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夜明けの月  作者: びるす
シュペッツ王国
82/89

第一節:セリアの悩み

「連絡では聞いていたが、いまだに信じられんな」


 俺がまとめた書類をめくりながら、セリアがつぶやく。

彼女が信じられないというのは、もちろん迷わずの森の一件についてだ。

たしかに彼女の言葉どおり、一度あそこを尋ねてみないと信じられないかもしれない。

 ちなみに今はあの一件から10日ほど経っている。

 情報を伝えるには遅いと思うかもしれないが、書類にまとめ、なおかつそれを王都まで届けるとなるとこれ以上の短縮は無理であった。

 そしてようやくまとまった報告書の提出をしているのが今というわけだ。

 玉座に座るセリアは、書類を脇へと置き視線をこちらへと向けた。


「報告を見る限り信じられんというのが結論だが、従姉のジェシーもいる庸兵団じゃ。わらわに嘘の報告をするとも思えんし、ここに書かれていること、事前にリンカで報告したことに嘘はないということだな?」


「嘘などありませんわ。実際に行ってみればわかりますわよ」


 質問にはジェシーが答えた。

言葉は少しきつめだ。

どうやら疑われたのが癇に障ったらしい。

 セリアもそれを察してかそれ以上の疑いの言葉を出すことは無かった。


「うむ、確かにそうじゃな。後でわらわもクレアという魔女に会いに行くとしよう」


「そいつはいい。知り合いが増えるとあいつは喜ぶはず出しな」


「も、森に行く時には騎士だけでなく、警備隊として僕たちも連れて行ってください! 一度行っているので役に立つはずです!」


 珍しく声のボリュームを上げて主張するリット。

城に入る時はハンスまでとは言わないまでも緊張していたのに、セリアを前にしてこう声を出せるとは……。

 恋は女を強くし、男を弱くするとどこかで聞いたことがあるが、どうやらその話は当てにならないようだ。

 一報、急な主張に軽く面食らったセリアだが、すぐに驚きは顔から消え、なにやら含んだ笑みを一度こちらに向ける。

俺はその笑みに対してリットに気づかれないように、声を出さず『ちょっとな』と口を動かし返してやった。

すると、セリアの笑みが少し増した。

 うちの傭兵団の色恋沙汰などわからないだろうが、リットの思わぬ発言になにかあるなと感づかれたようだ。


「考えておこう。さてと、そなたたちには褒美が必要じゃな」


「褒美!」


 おもしろいことは後に取っておこうと思ったのだろう。

リットの件についてはさしてつっ込まず、次の話題へと移った。

 すると今度はエマが食いついた。

俺も金銭は嫌いではないが、うちの団長さんはどうやら非常に愛しているようだ。


「うむ、建国以来不明だったあの迷わずの森の謎を解いたのだ。褒美を与えるには十分じゃ」


「それでどんな! どんなの!?」


「そうじゃな~。それじゃわらわ直属の騎士部隊とならんか?」


 身を乗り出して聞いたのに肩透かしを食らったようで、後からでもその落胆の色は見て取れた。

 金銭に関する褒美とばかり思っていたため、怒って『ならない』と即答するかもと思ったが、それをしないところを見ると、一応セリアに対して姫様と言う認識はちゃんとあるらしい。

