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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
1~極北(シベリア)の異邦人~INセルデシア
9/94

ギムレント先生の戦闘実習~カマルクサの森編~

「うんじゃあ、俺らが先行して行くから……俺らがやばくなったら助けてくれや」

「了解です」

「はい、了解です」

「了解しました……」

森の中へ入り、新雪を踏みしめる。森の空気は冷たく静かな場所。ギムレントは振り返り指示を出す。大地パーティーの面々は返事をして歩みを弛めて、ギムレントのアコニトパーティーには、号令かけて森の奥へ進んでいく。森はまだだれも踏み入れてないのか新雪がつもりそれを踏みしめて進んでいく。

「よし、こっちは奥へ進むぞガラン先頭頼むよ。アコニトと葵はあまり前に出ないでね」

「了解っす」

「はい!!」

「はーい!」

ガランは長剣を手に取り、盾を装備する。アコニトは杖を両手で握りしめ、葵は弓を手に取り矢を一つ抜き取りいつでも番えれるよう用意する。ギムレントは用意する皆の様子を確認しつつ、メニュー画面を開き、スキルメニューを確認していた。正直スキル毎回選択する時わ使用する時に、この操作をするのかと思うと手間だと気持ちが表れ目付きが悪くなる。

「ちょいまち……」

ガウルルルル

「ウルフ……数5……」

「っ……よし、ガランは盾……葵は支援、アコニトちゃんは回復役頼むよ」

「OK」

「はいはい」

「ひゃ、ひゃい……」

ガランの声で歩みを止める。目の前にウルフの小規模な群れが唸りをあげて体勢低く構えていた。睨み合う形のなか、ギムレントの指示で隊の形が変わる。アコニトを中心に、ガランが最前、アコニトの後方に弓を構える葵。アコニトのとなりにギムレントという形になる。変わらぬ風で返事する二人に対照的にアコニトは緊張からか声が裏返った抜けた返事になってしまう。

「まあ、落ち着いて……まずは基本的な陣形でも覚えておこうか。一番前は攻撃を引き付ける前衛職。ガランの守護戦士ガーディアンやモンク、大地の武士サムライ、ロシアサーバーだとサムライの変わりにコサックってのが役を担うな。彼らがいないと後衛や回復職に攻撃が向けられるからパーティには必ずほしいところ」

「わ、わかりました」

「じゃあ、景気づけに特技でも……ってこれどう操作するんだよ!!うわっ!!ちょっ、ちっ……このっ」

ギムレントがアコニトに前衛職のことを説明しつつより距離を取る。その逆にガランはウルフの群れにじりじりと近づく。ウルフの群れはより体勢を低くし、足に力を溜めて今にも飛びかかりそうである。そんななかガランは間合いを積まるとかっこいいところを見せようと特技を使用しようとやってみる。宙を触れず目の動きと念じるようにしてように表示されるメニューを操作しようとしたが前が見えなくなったり、探すのに時間がかかったりと、目の前のウルフから注意がそれてしまう。そんなガランをウルフは見逃すことはなく相手のことお構い無しに飛び上がってガランに食らいつき、容赦ない波状攻撃へと移る。攻撃も防御も、行動がうまくいかないことに、ガランは苦笑う。

「っこうなったら、つぎに大事なのが回復役、終始全体の体力を確認してやられないようにするのが仕事。パーティの命を預かる大事な仕事です。君のロシア限定職のヴォルフヴィや施療神官クレリック、日本だと君の職業に当たる森呪遣い(ドルイド)や神祇官カンナギの仕事だな。で、ガランが危ないか〔ヒール〕を頼みます」

「はい!えっと……あった!!〔ヒール〕!!」

ギムレントも苦虫を噛んだような渋い顔をしたいところだが、アコニトを不安にさせるわけにはいかない。こんな戦闘ではなれるどころか全滅しかねない。それは避けたいと思いながら、平静、冷静を装いギムレントは回復役の説明へと続けた。アコニトは真剣に聞き、大きく頷くと、指示通りに回復呪文〔ヒール〕メニュー表示、特技一覧表示と操作してやっと〔ヒール〕を使用した。このテンポの悪さに、ギムレントは目を細める。だが我々ですら満足に使えないのに、初心者に急かしてたところで意味があるわけない。何とも言えぬ状況にニヤリと笑う。

「サンキュー、アニコトちゃん」

アニコトの〔ヒール〕に礼を言いつつ特技を諦めて長剣を振るうガラン。飛び回るように移動するウルフに攻撃はうまく当たらず、擦るか当たっても深く斬れない。見てて歯痒く、ギムレント自身も加勢するため同じようにメニューから操作しはじめる。

その間も、ガランは壁役として、また少しでもダメージを与えようと剣を振るい続けた。だがやはり、剣撃は狙えど当たらず、闇雲にふれば擦りもしない。

「けどっ、っち……やりづれえ……」

「はぁ、これじゃあアコちゃんにいいとこ見せれないな」

本音を漏らしつつ飛び回るウルフに苛立ちを見せるガラン。ギムレントと同じく、葵もまたこのうまく戦えぬ状況に不味いと思い弓に矢を番えて引き絞る。操作を続けながら、ギムレントは続きの役割説明を始めた。

