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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
1~極北(シベリア)の異邦人~INセルデシア
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優しさに感じて

まだまだ雪多く残ろ道を進みギルド会館へたどり着く。堅牢に見える石造りのギルド会館玉ねぎ頭屋根が特徴的で有翼の怪物石像が見下ろしている。ギルド会館の扉は木製で彫刻のされた立派なもの。それを開き中に入れば暖かくほんの少し薄暗いエントランスホールが広がる。中央には円形の受付カウンターがあり冒険者が多く詰めかけて騒がしい。受付カウンターはこの世界の銀行冒険者相手だからギルド会館の中にあり、冒険者はそこにアイテムや通過である金貨を預け保管してもらってる。利子などがつくわけでなく、ただ単純に保管してもらうだけなのだが、そのお陰で貴重品をPKなどで略奪されるのを防げる。ゲーム時代それだけで十分な機能であり、今のこの状況では、冒険者にとってより重要な機能となった。

「PKがいるってなるとこうなりますよねギムレントさん」

「だな……」

彼らを横目に大階段を上り上階へ上がっていく。一階から上がると上の階は異様なほど静かで扉が等間隔で並ぶ廊下が続く。ある種先があるのか分からない空間が広がる。各々思ったこと言い足を止める。

「ギルド会館のホールに繋がるところはこんなんなっすね」

「ある意味ゲームらしいな」

「ファンタジーらしい空間だね大地」

「ファンタジーよりホラーにも見えますが……」

「眺めてるのもいいが、もう二階上だよ?」

「あ、はいギムレントさん」

ギムレントは彼らに声を掛けつつさらに上へ進んでいき、四階の空間に足を踏み入れる。やはり同じような廊下が続きドアが並ぶ不思議な空間。そのなかをギムレントを先頭に進んでいく。

「えっと……たしか……447?」

並ぶドアを確認しつつ、あるドアの前で立ち止まる。ドアノブに手を掛ければ表示が現れた。447ギルドホール、ギルドネーム・カムイワッカの森。ギルドマスター・ギムレント。その扉を開けると中全く違う空間が広がっていた。丸テーブルと椅子の並びホールで、会館のエントランスと違う明るい空間になっていた。

「ちゃんと俺らのギルドホールっすね」

「さっきの廊下と全く違いますね」

廊下と中の違いに正直驚く。と言っても、ゲームの時からファンタジー作品でよくある扉の向こうは別の空間と言った仕様であったが、現実で体験するとなかなか面白いことでもある。感心していると皆を出迎える声がして駆け寄る足音が近づいてくる。

「おかえり。皆」

「「ただいまー」」「カリンちゃん!ただいま」「ただいま。ご無事だったんですねカリンさん」

「はい。戻ったよカリンちゃん」

皆が戻ってきたことにとても安心した様子のカリンが出迎える。皆もカリンを見て安心して、特に葵が嬉しそうでカリンに抱きつく。それを受け止めるカリンも大変そうだがとても嬉しそうであった。ふとギムレントはもう一人を尋ねた。

「ところで?アコニトちゃんは?」

「え?あ、アコニトちゃん!来て」

「あ、はい……」

カリンの呼びかけに、ホールの奥物陰から顔を出す女の子。すぐに皆のもとに駆け寄って少し緊張した様子である。ギムレントは彼女の横に立ち改めて皆に紹介する。カリンの出会った女の子アコニト。一人その子を見て押さえきれない様子のものが一人いるが。

「この子はアコニトちゃん。ロシアサーバーで選択できる。Volkhvyがメイン職業の女の子。まあ、しばらくここで保護することになったからよろしく頼むよ」

「アコニトと言います。よ、よろしくお願いします」

「改めてよろしくっす。俺はガランな」

「よろしく。僕はジーフェンと言います」

「大地と言います。よろしく」

「んっ……ありがとう……ございます」

ギムレントに紹介してもらったアコニト。深々と頭を下げて挨拶する姿に、皆の表情がどことなく緩む。ガラン達はアコニトを受け入れ優しい表情を見せた。顔をあげて見た皆の様子に、アコニトは再び深く頭を下げてお礼を言う。こんな状況でも受け入れてくれたことにアコニトは感情が込み上げてきて違う涙で、目頭が熱くなるが一滴溢れそうなとき同じく感情を押さえれなくなった一人がアコニトを襲い飛び付いた。

