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ラストワン~刻印がもたらす神話~  作者: Pー
第三章 第二部【コアド魔王国】
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35. コアド魔王国

 千花がコアド地方の住民に『魔王』として統治をしていくと、全住民に伝えた翌日から通称(つうしょう)“『魔王』の大改革”が始められて二ヶ月あまり。


 千花は五つの大改革を行った。


 第一にコアド地方の経済については、領主邸宅のある中心街を商業の中心都市とし日本でいう商店街を設立させた。


 コアド地方中から商人を集めさせ、中心街での商売を活性化させると同時に、十個の農村地帯では中世ヨーロッパで行われていた三圃制(さんぽせい)農業へと切り替えさせた。


 その過程でコアド地方の土壌(どじょう)には微量の魔力が宿っていることを発見し、土地によって様々な効力があることを確認した。


 それぞれの魔力の特徴に合わせ、東には傷や怪我を治す効力があるため薬草を。


 西にはカフェインと同じような精神刺激性(せいしんしげきせい)があるため、コーヒー豆の知識を駆使してコーヒー豆(もど)きを。


 北には多種多量な色を発する魔力質であるため、絵の具のインクとしてインク豆という新種の豆を。


 南には一際(ひときわ)強力な魔力があるため、一ヶ月に一回の収穫ペースで穀物や野菜類を。


 収穫の八割を商人に売り、商人が買った収穫物を中心街で売り、中心街の住民が収穫物を購入する。


 そして、十個の農村地帯にも専用の商人が売りに来るため、地方でもなんら問題はない。


 これにより、経済は良い方向のインフレーションを迎えることとなった。


 第二に、各地に小学校のような施設を建設し、【雷帝直伝多王(オプリチニキ)元主専属親衛隊(Ver.元主)枢機卿小隊(リーダー・チーム)】がその土地の大人数人に知識を与え、土地の子どもたちへ授業をする。


 そうすることにより、大人も子どもも知識を付けることが可能になる。


 第三に、十個の農村地帯と中心街との往復を安全に、かつ迅速に進めるためにインフラ整備を実施。


 コアド地方の特産物である岩を使い、馬車でも揺れない快適な舗道を整備。


 この移動用の馬車は馬に引かせずに、日本の自動車のような構造をした魔道馬車を使用。


 自動車ようなアクセルとブレーキを魔力石に変換させ、教習所のようなところで【枢機卿小隊(リーダー・チーム)】が指導した後、免許を発行した。


 この際、移動商人のみ馬車の使用を許可することとした。


 そして、千花と時雨の日本での知識を使用し、下水処理を可能にした上に各家々へと順次水洗式(すいせんしき)トイレを増設していく予定とした。


 第四に、『魔王』千花を頂点とする組織が作られた。


 トップに『魔王』千花。


 その下にかつて中国にて使用されていた三省(さんしょう)制を登用した。


 しかし、細部をコアド地方の特徴に合わせて改良した三省制だが。


 中書省(ちゅうしょしょう)を内政役職として、十個の農村地帯へ小さな内政会館を創設。


 中心街の領主邸宅の付近へと内政大会館を造り、そこで各地の内政会館から送られてきた関連事業を纏める。


 そして、中書省の全権管理人にミリソラシア・ディアスが就任した。


 門下省(もんかしょう)には十個の百人単位の防衛隊を編成した。


 十個の農村地帯の見廻(みまわ)り及び、小さな領主として農村地帯の運営、コアド地方の防衛を主としている。


 隊員には土地ごとに募兵制(ぼへいせい)を起用し、男女問わず百人の隊員を集った。


 隊長には『魔王』派閥のメンバーを任命し、隊員が隊長に勝負を挑み勝利すると交代という実力至上主義のような制度を組み込んだ。


 そして、肝心の十人の門下省付属見廻り組の隊長は──


 一番隊隊長にイルア=クレイドール


 最北端の土地を統治。


 二番隊隊長にハドルド=マキニウス


 最南端の土地を統治。


 三番隊隊長にナーラ=サフル


 最東端の土地を統治。


 四番隊隊長に(らん)=ボク


 最西端の土地を統治。


 五番隊隊長にディオク=シャドリニウス


 北東の土地を統治。


 六番隊隊長にミヴァル=クルード


 南東の土地を統治。


 七番隊隊長にドルモ=リニグア


 南西の土地の統治。


 八番隊隊長にコラドグ=ジードル


 北西の土地を統治。


 九番隊隊長に(あん)=トウ


 北東と中心街の間の土地を統治。


 十番隊隊長に葉山(はやま)英馬(えいま)