「では次の役割……攻撃役。まあこれは正直誰でもいいと言っていいんですが……基本この役割は魔法攻撃職や武器攻撃職でしょうね。魔法攻撃は俺のような召喚術師サモナーや妖術師ソーサラー、一様付与術師エンチャンターもですね。武器攻撃は盗剣士スワッシュバックラーや暗殺者アサシン、吟遊詩人バードもですね。そして彼らがモンスターや敵を攻撃し排除していく係です」

「わ、私とかは無理なんですか?」

「そんなことはありませんよ。基本は彼らのような職業がやると言うだけ。アコニトの魔法にも攻撃魔法はありますからねやろうと思えばできます。では一つ、俺の召喚獣で……」

「ちょっ!?きゃっ!!」

「ん!?なっ、アイス……トレント!?」

「葵さん!!ギムレントさん!!」

「おいおい……ちっ」

アコニトの質問に答えつつやっとメニューから召喚獣を呼ぼうとしたとき、葵の短い悲鳴が上がる。振り返る間もなくギムレントは何者かに締め上げられる。見れば雪と氷に覆われた薄い水色の樹木の魔物・アイストレントが、ギムレントを葉のない枝と蔓で掴み上げ締め付けていた。葵もまたアイストレントになぎ払われて飛ばされていた。アイストレントとウルフ。ウルフに手一杯のガランには舌打ちして加勢したくてもできず、アコニトもどうしていいか分からず動けない。ギムレントを捕まえたアイストレントはギリギリと締め上げ、締め上げられていくうち体が軋むように音を立て、体力ケージが下がり、ギムレントは呼吸が出来ず苦しくなる。馴れると言ったはずがこいつら程度に本当に全滅しかねない。

「〔烈風斬り〕」

グゴオ!?……

「あ、大地さん……」

「あ?ごほっごふっ……な、なんだ……」

小さく呟くような声が聞こえた後に、辺りのアイストレントに無数の線が入りアイストレンド達は粉微塵となり程なく光の泡となり消滅した。その一部始終を見てたアコニトはぽかんと呆けて、アイストレントを葬ったものを見ていた。アイストレントの締め上げから解放され少し咳き込むギムレントは何が起きたか分からず体を起こし、回りを見るとアコニトが見つめる方向にサムライの大地が一人、刀を片手に佇んでた。

「モーションでできるみたいですね……スキルの名を言うとかも含めてですが」

「さすが大地ー」

「葵は早く体勢を立て直してください……」

「むー」

「はは、ああ……なるほどね……ガラン!!やってみろ!」

「了解っす!えっとこうか!!〔クロススラッシュ〕!!」

葵はとてもはしゃぐように大地に声をかける。その葵に特に気にすることなく、彼女の腕を掴みあげて体勢を建て直させる。ギムレントは大地の言葉を聞き、ガランの名を叫ぶ。ガランは一言返せば、体勢を直し、剣を素早く十字に振るい特技の呼称を叫ぶ。十字に振るった斬撃はウルフ二体を切り伏せて、残りのウルフは攻める手を止める。

「よっしゃあ!」

「これなら楽だな。ガラン、敵を引き付けておけ、アニコトはガランに再び回復。葵は援護を頼む。大地と他はすまないがアイストレントの相手をさて、じゃあ〔ゴーレム〕」

「へいへい、了解っすよ!!〔アンカーハウル〕!!」

「ほーい、じゃあどんどん射っちゃうよ」

「はい!〔ハートビートヒーリング〕!!」

「了解……では、こちらはカリンが支援を、ジーフェンも攻撃をはじめてください」

「よっと、了解」

「分かりました。大地さん」

メニュー画面を使わずに、特技が出せる魔法が使える。ゲーム時代の操作方法に縛られる事はない……ただそれだけだったのだろう。これにより、戦闘はやり易くなった。ガランは剣で盾を叩き、〔アンカーハウル〕でウルフ達を引きつけ、葵は背を見せるウルフへ次々と射掛ける。アコニトは回復呪文で全体の回復を始める。この事によりギムレントの目は輝く。戦闘がスムーズに進み始め口元がにやりと上がる。そして自らも土塊の〔ゴーレム〕を召喚してみせる。大地のパーティもジーフェン達が合流し、レベル90の彼らはデカ物のアイストレント相手に戦闘を開始する。大地は二振り目の刀を抜き、二刀流のジーフェンと共に斬りかかる。

「うんじゃあ……反撃だ……やってこいゴーレム」

ゴオオオオオ!!

ウルフ目掛けてゴーレムは突撃を開始する。太く重い拳を振り上げて……

「ちょ!?社長!?」

ゴーレムの拳は地面を砕き、ガランの悲鳴とウルフの鳴き声が森に木霊した。

「あ、ごめん」

うーん読み直すとなんとも言えないもの多かったですね。読み苦しい作品で申し訳ありませんでした。

あまり変わらないかもしれませんが、こんな感じで直していきますのでどうかよろしくお願いします。

PK戦は楽しみです←

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