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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
ウラジオン
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違う町並み

響き渡った声に、城壁の上では歓喜の声があちこちで上がり沸き立つ。その騒ぎにマルタは耳を塞ぎムスっとした顔を見せ。それにテオは苦笑いし、丸太を連れて大地のところに戻ってくる。

「すごい騒ぎになりましたね。大地さん」

「まあ、仕方ないですね……黒兵衛さん。この子達を休ませたいのですがいいですか?」

大地はテオに優しく笑顔を見せて答え、黒兵衛にこの兄妹を休ませたいのだがと訪ねる。それに黒兵衛は人混みと騒ぎを眺めて答えた。

「ああ、そうですね。では私たちはギルドホールに戻りますか?君たちは戻りますか?」

「あ、はい。黒兵衛さんの言われた買い出しは終わってるので戻りますよ。みんなも待ってますし」

「分かりました。では案内しますか」

「助かります黒兵衛さん。ザハルはどうします?」

「あ、俺は仲間探してきます。えっと後で、ギルド会館行くので」

「ではその時迎えに行きますよ」

「ありがとうございます。大地さん」

大地たちと黒兵衛、そしてリノアノ達はギルドホールに向かうことにして、ザハルは一度仲間を探しに大地たちと離れて別行動取る。別れ際大地に頭を下げて離れていく。黒兵衛を先頭に団体はギルド会館へ。道々では、PKギルドの敗北に喜ぶもの達が、騒いでいてお祭り騒ぎになっていた。これに味のある食べ物、飲み物特にヴォトカ(ウォッカ)があれば冒険者は大宴会になるだろう。その騒がしいのを大地は遠目で眺めるだけで、マルタとテオを気にかけながら黒兵衛の後を追っていく。

城壁を下り、大通りの騒ぎの中を通る。大通りは洋風が中心だが、アジアや中華風の建物がちらほら見られ、商店や露天も数多く並ぶ。大通りがぶつかる十字路を真っ直ぐ進みしばらくするとギルド会館が見えてくる。ギルド会館はハバローフと少し形状や建築様式が違い、中華風な部分とロシアの玉ねぎ屋根、外観は洋式であるが窓は中国風である。大きな扉が開かれ中に入れば、ギルド会館の広いエントランス。床はタイル張りモザイクで、照明はアジア的なランタン。植物の鉢植えや植え込みがあり庭のようにも見え、水路まで造られ赤い木造の橋が架けられているている。中央には東洋と西洋の龍の噴水があり、口から水を吐き出しその水が水路を流れていく。ゲーム時代からウラジオンのギルド会館は豪華だと思ってたが、リアルとなるとまたすごく感じる。

「すごーい!」

「あ、こらマルタ!」

このエントランスにまたマルタははしゃぎだし、それをテオが追いかけて捕まえる。この掛け合いに大地は思わず笑ってしまう。

「ふふっ、ではギルドホールに案内しますよ。離れないでくださいね」

「あ、はい!ほら、マルタ」

「はーい……」

「後で見に来ますか?三人で」

「いいの!やった!!」

「はぁ、ありがとうございます。大地さん」

残念そうなマルタに大地が、後で来ることを約束する。明るい笑顔を見せるマルタにテオは、頭を下げて礼を言う。その様子にリノアノ達は微笑ましく思い、黒兵衛はくすりと笑う。ゆっくりと黒兵衛は歩き出し、エントランスを抜けると扉の並ぶ廊下が続く。その四階のある扉を開き、中へ皆を通す。

親子に見えてくるよう努力したいな←


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