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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
2~冒険者の革命~下準備
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夕暮れレモネード

「今日はこれにて……また明日頼むよ」

「ふぅ……はい、分かりました。うーん何か疲れました……」

「ははは、まあ、この世界で書類とかこういう話とかしませんからね。では、こちらも色々詰めてきますね」

窓から差す陽が赤く染まる。テーブルには空いたティーカップとお菓子を取り分けた皿が残る。三人は席を立ち、ギムレントが普段の笑顔で、二人にまた明日と言う。アーニャは疲れた様子で体を反らし伸ばして、シュトロボフはメモに書き込みながら、アーニャの言うことに笑いながら答える。このやりがいのある事にシュトロボフは楽しそうではじめの頃よりとても明るい様子。この世界では珍しく

「ではギムレントさん。アーニャさんまた明日」

「私も、ギルドに戻って、用意しますね。皆にこの事伝えないと……では失礼します」

「頼むよ。さて……こちらも人員決めておくか」

メモを書き終わるとシュトロボフは席を立ち、生き生きとした表情で、二人に挨拶して部屋を出ていく。アーニャも体勢を戻すと、ギムレントに明るい笑顔を見せて、今日のことを皆に伝えなくてはと急ぎ部屋を出ていく。残されたギムレントはふぅーっと体に溜まってたものを吐き出すように大きな息をつき、椅子にどっかりと座り込み目をつぶる。ゆっくりと薄目を開けて、残った書類を見て笑う。

「お疲れさまです。ギムレントさん」

「ん……ありがとうアコニトちゃん……」

ぎぃとドアが開くとワゴンを押して戻ってきたアコニトは、ギムレントの様子に可愛らしい笑顔で言葉をかける。ドアの音と声をかけられたことで、アコニトが入ってきたことに気づき優しい表情で返事をした。久しぶりに仕事をしていたときのような疲れにギムレントは懐かしさを感じつつまた目をつぶろうとする。

「あ、えっと……バコフさんからギムレントさんにって……」

「おっ?ふぅ……彼にはホント、礼を言いうだけでは足りんな。ありがたい……」

アコニトがギムレントに手渡したのは、ガラスのカップ。中身は淡い黄色の水色で温かく、良いレモンの香りがした。バコフと言う人からの差し入れで、それを受け取ると彼は少し困った表情を見せる。ただ何処と無く嬉しそうに微笑む。それを一口飲めば、程よい甘味とレモンの酸味が優しく口に広がり、最後に生姜の独特の辛味が味を締める。とても美味しいホットレモネード。ほっこりとした心地よい気分に、再び静かに目をつぶる。アコニトはギムレントの様子ににこりと笑顔を見せて、ティーカップなどを片付けていく。今のギムレントには、片付けるカチャリカチャリとなる音も心地よい。

「よしと……ギムレントさんは?」

「……もう少しこうしてるから、いいよ……アコニトちゃんも今日はありがとうね」

「いえいえ、頼まれたものをただ、運んでただけなので……じゃあ片付けてきますね」

皿やティーセットをワゴンに乗せ、ギムレントにアコニトは声をかけて部屋を出ようとする。ギムレントは片目を開けて、返事をして、今日のことに感謝の言葉を返す。彼女はお礼の言葉に少しはにかみ、頼まれたことをしただけと少し頬を赤く染めた。彼女は、ギムレントに軽く頭を下げてワゴンを押して部屋から出ていく。

だらけるのにもまだまだ、早いのだが、今のギムレントは、のんびりと夕陽差す部屋で暫し休む。明日からさらに忙しくなるぞと満足そうな笑顔を見せ、ホットレモネードを口にする。

「後、あいつにお願いして……明日は一度パーティーだな……」

ぽつりぽつりとつぶやき、ホットレモネードをテーブルに置く。ゆっくりと目をつぶり、寝息をたて始めた。

はい、これで別で上げてた小説からの移動は終わりました。次から新しい続きをあげていきます。どうぞお楽しみに☆

ホットジンジャーレモネードと言うのかな?この飲み物


バコフは誰でしょうね?←

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