 とりあえず、下手な失態こんなところで演じなくて良かった。

安堵のため息が出る。

 しかし、それ以降誰からも声が出ない。

 微妙な空気が流れ出す。

視線をもう一度エマへ向けてみるとまだ落ち込んでいた。

どうやら落胆が強すぎて、次の言葉が出てこないようだ。

 このままでは即答よりまずい失態になる。

そう思った俺は、先ほどのセリアの質問に対し、返答するのだった。


「き、騎士って、俺が一回断らなかったか?」


「あの時はただの騎士じゃ。今回はそれとはまた違う。わらわ直属のというものじゃ」


「?? どんな違いがあるんだ?」


「まず、給金が違う。だいたい1人頭月50ガルンは固いぞ。さらにボーナスもつく」


「ほほぅそれでそれで」


 先ほどまで落ち込んでいたはずなのに、金の話が出てくると活気が戻り、興味心身とばかり身を乗り出す。

現金過ぎる……。

しかも身を乗り出すだけでなく、いつのまにかメガネをかけ、それをクイクイっと動かしてはメモを取るような作業までしていた。


「ふふ、アキラ。団長殿は乗り気のようだぞ」


「あぁビックリだ。俺が隠れて買ったメガネをつけて、メモ用紙を取っているんだからな。たくまだ誰にも買ったこと教えてなかったのに……」


 いやでも目に付くエマを見据えると、にやりと口元を動かしてはこちらへとゆっくりと視線を移す。

 そんなセリアに軽く言葉を返した後、当てつけの様にぶつぶつとエマに文句を垂れる。すると、文句の途中でエマがこちらをギロリと睨む。


「黙りなさい! それより王女様。騎士団になるとほかに特典は~」


 一言発した後の切り替えは見事で、鬼の形相から天使と見間違うばかりの笑顔に。

顔の作り自体変わったのではないかと思わせるほどだ。

ちなみに鬼の形相で睨まれた俺は、すごすごと言葉どおり黙ることとなった。


「うむ、ほかにとなるとここに在住してもらうために、一軒家が与えられる。さらに休みは週3日、冠婚葬祭については有給となる」


「おぉ!」


「さらに公共施設の利用は無料。武器防具などは必要に応じて支給される」


「「おぉ!」」


「もっと言えば老後や怪我での引退時、勤めた年数に応じてそれ相応の額を一括で支給した後、毎月10ガルンずつ支給される」


「「「おぉ!」」」


 給金についての話が出た上、特別待遇についての説明がなされる。

この話にはエマだけでなく、リットやリオも少しずつ身を乗り出していった。

 エマに黙らせられた俺も、あまりの好条件に少しずつ心を動かされてはいた。


「どうじゃ? 騎士団にならんか?」


「なります! なります! ならせてください!」


 小学生が授業参観中親にいいところを見せようと元気よく手を上げる。

まるでそんな風に勢い良くエマは手を上げた。

 いつもながら決めるのが早い。


「おっおい! そんな簡単に決めていいのか!?」


「何行ってんのよ!? 聞いてなかったのあの特典! 確かに傭兵団もおもしろいけどリスクが高すぎるわ。それに比べて騎士団。肩書きもある上高収入いうこと無しでしょ?」


「だ、だけど……」


 あまりに即決だったため、止めの言葉を発したがエマの言うことはもっともだ。

傭兵のリスクについては言うまでも無い。

すでに俺は何度か死に掛けている。

 ただすぐに騎士にと言うのは気が引けてしまう。

なにせ騎士にはゼルバのおっさんがいるのだ。

騎士になったら絶対いびられる。

 なんやかんやと仲間内で盛り上がっていると、1人静かだったジェシーが口を開いた。


「…………セリア、良いことだけ言い過ぎではなくて?」


「嘘は言ってはいないつもりだが?」


「えぇたしかに嘘は言っていませんが、リスクのほうが抜けていますわ」


 その言葉に全員が動きを止めた。

確かにあまりにもおいしすぎる内容だ。

よく考えればリスクが無いほうがおかしい。

 ジェシーの言葉の返答を待つべく、俺達の視線はセリアに注がれた。


「ふ~さすがにわらわの従姉殿といったところか。しかたない。話そう。この騎士職につくにはもちろん犯罪はご法度じゃ。例を挙げるなら恐喝、強盗、窃盗などはもちろんのこと賭博、やそれに順ずる行為も取り締まりの対象じゃ。さらに上司からの命令は絶対でありそれに背いた場合も罰則の対象となる。まだ他にもあるにはあるが主に騎士団を抜ける原因となるのはこの2つかのう」


 言いたくは無かったんだがな。

そんな素振りを見せながらため息を1つ。

そんなセリアから発せられた言葉は、俺達の表情を徐々に曇らせていった。


「……あ、あの王女様、も、もし、もしもの話よ。私たちが賭博でお金を儲けていた、とかあった場合はどうなるのかな~?」


「騎士になる際にはそれらを行ったことが無いと誓約書を書く必要がある。つまり誓約書を書いた上でそのようなことが発覚した場合は、偽証罪がとられ騎士の位を剥奪。さらに罰則金と地下牢行きは逃れられん」


