れ〜〜!」
メキメキッ! さらにその上で、ミニスカシスターの拘束されて動かすできない手の、それも爪だけ足で踏みつけピンポイントで狙い砕く。
「ふぐぁぁぁああああ!?」
口元も猿轡をされているため満足に叫ぶことも出来ないミニスカシスター。
「は〜〜むっ」
さらに、砕かれ血が溢れ出ているミニスカシスターの指を千百合は自分の口にいれ舐め回す。
「はみぁぁ!?」
爪は皮膚の一部であるため、それが露出し傷口を舐め回されたとなると、神経に痛みが直接伝播してしまう。
「ぷは〜〜! ん〜〜、鉄の味〜〜?」
「はぁ……はぁ…………!」
何故か満足そうな千百合と対照的に、ミニスカシスターは目元に涙をうかべ消耗している。
「………………千百合様、その辺でよろしいかと。その娘には十二部に貴女の恐怖は伝わりました」
時雨ですら千百合の暴挙に固まっていたが、ソフィアが千百合へと声をかけたことにより、我を取り戻す。
「千百合! あなたなんてことを!」
時雨が血相を変えて千百合に掴みかかる。
敵対者とはいえ、赤の他人であるミニスカシスターに故意に怪我を負わせたのだ。
さらに言えば、日本国憲法第三十六条に拷問等の禁止は明確化されている。
「悪いのはこの娘なのよ〜〜。それに〜〜、これだけの人数なんだから〜〜、背後に組織があるのは明白なのよ〜〜。なら〜〜、それを吐かせるしかなくな〜〜い?」
「…………確かに、それは理解できけれど」
「理解は出来るけど理性が受け付けない? そんなの〜〜、言い訳にもならないわ〜〜。でも〜〜、時雨ちゃんはそれでいいの〜〜。汚れ役はぜ〜〜んぶ私がやってあげる〜〜」
まったく納得していない時雨。
だが、それでいいのだ。
拷問など女子高生からしてみれば重すぎる話題。
しかし、千百合はそれを良しとしない。
親友に血みどろの行為をさせるぐらいなら、自分が変わりにやってやる。
それが千百合の千花たちへの想いなのだ。
「それじゃ〜〜、続けるね〜〜。次は何がいいかな〜〜? 話すなら早めにお願いね〜〜。死ぬギリギリまでこちょこちょされるのはちょ〜〜とキツイかもだから〜〜」
顔や雰囲気は笑顔だが、目がまったく笑っていない。
千百合が学んだ拷問技術は多岐にわたり、苦痛と快楽の全てを使用することができ、地獄と天国の使い分けも出来る。
そして千百合は快楽が決して天国に繋がっている訳では無いことも学んでいた。
「むぅ〜〜〜〜! むぅ!」
ミニスカシスターは千百合が近付くにつれて、身を捩り少しでも千百合から逃れようとする。
「話したかったら〜〜、頷いてね〜〜」
「むぅ〜〜〜〜〜〜!?」
千百合は迷いなく、ミニスカシスターをくすぐり出した。
腹、脇、太もも、足の裏、あらゆる所をくすぐり回し、時々ミニスカに隠れた魅惑の部位を弄り、ミニスカシスターに甘い声も出させた。
ミニスカシスターが千百合に堕とされたのは、くすぐりが始まって十分後であった。
「千百合、素直にありがとうとは言えないわね」
「いいのよ〜〜。褒められたことじゃないのは分かってるし〜〜」
時雨の言葉に、千百合は文句を言わずに引き下がる。
千百合本人も悪い事だとは理解しているようだ。
「それで、この方はどうすれば…………」
少し引き気味にミリソラシアが口を開く。
そこには涙や涎、鼻水、汗といったあらゆる液体を垂れ流しているミニスカシスターが横たわっていた。
「ちゃんと話すわよね〜〜」
「はい! お話させていただきましゅ!」
千百合の尋問があまりにも鬼畜なものであったため、ミニスカシスターは将来二度と千百合には逆らえないであろう。
「わたくしは、〈聖ドラグシャフ世界線〉『希望』のラモスキュー=クレリア陛下の命により、『正義』のサー・キャンベラ卿をお連れするよう承り、馳せ参じた所存で御座います!」