 北西と中心街の土地を統治。


 そして、門下省付属見廻り組の全権管理人として栖本千百合が就任した。


 尚書省(しょうしょしょう)は外交関係の役職として、中心街に増設された迎賓館(けいひんかん)を利用することとなった。


 役員は各地方で募集をかけ、集まった者を指導するという形で纏まった。


 全権管理人にハヴィリア=フォン=ギニエルスタ、管理人補佐にベクチャド=フォン=タヴァル、全権管理人兼補佐護衛にエンサリア=フォン=ニシャドが就任した。


 他には特殊な役職として領主副官(ふくかん)を華彩時雨。


 領主専属秘書(けん)副官補佐としてマグマレド=エロハ=ソフィア。


 領主専属騎士隊長としてキャンベラ。


 領主直属殲滅部隊として千時剣聖、多王元主。


 領主専属殲滅部隊の隊長補佐としてネメシア、シャーシス・ディアス。


 そして、最後に――


 コアド地方の名前を変更した。


 その名も“コアド魔王国”と。


 こうした千花たちの努力によってコアド地方は二ヶ月で一気に成長することとなった。







 ❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑❐❑







 領主邸宅──定例会議室


 そこには十七の椅子が大きな円卓を囲むように用意されていた。


 そこに、今やコアド魔王国の大英雄たちが集っていた。


「えっと、じゃあ定例会議を始めまーすっ」


 キラリンッ! と横ピースで会議の始めを宣言した『魔王』千花。


 コアド地方にて飼われていた角魔羊(かくまよう)綿(わた)を使用している試作段階の動物糸(どうぶつし)を織った白いミニスカートと白いブラウス。


 かつて〈イントロウクル世界線〉での戦闘から世界を知った千花は身の心も成長し、ミニスカートから覗く脚は健康的な白に、少しキツめのブラウスにて強調された胸元は女性の階段に足を踏み入れている。


 そして、今から行われることは、領地運営のため各地に散らばっている十人の隊長たちが月に一回集まる定例会議。


 ここではコアド魔王国で起こっている様々な問題について全員で共有し、対策を練る場所。


 住民からは“世界を変える秘密会議”と呼ばれているのだが…………。


「まずイルア一番隊隊長。何か変わったことはあったかしら?」


『魔王』がポンコツだと判断した時雨が、一番隊隊長であるイルアに問題がないかを問う。


 質問を投げた時雨も角魔羊の糸を使ったブルーデニムにネイビーティーシャツ、テーラードジャケットを肩にかける大人のコーデ。


 青を基調とし、時雨のスタイルの良さが強調したコーデとなっている。


「変わったことはねえよ。ただ、隣接してる他の領地がうるせえな」


 答えるイルアも角魔羊の糸を使用したコーデ。


 デニムのショートパンツにて魅惑的な太腿(ふともも)を少し締め付けながら、小さめのストラウスブラウスで大きく膨らんだ胸を見せている。


「それ、ウチの領地もだよ」


「同じくです」


 イルアの言葉に賛同するかのように北東のコラドグや北西のディオクが声を発する。


 コラドグは角魔羊の糸による紫を基礎とした上下のスーツ。


 ディオクは灰色の中国武芸者が着るような長袖長ズボンに首から骸骨(スケルトン)のネックレスをかける奇妙な服装だ。


 コアド魔王国は地球のコンスタンティノープルと瓜二つの地形である。


 方角は中心街のサザワンティノープルを軸として、イルアの統治する最北端に領地が一つのみ。


 南と西には大海が広がり、東には海の水が流れることで出来る河とその奥に山がそびえている。


 さらに、〈聖ドラグシャフ世界線〉は地球のアメリカと同じく連邦(れんぽう)制を採用している。


 連邦制は一つの領地が一つの国と扱う制度。


 〈聖ドラグシャフ世界線〉は【七大選帝侯】による統一国家であるため、【七大選帝侯】だけでは数多くの領地を統治するのは難しい。


 故に、領地を諸侯に任せ王とした上で〈聖ドラグシャフ世界線〉に仕えさせるのだ。


「隣の領地と言えば…………ギュリアンヌ地方ね」


 時雨はコアド魔王国周辺の地理を頭に叩き込んでいるため、一体どこの地域が敵対しているのかをすぐ理解できる。


「恐れながら女神(時雨)様。発言をお許し願えるでしょうか?」


 ナーラは薄い緑色でくるぶしまでのミモレ丈スカートにブラウンの厚めのセーターにて清楚(せいそ)な雰囲気をまとっている。


「……? え、ええ。もちろんよ。待ちなさい、ナーラ。私のことを女神と呼ぶのはやめなさい」


嗚呼(ああ)女神(時雨)様…………なんて素晴らしいお声……! わたくしは幸せ者です」


 キラキラと目を光らせるナーラに時雨が止めに入るが、変態ミニスカシスター(ナーラ)は止まることを知らない。


「大変ね〜〜。時雨ちゃ〜〜ん」


 千百合も角魔羊の糸を使用した服装。


 黒の上下の軍服によって千百合の起伏のある身体をより際立たせている。


「千百合、後で話があるわ。ナーラ、あなたもよ」


 時雨から表情が消え、千百合とナーラの命の灯火が吹き消される“未来”が視えてしまう。


「時雨様、抑えてください。ナーラ様、続きを」


 しかし、場が混乱しかけた時点で千花の隣に立っている付き人(メイド)のソフィアが仕切り直す。


「申し訳ありません。ソフィア様、『魔王』様。お耳に入れて起きたいことがございます。海を挟んだ南の領地も我々と()()()()()()を結びたいと使者を差し向けてきました」


