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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
ウラジオン
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ウラジオン

ハバローフをたって十数日。猪と馬を使って無理矢理に進めた旅が終着に近づいていた。途中開拓民の村にお世話になったり、村で大地が料理を披露したら宴会になったりと騒がしく楽しい旅だったがここで、一度終わる。

「見えてきましたな。ウラジオン」

「見て見てお兄ちゃん、おっきい城壁だよ」

「ああ、スゴいな」

「テオにマルタ、町のなかは安全とは言えないので離れないようにしてくださいね」

「はーい」

「分かりました」

〔ウラジオン〕現実世界ではウラジオストクに位置する冒険者の町。冒険者のホームタウンであり、貿易港の一つでもあるので大地人も多く往来し定住してるものも多い。素材アイテムなどの品物も品揃えが良く、南方の中国サーバーのものや日本サーバーのものなど時折高額だが販売されることもある。この地域のなかでは、冒険者の人口も多くなる。生産系のイベントなども多かったため生産系ギルドも多い町だった。

馬と猪から降りて、立派な城壁を見上げる。何か装備があるわけではないが圧倒される感覚を覚える。開かれてる城門を抜けてなかに進む。町のなかは、とても静かだった。

「寂しいな」

ザハルの言葉が通る。ゲーム時代と違い人は疎らで、大地人の商店も品揃えが悪い。冒険者たちは目合わさないためにうつ向き加減か顔を背ける。大地人も似たようなもので客引きも積極的ではない。

「ここもか……まず会館に……」

「迎えに来ましたよ。大地さん」

「!?、黒兵衛殿!」

「殿とつけなくていいと言ってるのですがね……フレンドリストを開いたら到着してたみたいなのでお迎えにきましたよ」

「ありがとうございます」

大地に声をかけてきたのは、黒を基調にした落ち着いたシックな洋服に、ジャケットを羽織った白髪の紳士。金縁の片眼鏡掛けていて、とても優しい表情をしている。彼を見て大地は黒兵衛と呼びいつもの表情から少し和らいだ表情を一瞬見せた。

「この人が黒兵衛か……」

「君がザハルで、そちらの二人がマルタにテオだね。初めましてカムイワッカの森のサブマスターを務めております」

「あ、ザハルです。よ、よろしく」

「初めまして、テオと言います」

「マルタと言います!よろしくお願いします」

大地と一通り会話をし終わると黒兵衛は、ザハル達三人の方に向き直り、優しく微笑み頭を下げて挨拶をする。丁寧な彼に三人は戸惑うがそれぞれ挨拶をして、彼と同じく頭を下げる。黒兵衛優しい表情を崩すことなく静かに頷き、四人に話を続ける。

「ふふ、挨拶はどこでも基本ですからね。では皆さんギルドホールに行きましょう。ここでは、何ですし、よろしいですよね?大地さん?」

「ええ、はい。そう言えば新人プレイヤーなどの方は?」

「ああ、皆さんギルドホールで待機してるはずです。今日は……ん?」

「始まるぞ!!スティレットの連合とテュルフィングスの奴らの戦いが!!場所はウラバの方だ!!」

話に聞いていた新人プレイヤー達の話を聞き、それに答えていた黒兵衛の話を遮るように叫び声が響く。それを聞いてうつ向いていた冒険者や大地人達も顔を上げた。そして次々と同じ方へと駆けていく。

「始まりましたか。最後の戦いが君たちも観に行きますか?」

「あ……はい!」

黒兵衛はそう訪ねるが了承もとらず、歩みを周りの皆と同じ方へと進んでいく。四人は、はいと返事を返すしかなく黒兵衛に着いていきお祭りのパレードのように騒がしくなる中を歩いていく。

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