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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
ウラジオン
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決す下

「それから、マトリシェカ!!」

「はい。左右陣並び前衛総攻撃!本隊も前進!!」

巨大剣を肩に担ぎ、念話を繋いでマトリシェカに連絡をする。受けたマトリシェカの号令で今まで静かになっていた攻撃が一気に勢い付き爆音や雄叫びが上がる。三方なら囲う部隊が一気に切り崩していく。

「終わりにしますか?バストロガさん……」

「……はっ、そうだな。てめえを潰せば逆転するしな!!」

練度の差かゲオルの仲間達により、バストロガのギルメンは退けられ、ゲオルとバストロガだけの空間ができる。一瞬黙るバストロガだったが、出血もなく回復したこちらの方が優位と口角を引き上げて、ゲオルに迫る。ダメージを回復してないゲオルだが、その顔は生き生きとしていて、巨大剣を構えて駆け出し、両者武器をぶつけ合い睨み合う。刃がぶつかり擦れ火花が散り一歩も引かない。

「ふふっ……」

「なっ!!」

押し合ってたところをふと笑みを見せて、力を抜き受け流すはゲオル。急に相手が力を抜いたせいでバランスを崩し体勢乱れる。ゲオルは回転を加えて、相手のがら空きの背中に巨大剣の一撃を叩き込む。

「がはっ!?」

「終わりです」

その一撃で雪積もる地面に叩き付け、バストロガは呻き声を上げる。相手の得物である斧を踏みつけて巨大剣をゆっくりと振り上げる。

「な、この!?」

「はは、逃げるんですか?」

動かせない斧を放棄して間合いを取るバストロガは震え始める。それにゲオルはゆっくりと近づいていく。魔法の爆音や雄叫び近づいてくる。

「俺をやったからってどうにもならねえぞ……」

「かもしれませんね?けど、マシにはなるでしょ?」

「っ、コノヤロ!!」

命乞いのつもりか口をついてバストロガが変わらないと言い出す。だが、そんなことをゲオルは気にすることなく、間合いを詰めていく。迫るゲオルに、表情をひどく歪ませて、相手に勢いよく突進をして、押し倒す。

「!?」

「へっ、なめやがって!!」

馬乗りになり、武器の持たぬバストロガは見苦しくもゲオルの首を両手で締め上げる。流石に苦しいと見えてゲオルはもがき片手で相手の腕を引き剥がそうとする。だが、そんなことでは剥がすことはできず。

「はは、早く楽になりな!!あ!!あ……」

「はぁっ!!……はぁ、私のギルド名忘れてない?」

バストロガの動きが止まり、手から力が抜けていく。ゲオルは呼吸ができるようになり、空気を一度、一気に吸い呼吸を整えてから相手を自分の上から退かす。ゲオルの手には短剣があり、バストロガの頚からは血が吹き出す。程なく霞となって消えるが、雪は真っ赤に染まり上がる。

「両軍に聞け!!!テュルフィングのバストロガを!!今ここで打ち取ったぞ!!!」

一呼吸すぅーっと吸い込み大声を張り上げて宣言する。その声は城壁にまで届き、歓喜の声が上がる。勝利に沸く連合軍に、敗残のテュルフェングの連中はその場に座り込む。敗走しその場から逃げようとした連中は鉄騎兵団に刈り取られ、この戦いは終わりを迎えた。

包囲殲滅も好きですが、誘い込んではめるようなのも好きです

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