玲司の悪巧み
尾張と三河の合戦から数週間がたった。学校では、後2日で夏休みと浮かれる奴らも出てきた時俺の所に豊嶋が来た。
「なぁ玲司」
「何だよ」
「俺さあの1件から反省して自分なりに考えてギルドを作ったんだ。」
「それで」
「商人ギルドとして三石連合の傘下に入れないか…」
豊嶋は、そう俺に真面目な顔で言ってきた。今までの豊嶋と何か感じだったので神谷さんに相談する事を決めた。
そして翌日神谷さんに相談した事を全て豊嶋に話し三石連合の本部に連れて言った。
「久しぶりだね」
「お久しぶりです。あの時は、すみませんでした。」
「で本当に三石連合の傘下で商人ギルドとしてやって行きたいのか?」
「はい」
「だが悪いが三石連合には、傘下として入れてやるわけには、いかない。」
「そんな…」
「だがもし全知会の傘下として入るのなら間接的に三石連合の傘下として商人ギルドができるよ」
と神谷さんが豊嶋にいった。
「良いんですか。」
「あぁ玲司君とは、昨日話している。なっ玲司君」
「はい」
そんな会話を聞き豊嶋が口を開いた。
「ありがとう。ありがとう。あんな事をした俺を傘下に入れてくれて」とお礼をしてきた。
そしてその日のうちに全知会の傘下として豊嶋の商人ギルド【豊嶋商会】が傘下に入った。
豊嶋商会は、総勢40人のメンバーで構成されており、行商や屋台を主としているが鍛冶屋等もやっているらしい。そのメンバーは、全員学校のメンバーで元取り巻き以外にも商人としてやっていきたい奴らが集まったらしい。これから大きくなっていく事を期待したいと思っている。
そしてこの事は、全知会メンバー全員にもすぐに報告された。
弥生達は、大丈夫か?と心配していたが会計の美咲は、これでまた収入が増えると喜んでいた。
そんな事をしていると夏休みに入ってしまった。
ある日玲司がニヤニヤしながらあの合戦で手に入れたアイテムを整理していた。
「屋敷も改築したしアイテムやスキルも手に入ったし良いことずくめだな。」と独り言をつぶやいた。
玲司は、あの合戦でスキルが4つも増え全知士は、進化して【全能士】となっていた。
【全能士】
ランクARS
この世界の能力を知り尽くしランク3までの攻撃スキル以外を使用できる。
何もかも合戦で強くなれた玲司は、悪巧みを企てた。合戦で得たスキル【無音】(ランク4)とこれまた合戦で手に入れたアイテム【マジックマント】を使いお風呂の隅に潜んでいた。すると
「玲司~どこ~」
弥生がモンスター討伐の依頼から帰って来たのか玲司を探す声が聞こえた。
「いないのかな~?まぁみんなお風呂入ろうよ!」
そうこれが玲司の悪巧み覗きだ。このために玲司は、今日の依頼を女性陣だけで固めたのだった。
そんな事もつゆ知らず弥生達は、お風呂に入ってきた。
「ガラガラガラ」
玲司は、ニヤニヤしてみんなが入ってくるのを見ていると顔が青くなった。姉がいたのである。
「(ヤバい!何で姉貴が!…)」
「わー広いわね!」
「ですよね!薫さん!合戦の後玲司が拠点を改造するとか言って物凄い豪華に屋敷を建て直してくれて男女別のお風呂とか私達の意見も聞いてくれたんですよ!」
「そうなの?」
「そうなんですのよ。玲司さんはほんとに良きギルド長ですわ」
そんな話しをしている女性陣のお風呂を覗きしたなんて事がバレたら殺されると玲司は、悟り逃げようと考えた。
「(みんな色々と成長してるんだな~っとそんな事考えてる暇なんてない!)」
「そーとそーと」
玲司が女性陣の後ろをゆっくりと通ろうとすると
「薫さん!シャンプー取ってください!」
弥生が玲司の目の前に手を伸ばした。
「(うわぁ!!あぶねぇ!)」
「ガタンッ」
「何?!」
「桶が動いた!」
玲司は、誰が置いた桶を蹴ってしまったのだ。
「誰かいるの?!」
女性陣が体にタオルを巻いて立ち上がる。
「弥生ちゃんスキル使って!」
「はい!」
弥生がスキルを使ったのか弥生の顔が一気に赤くなった。
「弥生ちゃんいた?」
「いっいました…誰かドアの前に立って!」
弥生が物凄く怖い声でみんなに指示した。
「今出てくるなら少しの罰で許してあげるわよ」
「(どうしよう…詰んだ…いやまだだ!あのスキルを使えば!)」
玲司は、バレたらヤバいと考える内にあるスキル存在を思いだした。
「(転移ギルド長室!)」
その瞬間玲司は、ギルド長室に転移した。
「なっ!………ここから居なくなった…」
「は?!」
「まぁ一応お風呂はいろ!」
「えぇ…」
その後弥生達は、お風呂に入り討伐依頼の汚れを落とした。
「危なかった~」
その頃玲司は、もう安心と心を落ち着かせた。
「いや~転移って便利だな~」
【転移】
スキルランク5
1度行った場所にならどこにでも転移できる。
そして玲司は、完璧にバレてないと考え余裕でギルド長室で寝た。
「玲司!起きなさい!」
弥生が玲司を起こした。
「ん~何~うぉっ」
玲司が起きると玲司の周りを女性陣が囲んでいた。
「玲司~私達に何か言うことない?」
「なっ何の事」
しらばっくれる玲司に薫言う
「ネタは、上がってるのよ今なら母さん達には、言わないわよ。少し私達のお願い聞くだけでね」
「いやほんとに何の事やらさっぱりで…」
「ねぇ玲司さ私のスキル忘れたの?」
「領域だろ?知ってるよ」
「私の領域ね少し進化して距離が半径100mまで見れるようになったのよ」
「えっ?」
「あんたここなら大丈夫とか思ったんでしょ。でも詰めが甘いのよあそこ濡れてるし…」
「ゲッ!」
「もう一度言うわよ今なら少しのお願いですむのよ。どうする?」
「やりました。(ボソッ」
「え?聞こえない」
「俺が覗きをしました!」
「よろしい。何でやったのよ」
「魔が差しました。」
「それで?」
「女性陣を討伐依頼でお風呂に誘導して覗こうと思ったら姉貴がいて…」
「逃げようとして失敗したと?」
「はい。」
「馬鹿ね~」
そして覗きがすぐにバレてしまった玲司は、その後女性陣にケーキや服や装飾品等を買わされたとさ。




