手紙の内容、毒吐く彼
「それでは失礼します」
二人が頭を下げて部屋を出ていく。出ていく彼らを見送り手を振り、いなくなれば椅子に深くもたれ掛かる。机の上のペーパーナイフを取り手紙の封を開けていく。中から質のよい白紙が出てきて中身を開き静かに読み始める。開いたときはロシア語だったが、ゲーム時代の自動翻訳が働いてるのか内容は日本語で読めた。
ギルドマスター様へ
初めまして、氷上の妖精のギルドマスター・アーニャと申します。今回この手紙を送った理由は、この世界になり、わたしたち冒険者たちの混乱、町の中や外の蛮行。また大手ギルドの買い占めや狩り場の縄張り化、勢力争いなどをこれがまかり通ってしまえば、ソロプレイヤーや私たち中小ギルドに自由がなくなり、よい結果にならなと思い送りました。この世界がゲームなのか現実なのか正直私は、まだ答えが出ていません。だがそんな中でも元の世界に戻れず、私たちはこの世界で生活を始めることになりました。だからこそ、この世界でより良く私たちが私たちらしく生活するために、この現状を変えるための話をしませんか?より多くの方が集まっていただけたらありがたいです。よろしくお願いします。
氷上の妖精ギルドマスター・アーニャ
「考えていたようでやはり考えていなかったと言うことか?」
手紙をの読み終わりつぶやく。もうひとつの紙があり、そちらには日時と場所が記載されていた。その二つを元に戻しメモとは別にして置く。それを眺めメモを眺め……机にうなだれる。そして、念話の欄を開き空中を操作してある名前に念話をかける。2度だけ呼び出し音を鳴らしてきり、違う名前に再びかける。そして2度の呼び出し音の後すぐに相手が応答する。
「あんたか?ギーム……なんのようだよ?人の国で……」
「何のようって情報がほしいんだよ。てか、そのギームって呼び方やめないか?」
「やめねえよ……てか、ギームに言われたくないですね」
「相変わらずだな。刺々しい」
「この状況が良くならないから、イライラしてんの」
「そう言われてもな……」
「それにお前みたいなタダで情報得ようするやつとか多くてね大変だったの」
「タダッて!ちゃんと対価払ってるだろ?よいものも渡してるし?」
「その都度めんどいことに巻き込まれるからノーカンだよ。ノーカン」
「たくっ……」
念話の相手の声は幼くも聞こえる声で男女どちらとも取れる声色。ただ口が余り良くなくギムレントに文句を言い続けていた。
「はぁ……まあいいや……じゃあ要件を聞こうか?」
「この世界で分かったことを話したい……」
「場所は?」
「いい店を知ってる。勿論酒などに味はないが……」
「分かったよ……じゃあ、町の外れにある廃屋で待ってるからその店に案内してくれギーム」
「エスコートするなら女がいいのだが……」
「なら、話は終わりな」
「分かった……悪かった」
「時間は深夜回る前じゃあな」
「あっ……切りやがった……」
話が一通り終われば一方的に念話が切れる。ふうと息を吐き顔を少ししかめるが頭をかいて笑ってしまう。立ち上がり、着替えに自室へと向かう。大手ギルド、PK、中小ギルド……増える問題に笑い、夜が来るのを待つことにする。その間じっくりことを考えて
次回再び、大地サイドになりまーす
 