「ふ〜〜ん。北と南ね〜〜。ハヴィリアちゃ〜〜ん、これってヤバイんじゃな〜〜い?」


 ナーラの言葉を聞いて一番初めに反応したのは千百合だ。


 彼女は武力を用いる門下省(もんかしょう)を指揮する立場にあるため、部隊の派遣を任されている。


 だからこそ、敵となるのならばコアド魔王国の民のためにも決断は早くしなければならない。


「そうですわね…………北と南に同時に攻められてしまうと、厳しいのは事実ですわね。それに、周囲の領地が我々と敵対するの可能性も低くありません」


 外交の専門家であるハヴィリアがそう判断したのだ。


 コアド魔王国の恵を巡って、周辺の地域が敵対してしまう、と。


「どうしよっかなー。私は戦いたくないんだけどな。でも……敵になるなら滅ぼさなきゃね」


 そう呑気(のんき)に言いながらも、最後の最後で『魔王』を見せる千花。


「止しなさい、千花。コアド魔王国は他の領地とは絶対に戦わないわ。もし万一(まんいち)、戦ったとしても千花……あなたは前線に出ないで」


「え……? うん。分かった」


 あまりにも時雨の剣幕が鋭かったため、少し口篭りながら答える。


『魔王』として王の資質を見せた千花に対し、時雨は『最終管制者トップ・オブ・オペレーター』として自覚と頭角を現している。


「(ごめんなさい、千花。だけれど、あなたは絶対に戦いには行かせない。もうこれ以上()()()()()()())」


 時雨が千花に対して()()()()()は抱いたことがなかった。


 時雨自身も成長は素晴らしいことだと思っている。


 心の成長も、身体の成長も。


 だが、今の千花にはこれ以上成長して欲しくない。


 何故なら、視てしまったのだ。


 時雨は総合アカデミーの最後の戦闘で、千花が本物の怪物──ギペアとムスペルの二人と戦う姿を。


 その身に宿していた滞在地(エネルギー)量は時雨の常識を一気に覆した。


 黄金に光る炎を刀に纏わせ振るっていた者──ムスペル=ヴレイザーの滞在地(エネルギー)量は今まで時雨が見たことない桁数であった。


 勾玉(まがたま)型の刀を持っていた者──ギペア=サリエン=ドーヴェルの滞在地(エネルギー)量は最早見たくもなかった。


 ムスペル=ヴレイザーの滞在地(エネルギー)量は合計四十九億六千五百万。


 ギペア=サリエン=ドーヴェルの滞在地(エネルギー)は五十億二千万。


 時雨たちの先輩である人類の護り手(ラスト・ワン)の先輩方であってもこの億の単位(レベル)までは達していなかった。


 だと言うのに、先の二人は四十九億や五十億といった異次元の数値を叩き出した。


 時雨が最重要警戒人として確認するのには何の疑問も挟めない。


 しかし、これだけでは時雨が千花に戦闘を禁じる理由にはならない。


 ならば、一体何が時雨の背中を押しているのか。


 それは、億超えの怪物と()()()()の戦闘を描いた()()だ。


 あの時の千花は『魔王』として圧倒的な魔力、“未来を視る眼”、“実態を持つ幻影”、【セイズの魔術】の全てを解放していた。


 正真正銘の本気。


 その千花の滞在地(エネルギー)量は二十五億。


 確かにギペアやムスペルと比べれば(いささ)か見劣りはするだろう。


 しかし、一度考えてみれば『魔王』覚醒以前の千花は十万にも満ちていなかった。


 しかし、『魔王』覚醒以後の初戦闘で二十五億まで跳ね上がったのだ。


 この上からさらに経験値や鍛錬を積み重ねていくと、いずれギペアやムスペルを超える()()()()()()()()()()に変貌してしまうのではないか。


 そんな心配が時雨の不安を駆り立てていた。


「話を戻しましょう。イルア、コラドグ、ディオクの三人は引き続きギュリアンヌ地方を警戒しておいてちょうだい。ナーラは次に使者がコアド魔王国(うち)に送られてきたら連絡を」


