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15.

定期試験も終了したので、大学はしばらく春休みに入る。二月の上旬は入試期間なので、教職員以外構内立入禁止となり、図書館も部室も使用できない。

太一は帰省することにした。母には昨晩電話をして、帰ることを告げた。普段、母に電話をすることはほとんどない。電話をかけるときは、帰省か金の無心くらいだ。本当はもっと電話をしてあげればいいのだろう。だが、特に用事もないのに、電話をしたところで話すこともない。声を聞かせるだけでもいいのかもしれないが、二の足を踏んでしまう。そうして無沙汰は無事の便りなのだと、自分に言い聞かせている。

電車を乗り継いで、実家に辿りついた。夏休み以来の帰省だ。マンションのエントランスで部屋番号を入力する。母の嬉々とした声と同時に入口が開錠される。エレベーターに乗り込み最上階までいく。玄関の呼び鈴を押す前に、母が扉を開ける。

「太一おかえり」

 母とは半年前に会っているが、もっと長い間、顔を見ていないような気がしてくる。父と離婚してから、 母は働かずに悠々自適に過ごしている。母子家庭ということで周りから、お金に苦労しているように見られるが、実際は違った。



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