始動
「この計画に参加する……」
「私もギルマスの鼻を信じましょう。参加させていただきます」
男二人が参加すると声をあげる。一人はどこかで見覚えのある中国服に腰に剣差した目付きの悪い男。もう一人は、ポケットの多い羽織ものに、腰の左右、後ろに魔法鞄下げ、眼鏡をかけた優しそうな男。その二人が静かな中で賛同し参加すると答えた。ギムレントはにやりと笑う。
「俺も……ギルマスにウォレンさんが……いいんでしたら」
「私たちも若とプーシの旦那が乗るなら俺らも」
「それにやりたかったのはこの町変えることだったしな」
「俺らはあの王手ギルドを出し抜くことだし、いい機会だでしょ?若!」
「俺らも負けてられねえな。ジーフェン」
「ああ、そうだな」
二人の声で潮目が変わる。賛同の声が上がり騒がしくなれば、黙っていた二人のギルマスほっと胸を撫で下ろす。ギムレントは盛り上がったホールの様子に満足そうで手に持つ杖力強く壇に突き音を打ち鳴らす。その音に騒ぎが止まって音をならしたギムレントに視線が向く。
「では……これより三ギルドよる作戦を開始する。ここからは担当班の説明をします。ではお願いします。アーニャさん」
「はい、えっと」
騒がしくなる前に新たに出来たこの形に、次の話へとアーニャに、交代する。アーニャが一歩前に出て、いつもの笑顔を見せて説明を始める。引っ張り出された黒板の固定をはずすと反転して裏面が現れる。可愛らしい縁取りやキャラクターが書かれてて、幾人かそれに目がいく。そんな可愛らしいなかに色違いの白墨で書き分けられた担当ごと説明に、合わせて話を進めていく。
「今回の作戦、計画はギムレントさんの言いました通り、食事の販売です。なのでいくつか班に分けて進めていきたいと思います。まず食材調達は狩猟班と仕入れ班に別れてもらいます。狩猟班はこの世界の戦闘に慣れた方中心で編成します。仕入れ班は大地人との交渉が必要ですのでそういったスキルのある方でまとめます。販売は店舗設営なども含むので、販売班と設営班の二つ。販売班は売り子をしてもらうので愛想のいい子とクレームや問題対応の出来る方がいいですね。設営班はそのまま店舗の設営、屋台の作るですかね撤去も設営も簡単のもの。設営する数は4店舗と考えてますお願いします。次が一番大事な調理班ですね。調理はスキルがあるものしか出来ないのでこれは調理スキルある方は必然的にお願いします。それではこれから別れてもらいますね」
簡単に班の説明をして、いつものアーニャの笑顔を見せて班分けを始める。先にギルドごとにスキルや能力事の表を作ってありそれ手に、元にし名前を読み上げて分けていく。人員数多いべレスタが割合多いが、仕入れ班、販売、設営班、調理班に氷上の妖精、カムイワッカの男性陣は狩猟班、女性陣は販売班と別れた。
「うんじゃあ、あと頼んだよ。シュトロボフ。狩猟班はガランかアーニャさんに、仕入れ、販売、設営は君にあ、調理班はバコフさんに預けて」
「わかりました……って俺ほとんどじゃないですか!?……ギムレントさんは?」
「ほら、掃除の用意もしないと」
シュトロボフに言葉を残して、ギムレントは一人ホールを出ようとする。すべて丸投げされたシュトロボフは流石にツッコミをギムレントいれ、改めて何をしに行くのか訪ねた。答えは掃除の用意と言いニヤリと口元つり上げた。
「また悪い顔ですね。仕方ないですね……引き受けますよ」
「よろしく……」
ギムレントはシュトロボフ一人に見送られ、ホールを出ていく。一人ギルド会館の廊下をゆっくりと歩みを進めて
根拠のない自信と可能性。自分だけのシナリオ。ほんのちょっとの希望。
彼はそんな無理だけでやって来たからこの状況も彼の中なら勝率がよく、書けたのだろうな。