 血の引く音が聞えた気がした。

もちろん俺だけではなく質問を繰り出したエマやリットからも。

 エマはこちらに向き直ると、少し青ざめた顔に苦笑いを浮かべる。

そんな彼女の口から出た言葉は、皆の意見を1つにするものだった


「……そ、そういえば~傭兵団になってまだ1年も経ってないのよね。私達ってそんな私達が騎士団とかになるのはまだ早いと私は思うんだけど、み、みんなはどうかな~?」


「ぼ、僕もは、はやいかな~なんて思いますよ。ほ、ほらアキラさんも反対していたみたいですし」


「そ、そうだな。ま、まずはもっと俺らの能力を高めて騎士団に恥じぬようになってからだな」


「私はみんなの意見を尊重します」


 全員の意見が一致した。

その様子を見ていたジェシーは、やっぱりといった感じの表情をすると、一人平然とセリアに答えるのだった。


「だ、そうですわよセリア」


「うむ。残念でならんな。まぁ小事の一つや二つは何とかしてやらんことも無いのにのう」


「え!」


 含みを込めた言い回しと視線。

そしてその含みを感じ取っているはずなのに自ら飛び込もうとするエマ。

 お願いだからもう少しよく考えて欲しいものだ。


「もっともその場合はそこの副団長を差し出してもらうことになるがな」


「どうぞどうぞ」


「おい!」


「だめですわ!」


 案の定、考えることなく即決。

もしかしたら考えた上で、犠牲が俺ならば問題ないと踏んだのかもしれない。

 ある意味期待されているのかもしれないが、ここで首を縦に振るわけにもいかない。

笑顔で俺を差し出したエマに対して、きつい視線と反論はぶつけた。

 エマにぶつけられた反論の声は2つ。

1つはもちろん俺だが、もう1つはジェシーのもので、彼女の気遣いが胸を打つ。

 そんな俺達の反論を受けたエマは、悪びれも無く舌を出して笑っていた。

冗談半分で言ったようだが、自分が売られる立場なので勘弁願いたい。


「そうか、それは残念だ」


「たく……人で遊ぶな」


 残念といって置きながらも、くつくつと笑っているセリアに吠える。

こちらも冗談半分でいったのは間違いなさそうだ。


「怒るな、怒るな。わらわもたまには息抜きをせんと腐ってしまう。それにしても本当に残念じゃな」


「なにかあったのですの?」


 語尾に影を残す言い回し。

いつもとは違うその言い回しが少し引っかかる。

 エマやリオなどセリアにあったことの無い彼女たちには気づきようは無かったが、一番セリアと付き合いの長いジェシーはその違いを感じ取ったようだ。


「すこしな。信用のおける者をもう少しそろえて置きたかっただけじゃ」


「どういうことだ?」


「まぁ黙っていてもシリウスト家に通じているのだ。お主達にもどうせ伝わってしまうか……ならば今のうちに話しておいても問題はあるまい。わらわはこれから隣国、ルクロイヤルへと行かねばならんのだ」


「ルクロイヤルですって!?」


 ジェシーの声が城に響く。

その驚きようは体全体で表されており、表情もやけに厳しくなっていた。

 世界情勢にというかこの世界の常識に疎い俺にとって、ジェシーの急変や急に出された国名に何の意味があるのか分からない。

 そんな俺は自然と疑問の言葉が口から漏れていた。


「な、何かそれがまずいのか?」


「まずいも何も戦争こそ起こしてはいませんが、ルクロイヤルはここシュペッツとは敵対関係にありますわ」


「そう、その敵対関係にある忌々しいルクロイヤルにわらわは行かねばならん」


 セリアは組んでいた足を組みなおし、表情を少し引き締めた。

また周りにいた兵に対しては、下がってよいと言う指示を出し部屋から追い出す。

 なにやらこれから話すネタはやばい様だ。

そう誰もが感じ取ったのだが、やはり聞かずに帰るわけには行かない様で、好奇心に負けたエマが口を開いた。


「……どういう経緯なんですか? 王女様」


「ルクロワイヤルとシュペッツのちょうど中心にある土地の資源についての話し合いをあちらさんが持ちかけてきたのなのじゃ、まぁ実際その土地に関しては何回かルクロワイヤルと諍いに発展しているので、いつかはけりをつけなければならない問題ではあった。だが、そこまで急を要するものではない。その土地に住む住民の意見もあるからのう。だがそんなことはお構いなしにと先だってルクロワイヤルからその土地に関しての話し合いの場を設けたのでこちらに来て欲しいとの使者がきた」