「足手まといになるとおもいま!?きゃっ!?」

「いやーかわいいなあ!!アコニトちゃんって言うの?私は葵よろしくね」

「あ、はい、よろしくお願いします……」

「ねえねえ、どんな魔法使えるの?好きなモンスターとかいる?」

「いえ、その……」

葵がアコニトに抱き付いて頬擦りしながら、頭をなで回す。それに戸惑いされるが質問攻めに答えれないまま葵にいじり倒されるアコニト。ぎゅっと抱き締めて離さず、質問となで回しを続けた。

「葵……やめてあげないか?」

「そうだねアコニトちゃん困ってるからそろそろ……一様黒兵衛の以外は揃ったから次の行動も進めたいんだけど?」

「え?次って?なにするの?」

葵の様子に、呆れたように冷ややかな目を光るレンズの奥から向けつつ止めるように言う大地。それを回りは楽しそうにくすりと笑う。ゲーム時代から変わらぬ様子を観て、また少し安心するギムレントは、次のことを進めたいと切り出す。止めるように大地、ギムレントに止められて、葵は撫でる手を止め抱き締めたままその内容をギムレントに尋ねる。

「君のアイドル、アコニトちゃんと一緒にこの世界の戦闘を体験しようってとこかな?町中は今のところ情報はなさそうやし」

「するする!!アコニトちゃんと一緒なら、ねー」

「あ、はいっお、お願いします」

「まあ、早めにやるのはいいでしょうね……PKも本格化する前に」

「私も、やりますよ」

「やり方を早めに会得しとけばいざというとき困りませんしね」

「俺は、戦闘バカっすからね早めに慣れたい」

各々ギムレントの提案に賛同、賛成、同調。ギムレントは変わらぬ皆の様子に、アコニトの様子に笑う。次の行動が決まれば早速。

「うんじゃあ、パーティー分けしますか……まずはアコニトちゃんチーム」

「はい!!私も!!」

「俺もいいっすか?一様守護戦士だし」

「守護戦士に神祇官、じゃあそこに俺でいい……アコニトちゃんかな」

「はい!!」

「うんで残りのカリンの施療神官のカリン、盗剣士のジーフェン、武士の大地が俺らの守備隊な頼むよ」

「わかりました」

「了解です」

「了解」

パーティーが分れて、アコニト、ガラン、アコニトから離れない葵、そしてギムレントのパーティーとカリン、ジーフェン、大地のパーティーと決まる。役割的にもちゃんとなってる方でまずまずと思うところ。

「じゃあ、俺たちは師範システムでレベル下げるから頼むよ三人方」

「え?レベル下げちゃうんですか?」

「ああ、そうだよ。私やガランみたいにレベルがカンストしたのとアコニトちゃんのレベルだと釣り合わないからね。敵の行動も変わってきて面倒くさくなるし」

メニュー画面を開き、師範システムの項目を選ぶ。レベルが下がると言う文言にアコニトはまた不安そう様子でギムレントを見るがギムレントは気にする様子もなく師範システムをアコニトと組む。

アコニトパーティーの高レベルの三人はレベルが下がっていく。師範システムは高レベルプレイヤーと低レベルプレイヤーが一緒にゲームをプレイ出来るようにと出来たシステム。と言っても高レベルプレイヤーのレベルが一時的にでも下がると言うリスクが高いのとゲーム時代ならば高レベルについて低レベル単純なレベルあげの方が楽と言うのも多かったのでこのシステムが使われる場面は少なかった。

「そ、そうなんですね……うん」

「大丈夫だよ。もしも、危なくなったら私たちが割って入るし」

「そいつは心強い……よしとじゃあ、まずはカマルクサの森に行きますか」

不安そうなアコニトに別パーティーとして、行動することになったカリンが声をかける。危なくなったら助けるからと約束してアコニトの頭を撫でる。その言葉にギムレントから心強いと笑いつつ用意ができれば皆に声をかけてギルドホールの出入り口へ進む。ギムレントの後を皆ついていき、アコニトもカリンに背中を押されて一緒に歩き出す。これから初めての戦闘が始まる。

本筋は、変わらないのですが内容変更されたりしてますね(すまん)

次の書き直しはやっと戦闘シーンかな?

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