「おう! 任せろ!」


「承知です、女神(時雨)様」


 北のギュリアンヌ地方と南の使者の問題は様子見ということで方が着いた。


 そして、次の問題は──


「アンフェアさんとの連絡…………まだ出来ないの?」


 ここ数日、千花たちはアンフェアたち人類の護り手(ラスト・ワン)への近況報告のため連絡をとろうとしたが、繋がらない。


 明らかにアンフェアたちの方で何かがあった。


 それを確かめようにも千花たちは【七大選帝侯】に遠目だが見張られている。


 それに、今はコアド魔王国の発展途上であるため、離れる訳にはいかない。


「アンフェアさん本人にも、彼方(かなた)さんもギールさんも全員繋がらない。一体何が?」


 人類の護り手(ラスト・ワン)の実力は身に染みて分かっている。


 あの巨大な霜の巨人(ヨトゥン)族にも対抗しうる人間の最高峰と呼べる守護者たちである。


 容易に負けるとは思えないが、現在連絡が取れないのも事実。


「心配ですね…………」


 (うつむ)きながらつい(こぼ)してしまう一言。


 ミリソラシアも〈イントロウクル世界線〉を、実の父であるバラゼンを(形は最悪だが)救ってもらえた。


 恩義もあるし、己が人類の護り手(ラスト・ワン)としての責任がある。


「きっと大丈夫だよ。アンフェアさんたちならきっと…………!」


 暗くなってしまう会議室の空気を変えようと、千花が顔を上げて語りかける。


 アンフェアたちなら大丈夫、と。


 根拠のない自信だが、今の千花たちには信じることしか出来ない。


「なあ、今更なんだけどよ…………大将(千花)たちは本当に他の世界線? の守護者なのか? 疑ってるわけじゃねえんだ。ただ…………現実離れしすぎて訳わかんなえっていうか」


 そう言うイルアもコアド地方の発展を開始する前に、しっかりと千花たちのことを聞いた。


 〈アザークラウン世界線〉の守護者であること、キャンベラの問題を解決するために〈聖ドラグシャフ世界線〉に来たこと、全て。


 全て聞いた上で、イルアは千花たちに質問を投げる。


「世界線は実在するよ。みんなが居るこの世界だけじゃないんだよ」


 イルアの座っている方向へ身体を向けて、目を見て語る千花の瞳には嘘を言っている雰囲気は全くない。


 それに、イルアは千花が嘘を付けない性格だということを知っている。


「なあ、大将…………オレはあんたのこと尊敬してるしいつまでも着いていく。だけどよ、大将たちの所属してる人類の護り手(ラスト・ワン)ってチームがどうにも納得いかねえんだよ」


「……? それはどう言うことかしら?」


 イルアが疑問に思っているのは、千花や時雨たちではない。


 人類の護り手(ラスト・ワン)そのものなのだ。


「だってよ、世界線の守護者ってのは〈聖ドラグシャフ世界線(ここ)〉で言うところの善竜騎士団(ぜんりゅうきしだん)だろ?」


「ええ。その通りよ」


「なら、なんで隠す必要があるんだ? そりゃあ大将たちの世界線の経済状況とか世界情勢があるんだろうけどよ…………」


 イルアは守護者ならば守護者らしく世界線の住民の前に姿を表してもよいと思っているのだ。


 だが、それは誰しもが思ったことだ。


 護る民の前に現れない守護者など、守護者ではない。


 それは影から平和を保っているただの英雄(ヒーロー)だ。


 英雄(ヒーロー)守護者(ヒーロー)は違う。


 皆の前に姿を現し護るのが守護者(ヒーロー)であり、英雄(ヒーロー)は人知れず護るものだ。


「それにしても〜〜、イルアちゃんって実は頭良いの〜〜?」


「はあ!? どんな質問だよ!」


「だって〜〜、いつも〜〜「ぶっ飛ばす!」とか脳筋発言してるじゃ〜〜ん。私びっくりしちゃったわ〜〜。イルアちゃんから世界情勢なんて言葉が飛び出るなんて〜〜」


「あんたがオレをどう思ってるかがよく分かったよ!」


 千百合も中々酷い発言をしているのだが、イルア本人も自覚があったようで千百合の発言を否定しない。


 不貞腐(ふてくさ)れたイルアは千百合から顔を逸らし心の拠り所である千花を見つめる。


 その瞳の色は友達を見る目ではない。


 この違いに一瞬で気付いた変態二名(時雨とミア)


 バッ! とイルアを睨みつける変態二名(時雨とミア)の奇行を暖かい目で見る『死神』。


 この水面下での攻防に全く気付かない『魔王』。


「よしっ。みんな今日はありがとう。みんなの考えてること知れてよかったよっ!」


 そして、定例会議は『魔王』千花の言葉によって締め括られた。

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