 そう言ってまた組んでいた足を組みなおす。

そして指先でとんとんと玉座を軽く叩いて見せた。


「なるほど。だいたい読めてはきたな」


「えぇそうですわね」


「どういうことですか?」


 俺達のうなずきに疑問が浮かんだのはリットであった。

意外に黒い一面もあるのだが、こういう読みに関してはまだまだのようだ。


「リットお前は気づかないか?」


「なにがです?」


「今ここにもっとも無くてはならないものはなんだ?」


「今ですか? えっと……あっ!」


 リットの視線が部屋をぐるりと見渡した。

最初は見当違いもいい所の置物などに目がいっていたが、最後にはセリアが座る玉座に目がいったようで、発見を表す声が漏れた。


「そういうこと。今このシュペッツは王様が不在だ」


「そのとおりじゃ。王が不在とあってあちらはこの機をのがす手は無いと踏んだのじゃろう」


「王女様、ダメで元々聞くけどやっぱり断れないわけ?」


「あぁ、ご丁寧に刻限を決め、さらにその日時に現れなければ土地の所有権を我が国に譲渡したとみなすと言う書状付じゃ」


 セリアが続けざまに放った言葉には忌々しいといった感情が聞き取れた。

心なしか表情も先ほどより厳しい。


「かなり強引だな。もちろんそれに対してのお怒りの返答は出したんだろう?」


「当然。だが書状を届けているはずの特使がついこの間遺体で見つかった」


 場が少し凍りつく。

言い放ったセリアの表情は、より厳しくなりさらに怒りが含まれているように感じ取れた。


「……なるほどな。確かに護衛の増強をしたくなる」


「それで刻限はいつまでですの?」


「今からちょうど2週間後じゃ」


「な~んだ結構余裕があるじゃない」


「団長そんなことない。ここからルクロワイヤルまでは馬車を使っても1週間はかかる。妨害も視野に入れるとギリギリ」


 隣の国と聞いていたため、すぐにつくと思ったのだろう。

エマは何を心配するのと言う表情に変わる。

しかし、そんなエマに待ったをかけるリオ。

 彼女は腰の後ろについているポシェットから折りたたまれた地図を取り出し指し示した。

リオが指差すルートは思っていたよりは距離は無いものの、山岳部を抜けるルートであり勾配が激しそうだ。

 他の道はと思って地図を覗き見てみたが、他のルートは2週間で着くにはまず無理な距離であった。


「え、そんなにかかるの!?」


 予想を超えた道のりに驚きをあらわにすると、エマはう~むと唸る。

時間があるのだから何とかなるだろうと踏んでいたようだが、予定が狂い今後について悩んでいるようだ。

 俺は悩むエマに、これからについての考えをまかせると、俺達に出来ることと出来ないことをはっきりさせるために、セリアへと質問をぶつけてみた。


「セリア、傭兵団として俺達を連れて行くことは出来ないのか? まぁ出来ないからさっきの提案をしたのかもしれないけど」


「残念だが。騎士以上の位が無ければ、護衛として連れてはいけん。国の面子もそうだが、ルクロワイヤルでの入場規制のせいでな」


 まったく気に食わん。

最後にそう一言付け加えため息をつく。


「…………位が高ければおいそれと手を出せない。戦争を避けるための処置って訳か。表向きは」


「そう表向きはな。本来の目的はこちらの意見をつぶすこと。騎士より上の位の者は殆どが豪商か貴族の血を引いている。もしこちらが強気に出て私を含め、そんな奴らが人質として取られたら、まず相手には逆らえんそうならん為に、信用の置け、腕が良く人質の対象にならないような者たちが必要だったのだが」


 そういってこちらを見てはまたため息をついた。

それはそうだ。

多少なりに期待していた人物たちが、使えなくなってしまったのだから。

 そうなると、後は相手の思惑通り豪商や貴族の血を引く騎士達を連れて人質になりに行くしかない。

もちろんそうなれば交渉などあってないようなもの。

 下手をすればこちらの領土の少しを持っていかれるかもしれない。


「わるいな力に慣れそうに無くて」


「気には病むな。もともとはわらわの仕事じゃ。……ふ~どこかにいないものかのう。腕が立ちそれでいて信用におけるものは」


「なかなかいないだろうな。自分で言うのもなんだがなんだかんだで、この辺りでは俺達は上位の傭兵団だしな。俺達よりも上となると現世の騎士ぐらいだろうし、同じぐらいの傭兵団については信用って点が欠けるな」


「そうじゃな」


 セリアの一言には少し力が無い。

まだ幼い彼女の肩に重責が圧し掛かっていると思うと、何とかしてやりたくなる。

 だれかいないのか?

俺は自問自答を繰り返した。

 ギルバーンで戦ったティーラやガバンはどうだろうか?

強さはたぶん問題ない。

短い期間ではあったが、背中を任せるぐらい信用における。

 彼らならいいのではないかと思ったが、彼らの居場所がわからない。

仮にわかったとしても遠すぎては、期間に間に合わない。

 こんな時にクレアの魔術カードがあればいいのだが、無いものをねだっても仕方が無い。

色々な人物が浮かんでは候補から消える。

それの繰り返しをしてい少し経った頃、ある1人の人物が浮かび上がった。


「…………なぁセリア」


「なんじゃ?」


「傭兵じゃなきゃだめか?」


「どういうことじゃ?」


「ちょっと思い出したんだけど、俺よりも強くて信用に置けそうな奴を1人知ってるんだが、そいつじゃダメかな~と思って」


 あいつならば問題ない。

そう思った人物は間違いなく俺よりも強い。

そのことを口にして話すと、セリアよりもまずメンバーの全員が食いついた。


「えぇどういうことです!?」


「アキラより強いですって!?」


「何々それ!? 私も興味ある~」


「同意」


「とりあえず後で話すから。でどうなのかな?」


 詰め寄ってきた彼等をなだめ、セリアへと再度視線を向ける。


「おもしろそうじゃな。とりあえず話を聞こう」


 そう言って笑みを浮かべたセリアに俺はある人物のことを話し始めたのだった。


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